フィンランドの旅記録16。

 

たぶん、あとこの回を含めて2回で終わると思います。

 

読んで下さっているみなさま、ありがとうございます。

 

 

最初のトラブル

 

予告していたように、私の旅の最後は思い切りバタバタだった。

 

空港までの電車のチケットは昨日のうちに買ってある。

 

24時間使えるからとPくんが一緒にホームまで行って

 

買い方を教えてくれた。

 

バスに乗るときに覚えた”Aikuinen(大人)”が書いてある。

 

こうやってひとつずつ単語を覚えていくのだ。

 

**

 

SUVIに送ってもらって最寄り駅まで行けたのはいいけど、

 

長距離電車ばかり乗っていたせいか、

 

近すぎる駅間の感覚が変になっていたのが要因とも言えるし、

 

ちゃんと駅に着いて降りるまで緊張していなかった私のおとぼけさが要因かもしれない。

 

とにかく、ヘルシンキのヴァンター空港駅は近かったのだ。

 

それなのに、ボーッと椅子に座っていて降り損ねた。

 

「大きなスーツケースや荷物を持った人達が何人か降りるなあ」とは思っていた。

 

もしかして空港駅?

 

と疑問が湧いたのはその十数秒後。

 

向かいに座っていた女性に聞いてみた。

 

「ここは空港駅?」

 

「そうよ」

 

と答えを聞いて、ガバッと椅子から立って大荷物をまとめようと

 

動いた瞬間、ドアが静かに閉まった・・・

 

 

フィンランドよ、静かなるフィンランド。

 

もうちょっと空港だったらわーわーしてても良くない?

 

 

 

また私の額にちびまる子ちゃんの縦線∥が走った。ガーン

 

私が乗っていた車両に気まずい空気が漂う。

 

ああ、この人降り損なっちゃった・・・

 

っていう。

 

 

さっき教えてくれた女性が気の毒そうな顔になって、

 

そのあとこう言った。

 

「次の駅で降りれば、反対側のホームに空港行きが来るから」

 

Kiitos,kiitos.

 

各駅停車のローカル電車で良かった。

 

これがいつも乗っていた急行だったら次の駅に着くのは1時間後だったりする。

 

次の駅のホームに電車が到着すると向かいに既に反対方面の電車が。

 

荷物さえなければ絶対に間に合う自信はあったけど

 

何しろこの大荷物である。

 

ワクワクドキドキの成田↑

 

それでもドアが開くやいなや、ダッシュした。

 

無常にも目の前でドアは閉まり、一番情けない状況で電車は行ってしまった。

 

 

いいさいいさ、次の電車でもまだ間に合う。

 

もうフライト時間前の2時間は切ってしまったけど、大丈夫。

 

 

 

フィンエアが好きなわけ

 

空港に着くと、来たときにちょっと恐ろしく感じたあの長いエスカレーターを上がって行く。

 

もう今はちっとも怖くない。

 

時計を何度も見て段取りを頭の中でシミュレーションする。

 

フィンエアのカウンターに行くと、ほぼ自分でチェックインするタイプ

 

(今は日本でもそうだけど)

 

でも、私はアナログが好き。

 

それに今回は色々ややこしい手続きがあるからセルフでは無理。

 

 

係の人に聞いて有人のカウンターで受付をする。

 

さあ、あの赤いアプリにログイン出来ない状態でここまで来ちゃったよ。

 

 

一番大事なのはエアチケット。

 

これはOK

 

次に日本に帰るとき限定で必要なのが、今は”NEGATIVE”の書類。

 

だがしかし、私のスマホのどこにしまわれたのか、探せない。

 

いちかばちかでMちゃんに報告するためにとったあのスクリーンショットを見せた。

 

そこにすべてのデータが載っている。

 

 

uuum・・・

 

係の女性は困っているようで、どこかに電話をして訊ねていた。

 

もう私のラストカードはこのスクリーンショットしかないのだ。

 

これでダメならもう一度Lappeennrantaに帰るか。

 

Mちゃんは喜ぶだろう。

 

冗談で「パスポートかして、燃やすから」と言っていた。

 

 

その女性はしばらく電話で話していて、

 

穴が開くくらい私のスマホのスクリーンショット

 

を隅から隅まで見て、そして最後に

 

「OK」

 

と言ってスマホを返してくれた。

 

 

やったー

 

気持ちとしては帰りたくないけど、

 

仕事があるので帰らないわけに行かないので

 

とりあえずホッとする。

 

ありがとう!フィンエアー。

 

航空会社によっては日本の変なルールを把握出来ずに、

 

違う解釈をしてアプリが登録されていないと飛行機に乗せてくれないケースも

 

多々あるので、その国の日本大使館に助けを求めるしかない

 

