フィンランドの人達はみな、外からゲストが来ると

 

可能な限り、良くしてくれようとする。

 

お腹をいつも一杯にして

 

安全でいること。

 

でも日本とフィンランド、似ているところもたくさんあるけど

 

やっぱり慣習の違いはある。

 

人の性格にもよると思うし、住んでいる場所によっても変わってくるだろうけど。

 

 

    

ユヴァスキュラ

 

車でユヴァスキュラに連れて行ってくれた。

 

最初に行ったのは大砲があるところ。

 

フィンランドにはあちこち戦車や大砲など、戦争で使われたものが置いてある。

 

忘れないためなのか、現在でも徴兵制はあるし、

 

彼らの中で決して昔の話ではないように感じる。

 

でも私はやっぱり花のほうに目が行ってしまうので

 

戦車よりも隣のこっち。

 

 

そしてこれは有名な階段みたい。

 

ここを駆け下りてみたら?と言われたけどサンダルだし・・・

 

 

私が今ひとつどっちも乗り気じゃないのが伝わったのか

 

「どこに行きたい?」と聞いてくれるんだけど、

 

ユヴァスキュラに何があるのか全く知らないし、

 

何もかもが見ていて新鮮(普通の民家すら)なので、答えに困っていた。

 

でも何か言わないといけないので「花が見たい」と言った。

 

mamaもMちゃんも困ったような感じになって、

 

結局ユヴァスキュラ大学に連れて行ってくれた。

 

 

大学の庭の一部。

 

わあああ☆.。.:*・°

 

薔薇も咲いているし、ハーブもたくさん。

 

いいな、いいな、フィンランドの大学生はこんな素敵なキャンバスで

 

勉強できるんだね~

 

Lappeennrantaの大学にもフィンランドから帰る前に見学に行くんだけど、

 

そこは経済とか理数系だから庭は殆どなくて、このユヴァスキュラ大学は

 

人文学科系だからよりヒューマニズムなんだって。

 

 

静かに(無言で)興奮している私を置いて二人はどこかへ行った。

 

ほら、ハンモック。

 

閉まっていたので乗って良いのかわからなかったから眺めるだけ。

 

林檎の木の下でハンモック。

 

夢のよう。

 

花の写真をたくさん撮りたかったのでここは宝の山。

 

一日いられる。

 

こんなところで寝転んで昼寝したいなあ。

 

花に興味がない人にはただの草なんだろうけど。

 

しばらくして二人が戻ってきた。

 

 

何故だからわからないけど車の中はあまり良い雰囲気じゃなくて

 

でも、次に買い物に行くというのでワクワクしていた。

 

 

 

    

チョコレート工場

 

pandaというチョコレートやキャンディのブランドがある。

 

そのアウトレットがあるというのでそれも楽しみだった。

 

車がなければこんなにあれこれ行かれないのでありがたい。

 

mamaが「pandaの前でKasumiの写真を撮ってあげたら?」とMちゃんに言い、

 

いつもより笑顔のないMちゃんに撮ってもらった写真がこれ。

 

 

微妙。

 

さっそく中に入る。

 

B級品というわけでもなさそう。

 

季節が終わったものとか、何か理由があると思うんだけど、

 

ちょっと安くなっている。

 

いつもはこういったお菓子はあまり食べないけど、

 

フィンランドのチョコは美味しいので来ると買う。

 

それにしても全部あの筒の中がキャンディだなんてね。

 

何種類かの板チョコを買った。

 

 

 

    

パン屋さん

 

次にパン屋さんにいく。

 

ここでは新鮮なパンが工場直なので安く買える。

 

10パックで13€。(2080円くらい)

 

スーパーで買うよりもめちゃめちゃ安い。

 

全種類、欲しいくらい。

 

パンは冷凍しておけるのでみんなでたくさん買った。

 

日本に帰るまでに全種類食べることが出来るかな。

 

出来たてのライ麦の良い香り。

 

ホームセンターでもいろいろ見て、家に帰った。

 

