次男の進学について…

心はすでに決まっている。
彼の未来はあそこにしかない。
できる限りを尽くたい。

そういえば、
何か、新しいことを始めるとか、
何かの決断を下す時って、
一緒にいろんなことを考えるよね。
だって、全部、繋がっているから、
一見関係の無いようなことが、でもでも、そっちも一緒に考えないと、前に進めなかったりして……

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次男が生野学園に行くと言うことは、
彼は寮に入り、離れて暮らすことになる。
が、生野学園では、子供たち同士の摩擦を防ぐためにも、毎週週末は帰宅が基本。

友人たちは聞く。
「え、ママはそれでいいの?
寂しくないの……?」

寂しくないはずがない。
まだ、12歳の息子を、我が元から離して暮らすんだよ…!?
毎日、彼の様子を見て、今の彼の精神状態を肌で感じ、今、何を言うべきか、何をしてやるべきか、そればっかり考えて暮らしてきたんだよ!?  
どんな気分か、わかる!???

でも、息子が羽ばたき始めたその喜びに比べたら、母の寂しさなんてとるに足らないもの。
私と次男の間には、誰にも見えない深い深い絆があって、寮に入る寂しさをもお互いに
よく理解した上で、未来を見据えている。
きっと、この感覚は、同じ経験のあるお母さんでないとわからないだろう。


そんなとき、三男が、
一緒にお風呂に入ってるときにポロっと言った…  

三男 : 「俺な、絵描くん下手くそやねん。
なんも見んと描かれへんし、見ながら描いてもめちゃ下手くそやねん。」
私 : 「え、そんなこと無いよ、どんどん上手になってきてるじゃん!」
三男 : 「でもな、描けるけど、ハルみたいに上手く描かれへん。ハルは、なんも見んでもめっちゃ上手に描くやん。でも俺、あんな風にできへんもん…」
私 : 「そんなことないよ、ハルだって、最初はあんなに上手じゃなかったよ。いっぱいいっぱい描いたから、上手になったんだよ。何度も何度も描くから、覚えちゃって、見ないでも上手に描けるんだよ。だから、まっきーも、これからまだまだ上手くなるし、ハルはハルで上手だけど、まっきーはまっきーで、とっても上手だと思うよ。ママは、まっきーの絵、すごく好きだけどなあ…。」

…… お分かりだろうか…

三男にとって、次男は自慢の兄。
誰よりも虫に詳しく、みんなに聞かれて教えてあげれるほど。
粘土をやらせても、とても独創的なものを作り出す。
写真を撮らせても、コンクールに入賞する。
絵を描かせても、なにも見ないで、いろんな恐竜や海の生き物をほんとに上手に描いてしまう。
何かにつけて、簡単に上手にこなしてしまう……

憧れの兄、自慢の兄、あんな風になりたい……
でも、申し訳ないことに、彼の兄は、
[ 天才 ]……である。

三男も、私から見たら、
大変に賢く、才能に溢れ、将来有望な、
人気の的になれるイケメン。
が、三男にとって、天才の兄の存在はは、ごくごく普通の日常である。
自分も、どんなにか素晴らしい才能に溢れていると知らない彼は、天才の兄と比べて、自分の平凡さに失望感を感じ始めているらしいのだ。

「何も、ハルみたいにできない……」

はっ…とそれに気づいたとき、
三男も、精神的に、そこまで成長してきていることを知った。
この3年ほど、長男を気にしつつ、
ずっと次男にかかりっきりだった。
三男は、いたって普通の子で、物わかりも善いので、言葉は悪いが、放っておけた。
が、そろそろメンタルな部分のフォローが、必要なお年頃になってきているということだ。
丁度、次男が寮に入ってくれたら、今度はゆっくり、三男のフォローができる…

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いろんなことは、しっかり繋がっていて、
パズルのように、ピースがはまり始めると、物事スムーズに動き出す。
丁度、その次のピースを見つけたところ…

道は、間違っていない音譜