状況もよく聞いている。

 

 

外国人で日本に来ようとしている人などもっとわけがわからないと思う。

 

アプリに関してはきっと多くの人が使えてなくて、

 

良くあることなのかもしれない、あまり言われなかった。

 

 

 

手荷物のチェックを受ける。

 

しまった、またやっちゃった、マイボトルにお湯入れたままだった・・・

 

でもそんなことは小指の爪の先よりもささいなことだ。

 

レーンの端っこに呼ばれてボトルの中身を確認して、

 

”Have a nice flght”と素敵な笑顔で空港職員さん。

 

 

ひとつひとつ、クリアしていく。

 

何度乗っても次は何だっけな?と忘れる。

 

 

 

 

もうここまできたら飛行機に乗り遅れる心配はない。

 

Mちゃんにここでやっと報告。

 

「少なくとももうフィンランドを発たなくてはいけないことがこれで確定した」

 

と残念がってくれた。

 

 

ゲートがない

 

さて、搭乗ゲートが開くまであと10分ほど。

 

少し早歩きで行くか。

 

お腹が空いたのでサーモンのお寿司を一番最初にあったコンビニみたいなところで買う。

 

日本では私は生のサーモンはあまり食べないけど、意外に美味しいんです。

 

「寿司」と言ってもほとんどがサーモンなんだけど、

 

想像していたよりもGoodです!

 

ノルウェイが近いから新鮮なのかな??

 

 

 

本当はゆっくりお店とか見たかったな。

 

ムーミングッズ、クリスマスのものが売ってる店や

 

フィンランドならではのお店などをのぞくのも帰りの楽しみだ。

 

とにかく一回今回のゲート”45A”を確認しないと。

 

意外に遠いこともあるから。

 

ちょっと小走りで歩く。

 

 

なかなか45の看板が出てこない。

 

 

ちょっと、もうあまり時間がないんだけど・・・

 

ターボかけて走るか?

 

なんでー?

 

なんでないの?

 

だんだん走る速度が速くなる。

 

気付いたらヘルシンキ空港を猛ダッシュしていた。

 

ヌースカムイックネン(スナフキン)の人形が視界の端っこに

 

流れていった。

 

あー、あそこのカフェでゆっくりお茶したかったな。

 

芸者チョコが50%OFFという看板も視界の端に入ったが

 

あっという間に走り抜けた。

 

ヘルシンキ空港ってこんなに広かったっけ?

 

というくらい走ったけどゲートがない。

 

 

困った。Mちゃんにまたメッセージ。

 

”I haven't found the GATE yet!”

 

ここまで来てまたか!

 

Mちゃんの顔が思い浮かぶ。

 

もう17:05を過ぎている。

 

搭乗時間だからモニターに出てるはずだから、

 

変更があるか、近くのモニターでチェックしろと言う。

 

ゲートcloseは17:30だ。

 

あった、モニター。

 

なんだ?”Go to Border Control”って?

 

さすがのMちゃんもわからなかった。

 

なんかよくわからないけど15分遅延しているようだ。

 

良かった・・・

 

※あとで調べたらBorderControlは「水際対策」だって。

 

 

 

ああ、走りすぎて通り過ぎちゃったみたい。

 

少し戻ったらゲート45みつかった。

 

 

でもなんか変はてなマーク

 

日本人が待ってないんだけど。

 

絶対変 真顔

 

絶対に違うことはその空気感でわかった。

 

(こういうところの動物的勘だけは冴えている)

 

っていうか、行き先が違う。

 

日本じゃないことだけは確か。

 

 

その先に行ってみると、裏にゲートがもう一つあった。

 

よく見るとさっきのゲートはただの45。

 

私のチケットには45Aと書いてある。

 

紛らわしい。

 

番号を同じにしないで欲しい。

 

とにかくやっとTOKYO NARITAの文字が。


 

 

すると日本人の年配のご夫婦が何やら言い合っているのが聞こえた。

 

「だから45じゃなくて45Aだと言っただろう」

 

奥様も45のほうに行って会えないでいたようだった。

 

ご主人に叱られている。

 

私は一人なので誰にも怒られなくて済んだ。

 

一人旅って楽。

 

 

搭乗時刻を過ぎていたけど、何だかたくさんの外国人の人達が

 

カウンターのところでわらわらしている。

 

マスク問題だ。

 

そうです、日本に行く飛行機だけ、マスク(しかも自然に還らないプラスティック製の)

 

をしないと飛行機に乗れないのだ。

 

ヘルシンキ空港の中でも、日本行きの飛行機のゲートから先はマスク。

 

この違和感と理不尽さ。

 

そもそも予防する効果などないのに、いまだ強要するルール。

(フィンエアーが悪いんじゃない)

