怒濤のような夏が終わった。

夏休みに羽ばたき始めた彼の羽は、
朽ちることも、むしりとられることもなく、未来を見据えている。もっともっと、
大きく羽ばたける場所を求めて……。

霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧

「山のなかで、
毎日、昆虫を捕まえて暮らす…」

霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧

昆虫の世界に魅せられて、ますます学校に行きたがらなくなった。
気の合う友人とは遊ぶが、なにかを避けるように学校を避ける。
決まった毎日のカリキュラムがうざいのか、
心は飛び始めた自分の変化を、共に喜び、分かち合ってもらえないからか…

当然そんななかで、心無いイジメに合う。
イジメととらえる程ではないような、
些細なことだが、
彼の心は簡単に傷つくのだ。

恐らくは、自分の世界を探求する次男は、きっと回りの子にも、輝いて見えるのだろう。心の輝きを、疎ましく思う子もいる。つい、羨ましさ嫉妬から、意地悪をしてしまう。

霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧

同じ6年生なのに かわいそうだ。
自分を感じられなくて迷走の世界に入り始める子達…。
同じ年の、無邪気な子供なのに、
回りとの共存が難しい子達…。

実は、次男の学校は 大変に荒れている。
担任の先生や教頭や校長でも、手をつけられないほど…
親も集まって、何度か保護者会が
執り行われているらしい。

が、私は全く関係がない。
なぜなら、同じ学年というだけで、次男は他の6年生と共に過ごさないから。
お陰で保護者会参加の、声もかからない(笑)

ラッキーだよね音譜

見ようによっては、次男が子供っぽいのかも知れない。
だって、荒れるとか、窓ガラス割るとか、
てがつけられないほどなんて、ならないから……。
精神的に、そんな自己との葛藤とは縁がない。

が、見ようによっては、大変に大人で落ち着いている。
なぜって、自己の探究に忙しいから…

お陰で 我が子が、

今にも不良になるかも……
あの子、最近なに考えてるのかまるでわからなくて、どう扱えばいいのかしら…

なんて悩みとは無縁。

私たちは今、その目の高さは違っても、同じひとつの未来を見据えているのだ。

そう、次男の未来…

霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧

キノコ次男は、次は、中学生キノコ

ADHD であるがゆえに、この4年ほどは、友達にバカにされ、意地悪されて、
舎弟のような扱いを受けている。
この力関係は、中学に行っても変わらない。それどころか、
もっとエスカレートするだろう。

が、心の強さを身に付けてほしくって、
5年生の終わりから、三男と共に、少林寺に通わせ始めた。
これも初めてのことではなく、次男は小2の終わりから、2年程少林寺を習っていた。
だが、ADHD であるがゆえの心の弱さから、サボり始め、やめてしまった。
彼が ADHD と知る前の話だ。

キノコ学校でイジメに合うキノコ
これは、はっきり言って、今の時代、必ずどこかで出会うことで、逃げては通れない。
イジメでなくても、本人がそう感じてしまったら、それがイジメになってしまうのだから…

だから、
意地悪されてる、
敵意がある…
と人のせいにしてしまう心の弱さを克服してほしかった。
だから、中学もみんなと同じ、地域の学校に行こう。
他の学校へ逃げるなんてことはしないで、自分の心と戦おう!
そう、次男と何度も話していた。

が、自己の探究に目覚めることは、同時に彼に強さもくれた。
以前と同じく、一瞬、心無い意地悪に心が萎える。が、タイミングを見計らって、
ぐっと背中を押してやると、
二度とイジメのトラップを怖がらなくなった。

霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧 霧


状況が変わった。
彼の目的がはっきりした今、友達云々でもなく、逃げるとかなんとかでもなく、
彼の求めるものを、いちばん簡単に引き寄せられる環境が必要になった。
それには、地域の中学校では、全く用を成さない。

そこで、学校に相談をしたところ、
3個ほど、案内をくれた。
9月の終わり、彼の将来に、大きく力を貸してくれる環境探しが始まった。