さて、次男のお勉強については、現状目をつぶっている。
やりたくないことはとんと出来ないのだから、仕方がない。

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もちろん、色々な工夫はしたさ。

 ADHD という病気の特質上、長時間、自身の興味のわかないものに集中することはできない訳で、できるだけ集中できるよう、
次男の机の回りに、天井からにカーテンをつけて、三男と同じ部屋でならんで置いてある机を間でしきることで、それぞれのプライベートな空間、いわゆる個室を作りテレビや回りの雑音を遮り、集中しやすい環境にする……… とか、

一緒に毎日、ママがお勉強を見てあげる…と決めて取り組んだり、

きちんとできたらスペシャルシール、
頑張れなかったらノーマルシール、
一週間続いたらほしいお菓子1個とか、
はたまたゲームで吊るなどして、

あの手この手で、とりあえず内容を理解できるようになれば…  と………

 が、まるで板につかなかった。

 出だしの週の頭、いい表情で取り組む。
出来たことを喜び、笑顔が絶えない。

 3日、4日とたつころには、表情に覇気がなくなり、顔色さえ悪くなり、レスポンスがとにかく悪くなる。
ご機嫌なときの、跳ねるようなきびきびした動きは消え失せ、ヘドロがたまっていくように、重く、だらりとしなだれ、動かなくなっていく。

 さらに一週間たつ頃には、全くの無反応に成り果てる。
名前を呼んでも、返事すらしないのだから…
まるで別人… しょぼん

 これは、学校生活でも同じ。

 担任の先生は、いくら特別支援学級とはいえ、最低ここまで… という、教育カリキュラムがあるのだろう。
いつも、せめて4年生の2学期分まで…
とか、
算数は、5年生の頭くらいまでやっておかないと…
とか……… ダウン

 生徒の将来を思ってくれているのだろうが、あくまで自分の教師の立場を保身した見地からの言葉や対応に、次男は拒絶反応を起こし、1、2週間我慢をしたら、突如、登校拒否を起こす。
 
出だしは調子よく、先生もご機嫌音譜
だが、一週間たつ頃には、口数が減り、顔色悪く、寝起きも悪く…  そして登校拒否。
何度繰り返してきただろう…

…… 昆虫の世界に住む彼には、打算や駆け引きや名誉を守る… といった世界に、拒絶反応を起こすようなのだ。
 何せ虫のような子ですから、
本能で生きる分大変にカンもきつく、
一瞬で、初対面の人間の本質を見抜いてしまうらしいのだ。
が、男の子だからか、はたまた虫の世界の住人だからか、
相容れない相手を、真っ向から否定はしない。
というか、きっと、複雑な人間の思考を、理解できないと言うべきか……
でも、彼なりに、相手の存在を認め、
「この人はこういう人…」
としたお付き合いをして行く。

ま、私は彼の母なので… って、昆虫を産んだつもりはないけれど(笑)…  
彼の思いは手に取るようにわかる。

今、我慢している。
今のは理解できていない。
他の事を考えている。
今、相手の言葉に傷ついた……   等々

 そんな次男は、今、小学校にあるビオトープのお陰で、自身を保っている。

 ビオトープに生息する生き物のお陰で、
季節を感じ、命を感じ、自分の心の躍動を感じ……
はたまた、ヒステリックになる自分を見つめ、心落ち着かせる柔らかな空気を感じ…

 なので、教室にいるよりも、ビオトープにいる方が時間的に長いだろう。
生き物に触れ、彼らの生活に入り込み、
様々な情報を得、自分を発見できる場所……

 どんなにビオトープに救われたのだろうか……

 そんな次男も、この春からは、中学生になる。
彼が入学予定の中学校には、ビオトープはない。
新しく建て直されたばかりなので、芝生と、まだ痩せて背の低い、桜の木が10本かそれ以上…… 程度。
それは、到底、彼に癒しを与えられるほどの命を宿してはいない。

恐らくは、中学校の前にある、マンションの回りの生い茂る低木の方がましだろう。

そして私には見える……
中学校の校門を抜け出し、
マンションのまわりの、低木の中に
エスケープする次男の姿が……ショック!