 

 

    

慣習の違い

 

 

そしてその夜のこと。

 

mamaがパートタイムの仕事に行って留守の間、

 

どうもMちゃんの様子が変で、

 

怒られるとイヤなのでずーっと黙って静かにしていたら

 

とうとう口火が切られた。

 

 

どうやら、私の態度が良くないらしい。

 

せっかくmamaがあちこち連れて行ってくれているのに

 

全然喜んでいない、つまらなそうで、何がしたいのかわからないという。

 

寝耳に水というか、楽しくて仕方ないのにそんなことを思われていたとは。

 

mamaはフィンランド語しか話さないので、会話を長く続けるのがお互いに難しい。

 

もともと私はおとなしいので、あまり自分の想いとか考えを口に出す方ではない。

 

それがすれ違いになっていたようだ。

 

 

じゃあ、何でも口に出して感想とか言わなきゃいけないの?

 

そういうの慣れてないし、ここにいるだけで楽しいのに。

 

何が食べたい?って聞かれても

 

何があるのかわからない。

 

どこに行きたい?って聞かれても何があるのか知らない。

 

それでも何か言わなきゃダメなの?

 

 

 

Mちゃんは言う。

 

mamaは外国に行ったこともないし、Kasumiはmamaにとって初めての、

 

唯一の外国人なんだから、もっと進んでコミュニケーションをとろうとしないと

 

mamaが困っている、どうしてあげたらいいのか。

 

 

そんな事言ったって、私だってここのこと何も知らないし、同じだよ、

 

自分の考えをどうやって言葉にしたら良いのか、一回考えないといけないし、

 

私にとっては英語ですら難しいのに。

 

私はそういう性格してないから、自分のキャラクターを変えなきゃできない!

 

 

 

とにかく伝えるしかないので、必死に英語で言う。

 

(あとから英語であんなに喧嘩したのは初めてだなと思う。)

 

 

日本が「察する文化」というのも知っているし、

 

日本では「私はこれがしたい、私が、私が」って言うのは良くないことだっていうのも

 

知ってるけど、ここはフィンランドなんだから、もっと言葉にして言わないとわからない。

 

Mちゃんが続ける。

 

一人で好きなようにしたいなら一人で旅をすればいい。

 

明日帰りたいならそうすればいい。

 

 

 

完全なる慣習の違い。

 

いやだ、明日帰りたくない。

 

私はここにまだいたい。

 

 

mamaのことを思えば、私がもっと努力をすべきだと思うから、

 

わかった、がんばってみる。

 

と言って話し合い(喧嘩?)がとりあえず終わる。

 

悲しくてなんか悔しくて涙が出る。

 

 

 

    

perunarieskoja

 

 

しばらくして

 

mamaが私に何かしてあげたいと思っていること。

 

何がしたいのか口に出して言うこと。

 

そのことから、mamaに料理を教わりたい、と言ってみた。

 

 

ちょっと前にMちゃんが

 

”Kasumiはペルーナリエスカが好きなの?

 

mamaに作り方教わったらいいよ”

 

と言ってたのを思い出したからだ。

 

ペルーナリエスカはジャガイモのパン。

 

するとMちゃんはパチンと指を鳴らして「それだよ!」と言う。

 

そして「よし、俺が言い方教えるから」と言ってメッセージで文章を送ってくれた。

 

Kuules, mama

 

Voisitko huomennna opettaa minulle miten tehäädn perunarieskoja?

 

(ねえ聞いて、ママ、

 

明日、ペルーナリエスカの作り方を教えてもらえない?)

