花霞の薔薇たち

AustinRoseその他の色

 

一つ前のページではピンクの

イングリッシュローズを

紹介しましたので

ここではそれ以外の色を。

 

 

William Shakespere 1897年

「赤いつるバラが欲しい!」と思って近所の園芸店で購入。

くしゅっとした濃い赤の花びらで、

あまりに花びらが多くて割れてしまう物も多いです。

冬に咲いた時が小ぶりだったので、

割れることなく本当の姿で咲いてくれました。

香りは良く、甘い感じ。

いじっていると手が良い香りになります。

4月の終わりにはたくさんのつぼみが色づいてきます。

 

2009年秋に、根元から台木の野バラの芽が出てしまって

摘んでも摘んでも伸びてきてとうとうダメに。

 

※William Shakespere2000というのが出て

人気になりましたが、これは元の方です。

もうカタログにも載っていないので

二度と買えないのに残念です。

 

 

 

 

Chianti 1967年

クリムソン(臙脂色)のカップ咲きからベルベットのような

パープルマルーン(濃い赤紫色)のロゼットへと変わります。

Chianti、蟻付き。

つぼみのときと、開ききったとき。

ガーネット、ルビーのような

イタリアワインのChianti(キャンティ)

がこの名の由来だそうですが、

カタカナ読み?で「キアンチ」と呼ばれますね。

 

一季咲きだからか、小さな鉢なのにたくさん咲いてくれました。

小さい鉢だからか、花は中輪でそんなに大きくないので

派手な赤だけれど可愛らしいです。

 

2010年に我が家にやってきて、はや14年経ちました。

2024年はつるバラのようにしなやかな枝が伸びています。

枝が細めなのでフェンスなどに仕立てて下から見上げるといいみたい。

 

庭の薔薇と天使でポストカードを作っています。

これはChiantiです。

 

 

交配 Dusky Maiden×Tuscany

 

 

 

 

The Priores 1969年

 

セミダブルでまんまるコロコロの花形。

優雅で儚い印象。

ラ・レーヌビクトリアの血を引くのですって。

蕾を見ると、やっぱりね、という感じ。

英国で「聖杯のような」と表現されるそう。

開ききると大きな梅の花のよう。

 

かすかな香りと聞くけれど、花を触っていると

本当に上品な香りが心地よい。

秋にも返り咲く。

黒点病に弱いらしいけど、家ではあまり気になりません。

樹高1.3mとありますが、日本ではもう少し大きくなりそう。

茎は真っ直ぐで直立。

スレンダー美人。

 

花付きはそんなに良くないけど、開きかけたときの美しさは絶品。

 

 

交配 La Reine Victoria×実生

 

 

 

 

Troilus 1983年

「蜂蜜の香り」とお花の友達のナッチママに聞いて

すっかり名前を覚えてしまった。

 

ピンク系が多いベランダに白かクリーム色を、

と思って選んでみました。

強い風にあまり当てない方が良いのか、

花びらが傷みやすいです。

 

花びらは横に広い感じで、

真ん中が尖っているのが特徴的。

蜂蜜の香り...う~ん、確かにほのかに甘い

フルーティーな感じかな?

一度に沢山は咲きませんが、

真冬でも大きな蕾を持って咲いてくれました。

下の写真は11月のつぼみ。

かなり背も高い方だと思います。

しっかり者の清楚なお姉さん薔薇という雰囲気です。

これは8月の終わりの姿。

イングリッシュローズの魅力は夏でも咲いてくれる

ものが多いことも上げられますね。

 

2002年から11年一緒に暮らしました。

 

 

 

 

 

Francine Austin 1988年

ピンクの蕾から純白のポンポン咲きになる。

スプレーなので八重咲きの桜に似た雰囲気。

小さくて可愛くて、主張しすぎないところが好きです。

 

横に広がっていくタイプで、可愛らしいのに結構丈夫。

やや遅咲きで、秋まで何回か返り咲いてくれました。

枝を誘引しているとかすかに香ります。

オースティンローズの中ではスノーグースと似てますね。

 

 

 

 

Glamis Castle 1992年

デビッド・オースチンの作り出した白バラの中でも最上と言われる。

フルカップ咲きでミルラ香。

枝が細いので花が咲くと重たそう。

 

全体的に細身で「華奢な女性」のような薔薇です。

耐寒性に優れています。

棘は細かいのが密に着いている感じ。

夏になると日陰になってしまう場所から鉢上げしたら

3月からもうつぼみを一杯つけてくれました。

薔薇は条件の良くない地植えよりも日当たりの良い鉢植えの方が良いのでしょうね。

これも花付き良く、他の薔薇がお休みしている夏の間も良く咲いてくれました。

 

 

 

 

Jayne Austin 1990年

アプリコットがかったイエローのこの色は

アンニュイな色のグロワール・ド・ディジョンから来ているとのこと。

 

中輪。強いティー系の香りとあるけれど、

鼻を近づければ香るといった感じ。

香りがちょっとトロワラスと似ている気がします。

 

とても育成が良く元気な薔薇。

ブーケの中で良い味を出してくれる色です。

白との相性もいいですね。

 

 

薔薇の友達Jさんの恋人薔薇で、

この薔薇をこよなく愛でていたのをいつも思い出します。

お気に入りの薔薇が人生の中で共に生きてくれているのは

何だかすごく豊かな気がしますね。

 

 

 

 

 

The Prince 1990年

咲き始めは深く濃厚なクリムソンレッド。

その後濃厚なロイヤルパープルに変化します。

 

