AustinRose

 

 

イギリスのバラ育生家、

デビッド・オースチン氏が作った

バラで「オースチンローズ」

日本ではイングリッシュローズ

とも呼ばれます。

 

1970年代になって名前が知れてきた、

比較的新しい品種で、

オールドローズの姿形、香り

などをそのままに

現代バラの四季咲き性をプラスさせた

改良型ということで人気が出て、

日本でもファンは多いと思います。

 

けれども、

イギリスのリージェンツパークで見た

オースティンローズ達の色や

たたずまいは私の庭で見るものと

かなりイメージが違いましたので、
(もっと繊細だった!)

イギリスと日本では気候が違うし、

カタログと違うということが、

あるのも仕方がないなあ、

と思っています。

つる性、シュラブ、パティオ、

大きさや色は様々です。

※このページではピンク色のイングリッシュローズを紹介しますね。

 

Constance Spry 1961年

イングリッシュローズの記念すべき第1号。

ガリカローズの「ベル・イシス」と

フロリバンダの「デンティ・メイド」

から生まれたつるバラです。

 

この薔薇がきっかけとなり、

イングリッシュローズと

デヴィッド・オースティンの名を

広めたと言えます。

 

この名はフラワーアレンジメントの

開祖であり庭園デザイナーとして

著名なスプライ女子ちなんで命名。

 

オールドローズの良さを存分に受け継ぎ、

イングリッシュローズのやさしい雰囲気が感じられる。

ソフトピンクでディープカップ咲き。

結構花びらの数も多いでしょう?

ミルラ香と言われるこの芳香も素晴らしい。

 

たった一つ残念なのが

他のイングリッシュローズと違って

四季咲きではありません。

でも、多花性で一季咲きの

華やかさがあるので

どちらをとるかでしょう。

つぼみは丸っぽくて、フルーティーなイメージ。

枝は細くてしなやかなので誘因しやすい。

 

1Fのベランダ軒先に2010年地植え。

最初の年は一輪咲き、

次の年は3つ、4つと、

少しずつ花数が増えています。

2023年はアーチを設置したので

下から見上げることが出来て

まずまず気に入っています。

5月の早い時期に咲きます。

散るときは一気にバサッと花びらを落とします。

 

あっという間にもう14年も一緒に暮らしているのね。

 

女の子の天使ポリーちゃんも、彼女が咲くと部屋の中からいつも眺めています。

 

 

 

Cymbeline 1982年

このバラの香りをかぎたくて・・・

ミルラ香ってこんな風なんだね。

子供の頃にかいだお母さんの香水のような。

 

色は珍しいグレイピンク。

でもイギリスと同じ色は出にくいみたいで

外側が白っぽいクリーム、

中が薄ピンクの花が咲きました。

葉のグリーンが生き生きとしていてきれい。

枝が細いのでわりとコンパクトにまとまっています。 

つぼみの時に、外側が少しグリーンになるのが何とも素敵です。

花開く前が一番好きで、

このまま永遠にとっておきたい

ような気がします。

そう大きくない鉢で育てていますが

最近はあまり苗を売っているのを見ませんね。

派手すぎず、私はとても好きなバラです。

 

 

 

 

濃い目のグリーンの葉に細いステム
棘はまあまああります。
 

 

 

 

Heritage 1984年

 

 

Heritageは遺産という意味だそうです。

別名「Roberta」。

 

美しいな、きれいだなと思いつつ、

後回しになってしまって、ようやく手に入れたときに

早く手に入れれば良かったと後悔するくらい

素敵な薔薇。

 

いつかこの薔薇だけでブーケを作ってみたい。

まあるいカップ咲で花びらがハートのようにも見える。

レモンの香り。

棘があまりないのも嬉しい。

 

夏の間もスプレーで繰り返し咲いてくれます。

 

秋が深まった頃もいくつもつぼみをつけて、

きれいに咲いてくれていました。

 

交配 実生×(Wife of Bath×Ice Berg)

 

 

 

 

Claire Rose 1986年

淡いピンクの色がエレガントで美しい。

雨に当てない方が良いと

イギリスの本に書いてあったので

屋根付きのベランダに2001年に地植え。

箱入り娘。

2005年まではまだオベリスクにおさまっていた。

直立型なのですが、ツルのように誘引すると

沢山枝が伸びて数え切れないくらいつぼみがつきます。

 