 

 

注)フィンランドでは親しくなると目上の人にも敬語は使わない。

逆に慇懃無礼的になってしまうらしい。

 

 

もうすぐmamaが帰ってくるからブツブツと口に出して練習。

 

帰ってすぐじゃなく、しばらくしたらコーヒーを飲むからその時に言うと良いって。

 

そしてmamaが帰って来た。

 

日本では「おかえりなさい」と言うけど、フィンランドではそういうのはない。

 

でも何か言った方がいいと思ったから日本語で「おかえりなさい」と言う。

 

とにかく、何か話さないと。

 

 

 

そしてその時がやってきた。

 

コーヒータイムじゃなかったけど、mamaがシャワーを浴び終わって

 

キッチンで何かしてたとき、「いまだ!」と思ったので

 

Kuules, mama

Voisitko huomennna・・・

 

えーと何だっけ

 

次の言葉を忘れた

 

耳をダンボにしてただろうMちゃんが隣の部屋から

 

”opettaa” と言ってきた。

 

あ、そうそう、

 

opettaaが出たらもうあとは大丈夫。

 

pernarieskoja以外は全部知ってる言葉だ。

 

 

mamaは少し嬉しそうに見えた。

 

”Okei”

 

やった。

 

一歩前進。

 

普通にしててもダメなんだね。

 

ちゃんとその国のやり方で、その人の好意を受け取ること。

 

翌日、朝ご飯の後少し経ってから、mamaが

 

「今から作るよ」と声をかけてくれた。

 

 

楽しい~

 

Mちゃんのmamaは本当にお料理上手。

 

パン屋さんで死ぬほどパンを買ったけど、先にこのパンを食べる。

 

世界に一つだけのパンだから。

 

 

そしてその夜やっぱりmamaに

 

「何が食べたい?」と聞かれ

 

ここで答えなければ絶対にピンチと思ったので

 

”フィンランド料理”

 

とGoogleで調べてみた。

 

私はフィンランドが好きで、自分でもLohi keitto(サーモンスープ)など

 

作るけど、そんなにいくつも知っているわけではない。

 

それにフィンランドでちゃんとしたレストランとかも行ったことないので

 

メニューを知っていてもその味が好きかどうかわからない。

 

 

でも、そんなことはいってられない。

 

するとミートボールが出てきた。

 

あ、ミートボールならイケアとかで見たことあるし、

 

日本の北欧レストランで一度食べたことがある。

 

 

Haluan syödä lihapullia(ミートボールが食べたい)

 

そう言ってみた。

 

Mちゃんは”Nice”と言った。

 

mamaのミートボールが世界一好きらしい。

 

そして作っているところをのぞいて、また作り方を教えてもらった。

 

 

もう数少ない知ってるフィンランド語を全部駆使して頑張って喋った。

 

mamaのミートボールはジューシーで本当に本当に美味しくて

 

マッシュポテトもふわふわだ。

 

 

そして夕食後には聞かれもしないのに自分の住んでいる街の写真など見せ、

 

できるだけ頑張って話をするようにした。

 

 

私は基本無口。

 

黙っていろと言われたら1週間でも黙っていられる。

 

こどもの頃からずっとそう。

 

だけど、その国のやり方、その人達のやり方を理解しないとね。

 

 

 

言葉を勉強するだけじゃ足りない。

 

その背景にあるものや、感覚の違いも知っていけば、

 

もっとコミュニケーションがとりやすくなる。

 

 

フィンランド人のことはまだよくわからない。

 

友達は4人いて、それぞれ性格が違うし、

 

同じ話題でも違う意見になるだろう。

 

 

出会う人みんなが人生を豊かにしてくれる。

 

そしてMちゃんにフィンランド語の勉強本気でやる気があるの?

 

といつも言われるが、

 

Tee se tosissasi(本気でやって)

Teen sen tosissani(私は本気でやります)

 

という言葉を教わった。

 

 

夏のフィンランドシリーズ、そろそろ終わりに近づいてきました。

 

あといくつかな。

 

いつも読んで下さりありがとうございます。

 

 

サイマー湖のほとりでYOGA。

 

岩場で坂道になっているんだけど、楽しんでやりました。

 

だってシャヴァーサナで寝転んだら頭の上にブルーベリーが

 

風で揺れていたんだもの。

 

 

良かったら観てね。

(いいね、やコメントも待ってます。)

 

Kasumi