ベルベットのようなこの色はなかなか写真にそのまま写ってくれないので、

実際に目で見た方が遙かに美しいです。

初心者には栽培は難しいと聞いていたので

躊躇していたのだけど、お友達にいただいたブーケに入っていたのが

あまりにも可愛かったので他の薔薇達と一緒に育ててみようと思い、仲間入りしました。

 

これはその時にいただいたプリンスをドライにしたもの。

黒薔薇といった感じで、とても素敵ですね。

ゴールドのしべがまた合います。

 

カップ咲きロゼット。

葉は黒みがかった暗緑色です。

黄金色のしべが花びらの色を一層引き立てています。

ガリカローズのような強いオールドローズ香で、

本当に良い香り。

繰り返し咲いてくれます。

夏の間も元気。

どの薔薇もそうですが、

五分咲きくらいの姿が私は一番好きです。

あまり大きくならないので鉢植えがよさそうです。

 

 

 

Sofhy's Rose 1997年

平らなロゼット咲きの明るい赤。
咲き進むと色が褪せるので5部咲きくらいが好き。

 

何故か赤いバラが突然欲しくなって
(赤いバラが欲しくなる時は私はどうも、突発的なようです。)
ROSE OF ROSES社のカタログで注文しました。

 

この花の色は明るいところよりも木漏れ日くらい
の場所で見るのが綺麗だなと思います。
「秘密の花園」のバレリーナの横に植えていました。

背は1・5m程で良く枝分かれしますが
そのわりにはコンパクト。
香りもあります。

 

真冬でも咲いています。

 

開くとシャープで、長い葉が洗練されたイメージがあります。

 

 

この赤はちょっと他と質感が違う(モダンローズの赤)なので

クラシカルな雰囲気はありませんでした。

 

 

 

Munstead Wood 2007年

ベルベットのようなクリムゾンレッドの薔薇。

秋にも返り咲くので良く咲くイメージです。

 

小ぶりでそんなに大きくなりませんから

鉢植えでいけます。

 

香りもとてもよく、フルーツ香。

こんな感じもいいですよね。

赤い薔薇は昼間よりも明け方や夕方が美しいと思う。

 

外側の花びらがちょっと淡い色になるのが特徴。

 

 

**

さてさて、

数ヶ月にわたり、書いて来ました花霞の薔薇たち。

 

昔書いた記事を掘り起こしながら

今もベランダや庭で咲いていてくれる薔薇に関しては

新しい写真も加えつつ、まとめてきました。

 

 

 

 振り返って

 

自分自身、薔薇と共にずっと暮らして来て

電脳舞踏団~DancingAngels~をやっていたときなどは

本当に忙しくて家にいる時間があまりなかったり、

いてもPC作業が鬼のようにあったりして

薔薇に手をかけてあげられなかった時もありました。

 

 

関東圏ではradioactive contaminationなども気にしなければ

いけない時期も合ったりして、

この数十年の間にはいろいろとありました。

 

それでも、ずっとそばにいてくれる薔薇も多く、

あらためて生命力の強さを思います。

 

未熟な知識と経験が故に、ちゃんと育ててあげられなかった

薔薇もあったかと思いますが、

自然のものですから、その年の気温や天気など、

その薔薇の個体差、苗の元気さ、いろんなことが

あってのこの歴史なんだろうと思います。

 

 

 薔薇が病気になったら

 

そして、おかしいなと思えば根っこのチェックを

することも覚えましたし、

土が固まってなかなか乾かない時は必ずと

言って良いほど根は元気がありません。

鉢の中に虫がいることも多いです。

 

うどんこ病が出ればお酢で拭いたり、

月桃を取り寄せたり、バリ島でニームを買ってきたり、

農薬を使わない方法をいろいろ試してきました。

納豆菌のことを知ってからはそれも使っています。

 

 

それでも、どんなに大事にしていてもダメなときはダメになります。

 

 

きれいに咲いてくれた時には

毎日のように挨拶に行って

「かわいいね。ありがとうね。」

と言います。

 

 

薔薇を育てていて良かったな。

 

イングリッシュローズに関しては

今はもうカタログに載っていない古い薔薇が多いので、

懐かしく見て下さった方も多いのではないでしょうか。

 

星の王子さまのように、たった一つの薔薇を

恋人のように育てて行くのも素敵だと思います。

 

 

 小さな薔薇達

 

今回ご紹介した薔薇以外には

ミニチュア薔薇があります。

 

このAngel RoseはNYのSOHOでみつけた園芸店

に売っていた薔薇の種を買ってきてまいたもので、

20年以上は一緒に暮らしていたと思います。

2004年。

小さな鉢で花が咲いた時は嬉しかったな。

 

大好きな薔薇でしたが去年枯れてしまいました。

 

 

通常、ミニチュアは寿命が短いので、

長くても15年くらいしかいなかったと思います。

お花屋さんで立派に咲いていても薬をたくさん

使っていることが多いのでそういう場合は

無農薬栽培にすると、元気がなくなってしまうことも

あるかもしれません。

 

  

 

 

 小さな庭と花霞

 

広い庭があるわけでもないので

スペースにも限りがあり、

なおかつ、周りの山々の木々やお隣の樹木が伸びてきて

秘密の花園は真南にもかかわらず、すっかり日が当たらなくなりました。

 

少しでも日当たりを良くしようと枝を払いますが

下は崖なのでこれ以上は登ると危険。

 

2005年の秘密の花園。

 

この頃はまだこんなに夏でも日が当たっていたので

薔薇達も元気に咲いてくれていました。

 

これは2023年の庭。

春以降はほとんどこんな感じです。

空が見えないくらい木が茂っています。

 

ここまでお付き合い下さったみなさん、

ありがとうございました。

 

またブログでも時々薔薇の写真を載せますね。

良かったら見に来て下さい。

 

 

2024年6月 花霞 ベランダにて