そのうちこれでは収まらずに、

壁に這わせることに。

壁になんとか抑えていたのですが

太陽を求めて南へ南へ伸びてしょうがないので

2023年、「もう好きなように伸びなさい」と彼女のためにアーチを設置。

茎が太くて硬いので、誘因は枝がしなやかな2月くらいまでにしないと難しい。

 

つぼみから五分咲きくらいが特に好き。

なんて可愛いのだろう。

花びらの一番外側に少しグリーンが入るところがまたいい。

 

つぼみはコロコロ。

 

もういっちょ

 

私が彼女をえこひいきするのがわかるでしょう?

家で一番よい場所に植わっているので、

彼女も愛をわかっています。

 

香りは品のある良い香り。

咲き進むと平咲きになって、花保ちはかなり良い方です。

雨にさえ当たらなければ1週間以上咲いています。

 

かれこれ23年も一緒に暮らしているのね。

今朝、カミキリムシがとまっているのをみつけて

慌ててつまみ出した。

さよならが来るのがこわい。

きっとあなたもこの薔薇が欲しくなっている・・・

 

 

Abraham Darby 1985年

エイブラハム・ダービーは

最近ではあまり見かけなくなった

初期の頃のイングリッシュローズの一つかもしれません。

黄色に近い杏色から、だんだんに退色して柔らかい花色に。

若い時はお母さんのAlohaっぽいけど、

おばあちゃんがNewDawnだから散る間際のこの色は・・・

と頷ける。

薔薇って交配親の片鱗がチラホラ見えるのが楽しい。

 

10cmを超えそうな大輪ディープカップ咲き。

フルーツ香と言われる甘く強い香り。

 

丈夫で育てやすく、真夏でも咲いてくれていました。

存在感のある薔薇。

この写真はちょっと反則気味。

でも、元気一杯のダービーだけでなくこんな表情を見せるときもあるのです。

 

 

交配 Yellow Cushion × Aloha

 

 

Queen Nefertiti 1988年

ペールイエローに淡くアプリコットが乗り、

温かい日差しを受けるとピンクが差す、とこの薔薇の色は一言では言い表せられない。

 

この薔薇ほどいろんな顔を見せてくれるのはないくらい。

クリームイエロー、アプリコット、ピンク、同じバラとは思えない七変化。

 

この時はほぼアプリコットイエロー。

 

 

つぼみのときは赤い。

 

 

他のイングリッシュローズとはひと味違う。

そして棘がすごい!

革の手袋無しではお手入れ出来ません。

 

中輪ロゼット咲き。芳香あり。

外側の花弁が反り返る。

繰り返し良く咲いてくれます。

 

ネファティティはかのツタンカーメンの伯母に当たる

エジプトの王妃の名前。

当時でももうカタログから消えてしまっていて

日本ではなかなか手に入らなかった。

2010年テッポウムシにやられて瀕死。

何とか復活するも、強風で根元からシュートが折れてしまい、

数年後にとうとう枯れてしまいました。

 

交配 リリアンオースティン×タモラ

 

 

 

St.Cecilia 1987年

春の花は白に近い肌色ピンク。

 

秋にはアンズの色味が濃くなる。

強いミルラの香りで、一株あると優雅な雰囲気を庭にもたらしてくれる。

 

地植えにして3.4年もすると1m以上になって

秋深いときも良く咲いてくれました。

神戸の友人がくれた大好きな大事な薔薇だったのに

「秘密の花園」の下水管工事の時に枯れてしまいました。

とても悲しい。

 

でも大好きな薔薇なので、

2023年に苗をみつけて

また育てることにしました。

この薔薇ももうカタログには載っていないのでまた会えて嬉しい。

 

イングリッシュローズの中では

My favorite Best3の中に入っています。


 

 

Charles Rennie Mackintosh 1988年

名前はスコットランドの建築家にちなんで。

この珍しいライラックピンクの薔薇は

イングリッシュローズ好きな人達の中でも

ちょっと人気だったかもしれません。

 

香りよく、連続して良く咲く。

小ぶりなのでベランダの鉢栽培向き。

 

3,4月を除いてほぼ一年中咲いていたっけ。

細い枝なのに健気。

 