 

”わけがわからないよ”といった顔をした人達や、

 

日本になれていてゲートに入るときにさっとマスクを取り出す人など色々。

 

 

色々あったけど、間に合ったよ、Mちゃん。

 

 

 

成田着

 

帰りは行きよりも時間がかかる。

 

予想通り、下から帰る。

 

カザフスタン、モンゴルのみなさん、おじゃまさま~

 

 

寝て起きたら日本に着いている感じなのは行きと一緒。

 

成田着。

 

さあ、ここからが面倒くさい。

 

例のアプリ。

 

まだログイン出来てない。

 

成田に着いてまずものすごく違和感を感じたのは、

 

職員さん達が、全員ものすごい重装備で働いていること。

 

何か、変な疫病が蔓延している国に来てしまったかのような、

 

映画を見ているみたいな感覚になった。

 

 

3.11の時に放射能被爆を最小限にするために現場で働く人は

 

対策を色々しなければならなかったけど、それを彷彿させた。

 

(今でももちろん作業をする人はしているはずだ)

 

 

気の毒に。

 

どんなにかストレスだろう。

 

”Have a nice flght”とニッコリ笑ってくれたヘルシンキ空港の職員さん

 

の笑顔が思い浮かんだ。

 

なんたる違い。

 

 

日本の”不特定多数のお客様に接する”営業さんや

 

公共の立場である学校の先生や

 

企業という大きな傘の下で言うことを聞かなければならない

 

職種の人達の苦しみをはやく取り除けたらいいといつも思う。

 

私は気管支炎になったときに、本当にマスクが苦しくて

 

少しでも酸素を取り入れたいのに、それが妨げられる苦しさを体で知った。

 

体に良くないのととても不衛生なので前からあまりしてなかったけど、

 

その時にあらためて、体に負担がかかることを集団圧力によって

 

人にしいているのは絶対に違う、と気付いたから今はほとんどの場所でしていない。

 

 

肌が荒れてしまって、マスクが皮膚に刺さるように痛いという人もいる。

 

 

そういう職種の人達がマスクをしないで自由に呼吸をして生きて行かれる日は来るのだろうか。

 

それは一人一人の意識にかかっている。

 

クレームをつける人がいなくならない限り、彼らはそれをつけて生きていかなければならない。

 

誰がクレームを言うか?

 

自分の中にその種はあるのか?

 

一人一人がきちんと考えることが必要だから、時間がかかるだろう。

 

 

**

 

話は成田に戻って、アジアの人達が大量にアルバイトで働いていて、

 

外国人(特にアジア人)が日本に入るために色々しなければならないことの

 

手助けをするためにいるみたいだった。

 

とにかく異様だった。

 

 

選挙の投票所みたいに仕切られていて、

 

つぎはあちら、と言う風に段取りよくやってくれているので

 

困ることはなかった。

 

空港の職員さんもご苦労様です。

 

 

入国するにはまず、これが必要。

 

これはあらかじめ、税関申告書を書いておくのと同じで、

 

Visit Japan webでやっておく。

 

これは別にどうということもない。

 

 

次に問題のあれ。

 

空港のWi-Fiが入って、ぎりっぎりのところでやっと

 

ログインできた。

 

私はフィンランドから帰って来たので、

 

このようなステイタス。

 

検疫手続き前登録は例のフィンランドで受けたTESTの結果

 

をここにDLしたからチェックが入っているのか?

 

もう忘れてしまった、ややこしすぎて。

 

 

この画面が赤の人は日本に入れてもらえない。

 

青の人は何もしないでもOK。

 

 

 

 

で、やっとこのQRコードがでて、

 

無事に入国。

 

 

情報は変わっていくので厚生労働省のwebページで確認する必要がある。

 

でも、自分自身の記録や日本がどんなことになっているか

 

ちょっと知っておきたい人のために書いておきます。

 

 

 

来年はなくなってるといいね。

 

そんなこんなで日本に戻ってきた。

 

いつもそうだけど、体はここにあるけど魂がまだ帰って来ていないような気がする。

 

1週間くらいすると、少しずつ感覚が一致してくる。

 

 

まだフィンランドでとったビデオが少し残っているので

 

UPしていこうと思っています。

 

いつも観て下さってありがとうございます♡

 

リスがジャンプした瞬間

 

 

さて、次回は総まとめ。

 

今回フィンランドを縦断して思ったこと。

 

友達たちとじっくり話して思ったこと、知ったことなど

 

今後のことなど、書いていこうと思います。

 

****

 

「フィンランドに恋して」

Suomiでしたい50のこと

みらいパブリッシングさんより発売中。

 

これまで撮りためた写真の数々とエピソード、

良かったら読んでね♡

 

 

 

Kasumi