ある日、
いつものように、瞑想を始めた。

ふと、
"もっと深いとこまで降りてみよう…"

そう感じて、

降りてみた……


すんなりと降りていけた。

深く、深く、果てしなく深く…

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人間の心のなかには、
顕在意識の領域と、
潜在意識の領域とがあることは、
すでに一般的に知られていることだろう。

だが、そのさらに奥深く、
一番深いところには、
この宇宙の、
行きとし生けるものすべてが繋がっている世界があるらしい…


クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー


思いの外すーっと降りていけた。

潜在意識の領域を抜け、
その下の階も抜け、
さらに奥……


いきなり"すぽんっ! " っとはまった。
そう、はまった感じ。


やわらかくって、暖かかった…

その温もりを感じたとたん、
泣き出してしまった…



…… 懐かしかった。



「えっ!?」

「思い出してくれた?」

「でも… !? 」

「そーだよ…   よく来たね」



覚えのある温かみ…
ずっと、忘れていたそれは、
私と生まれたときから一緒にいた、
私自身だった。

幼い頃から鏡を見ながらおしゃべりするのが好きだった私は、
私の中の、万物と繋がる深い私自身と、
話すことができていた。


そのお陰で、
なにも不安はなかった。
だって、その存在に導かれていたし、
お陰で、望むすべては、
必ず手にできるのだと、
あの頃は知っていたから……


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結婚をし、2人の子供をもうけたある日、
苦渋の選択をしなければならない日がやって来た。

生きるか死ぬか……

つまりは、
生きた屍になるか、
自分の光を信じ、
微かな望みを持ったまま生きるか……


私は、
生きた屍になる道を選んだ。
望みをもつだけ、傷は広がり、
滴る血を止めるすべを見つけられないことは、
すでによく思い知らされていたから…
もう、
自分の中の光を信じる気力も失っていた…


そう…
私は、生きることをやめた。


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決断のとき、
深い深い私自身が、何度も尋ねてきた。


「ほんとに、いいの?」
「今なら引き返せるよ。」
「まだ、なにか方法はあるかもしれないよ。」
「でも、じゃあ、二度と、夢は見ないんだね?」
「自分の人生を、諦めるんだね…? 」

「後悔、…… しないんだね? 」




私は、力なくうなずいた。

「ごめんね……
 これしか、… もう…… ないの。
 大丈夫。
 ここで、私は死んだから、
 もう、何も感じないし、
 後悔も、… しない…… 。
 あなたの声を聞くことも、
 もうできない…… 」


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翌日から、
私は笑わなくなっていた。

味覚も、
記憶も、
なんの感情も感覚もない、
夢も希望も、
何一つ光を感じない、
涙の一滴も流れない、
生きた屍がいくところに
埋もれていた。
すっぽりと……


クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー


そんな別れをしたことを、
鮮明に思い出した…

そうだった……


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まだ、
あの頃ほどの自信は取り戻せていない。

「お前には、
自分一人で何をする力もないんだ!」


と、刷り込まれたマイナスの経験の方が勝っているらしい。

不安と恐ろしさ…


もう、その相手は目の前にいないのに、
いまだに支配されている。


その経験から得たものは大きい。

まだ、気付きをくれているのだから…


ただ、
一番悲しい別れをも
記憶の外に追いやっていたことを思い出せてよかった。


もう一度…

今度は、見失わない。

そして、さらに強く、
さらに確かな私を作り上げていける。
私は、強くなったから…



ありがとう…