でも、育成が弱いのか、何年かすると枯れてしまう

という話をよく聞きました。

今でも育てていらっしゃる方いるかな。

 

 

 

Ambridge Rose 1990年

 

濃いピンクのバラが集まってしまったベランダに、
アプリコットのバラが欲しくて選びました。

この写真はピンクが強いですが、

もう少しアプリコットイエロー
になることが多いです。

咲き進むとベージュっぽくなって
それはそれで好きです。

コロコロのつぼみと、カップ咲きの花姿。
クォーターロゼットといって、4つに分かれて
クシュクシュに咲きます。

花びらの質感はわりと堅めですが、

100×60の小さめ、
誰もが好きな可愛いERです。

香りは独特で、蜂蜜っぽい感じの甘さです。

スプレーなので、一度に3つ4つ咲いてくれるのが嬉しい。

手もかからず、とても元気なバラ。

 

12月でもつぼみをつけているので春のために摘んでおきました。

あまり寒いとつぼみが固いまま赤くなっていくだけなのよね。

 

丈が大きくならないので鉢で育てていました。

5月の早い時期に咲き始めます。

このアプリコット色が他にはない感じで、

沢山咲いてくれるし、

とても丈夫で育てやすいので

イングリッシュローズの中でも人気でした。

 

 

 

Bow Bells 1991年

私の好きな、カップ咲き。咲き進むと平咲きに。

樹高は150cmとありますが、シュラブで横にも拡がります。

とても強くて育てやすいけれど、うどん粉になりやすい気がします。

 

2006年、北側の玄関側に移動しました。

可愛いのに、香りは薄く、花もちが良くないのが残念です。


花は夜になると、閉じて、朝が来ると
また、開いていきます。面白い!

夏まで繰り返し良く咲いてくれるし、(真夏は1日で花びらが落ちますが)
秋もまだ次々とつぼみをつけて咲いています!

肥料はその分上げないと可哀想ですね。

房咲きでフロリバンダのようだと言う人が多いですね。

 

交配(Chaucer × Conrad Ferdinand Meyer) × Graham Thomas

 

 

Redoute 1992年

純粋で美しく、淡いピンク。

細かい棘がちょっと痛い。

バラ画家のピエール・ジョセフ・ルドゥテにちなんでつけられた名前。

ルドゥテの画集は本当に美しい。

メアリーローズの変異種だけど、

色がちょっぴりソフトになる以外、ほとんど同じらしい。
 
香りは弱いけど、鼻を近づけるととても良い香りがします。


鉢植えでも株が充実してくると、一度に6コも咲きました。

四季咲き性なので選びましたが、

これも細い枝なのに夏の暑い中、

次々につぼみがあがってきて、よく咲きます。

けれども、つぼみが開くのも早ければ、散るのも早い。
もっと花保ちが良かったら・・といつも思います。

花びらは一気にバラッと散って潔い感じ。

 

Mary Roseの枝変わり

 

 

 

Eglantine(Masako) 1994年

 

ソフトピンクのロゼット咲き。
まずは明るく美しいピンク色がこの薔薇の魅力ではないでしょうか。

香りもやさしくいい感じですよ。

 

丈夫で育てやすいので手に入りやすかったバラ。

場所によっては2m~3mくらいに伸びるらしい。

花は小さくなりますが、返り咲きします。

肥料は控えめに、剪定はハイブリットのように
思い切りよくすると花付きが良くなるみたい。

 

 

Mary Magdalene 1998年

やわらかなアプリコットピンクの花びら。
咲き進むと少しイエローが強くなる。

強いミルラの香りでファンも多いこのバラ。

 

イングリッシュローズの中ではダントツ一番乗りで
ベランダできれいに咲いていました。

これは夏のちょっとお疲れ気味のMagdalene。

 

2004年の冬はクリスマスの頃を過ぎても、
元気に6つも花を咲かせてくれた嬉しいバラです。

 

冬は花保ちも良く、開ききらない美しい形
を残したまま3週間ほど咲き続けてくれました。

 

咲ききると、フレンチカンカンのスカートがひっくりかえったようになってしまうので、

開くちょっと前の、こんな、慎ましくやわらかな感じが好き♪

このバラの代金の5%が
マグダレンの聖母マリア教会に寄付されるらしい。

 

 

 

Miss Alice 2000年

淡い桜色のようなピンクの花びら。
 細かくふりふりになっているところがドレスのよう。

 

香りもちゃんとあります!

四季咲きなのも嬉しい。

このバラがまだそんなに出回っていない頃、

ひょんなきっかけで実物を目にし、

なんて可愛いバラだろうかと思ったのですが、
その年は色々と忙しくてバラの手入れができないことが
分かっていたので入手をあきらめました。

 

それから3年後。

母と一緒にチェルシーガーデンに行った時に
母にどれか一つバラを買ってあげると言われて、
可愛らしく咲いていたこのMissAliceを選びました。

 

90cmくらいの背丈なので、お庭に植える時は一番手前にすると良いと思います。

買ってきたばかりの時。

小さな鉢でもこれだけ咲かせてあげられたら薔薇も嬉しいでしょうね。

 

 

 

Spirit of Freedom 2002年

淡いピンクからライラックピンクへ。

四季咲きで秋もポロポロと咲いてくれます。

 

香りはミルラ香+フルーツ香。

 

150~×120~ですが、クライマーに仕立てると250以上になるそう。

比較的低い部分にも花付きが良いらしい。

 

淡いピンクとライラック、カップ咲き・・・
色と言い、形と言い、好み♪

あのDarbyが親だなんてちょっと想像がつかないくらいシック。

花びらの数が多くて、重たそうです・・・

 

この名前は、自由の保護と拡大を求めて活動する

”Freedom association”からつけられました。 

 

1Fベランダのバレリーナ横に地植。
まんまるで濃い目のピンクのつぼみは咲くと薄く。

あ、この写真でちょっとわかった。

やっぱりDarbyのこどもだわ、この子は。

ほらね。

 

これだから薔薇の写真を撮るのは面白い。

 

交配親 実生×Abraham Darby

 

 

 

Gentle Hermione 2005年

淡いアプリコットピンク。

上の写真は冬、12月の色。

 

四季咲き 120×90。

カタログの色に惚れました。


「内側から外側へと淡いピンクになるチャーミングなバラ。」
夏場は中がフルーティーなイエローで、寒くなって
くるとクリームホワイトにピンクが入る感じ。

こんなにかわいいのに強健種だそうで、

鉢植えですが結構、大株になり、枝を伸ばしています。

名前はシェークスピアの小説にちなんで。

 

 つぼみのまるい様子はグラミスキャッスルのようだし、
白っぽく咲いた姿はST.CECILIAにも似て・・・

やはりイングリッシュローズなのだなあ、と思います。

香りもどことなくST.CECILIA っぽい。 

 

 

 

Alan Titchmarsh 2005年

ディープピンクの四季咲き。

120×90

名前はイギリスの有名なガーデナーにちなんで。

 

オールドローズの特性を受け継ぎ、
剪定によって、コンパクトにも大型にアレンジが可能な強健種。

赤い茎と特徴ある長葉。

房咲きが嬉しいですね!

かなり奔放に伸びていったので、2年目は強剪定にしました。

芳しいオールドローズ香。

イングリッシュローズでこの色は意外にも持っていなかった。

わりとしっかりした花びらですが、中に入るにつれ、繊細になっていく感じ。

選んで良かった。

 

 

 とにかく美しいです。
やや大きめのヴィクトリアン調の花。

重たげにうつむくので写真を撮る時にはのぞき込まないとなりません。

アイアンの椅子の上に植木鉢をのせて高さを出しています。

 

2024年も1Fのベランダのフェンスのそばで元気なシュートを出してくれています。

 

 

Queen of Sweden 2004年

色がとてもきれい。

正当派な感じがするのはQueen of Swedenという名前のイメージからか?

そう言えばスウェーデンって王立なんですよね。

直立で花が咲き、凜とした感じもします。

良く咲く四季咲き。

 

横から見たこの萼が好き・・・

 

QueenというよりもPrincessのよう。

不明 × Charlotte Austin

 

 

***

さてさて、

花霞はピンクの薔薇が好きなだけに

AustinRoseのピンクのページ、

かなりボリューミーになってしまいましたが、

これが30年前だったら重くてページが開かなくて、誰も見てくれないところです。

 

次はもう少し少なくなりますが

赤や白やクリーム色などのAustinRoseを。

***

 

見て下さってありがとうございました。

 

花霞