2011年、7月の終わりに廃業した繁殖場の片隅に取り残されていた6頭の小型犬を引き取りました、その中の小さなチワワの男の子、それが「ふく」でした。
まだ幼さの残るその子は水頭症で両目の視力はなく痙攣発作を頻繁に起こしていました。
死線をさまよう程の大きな発作を何度も起こして、その度に検査をしたり入院しながらも乗り越えて来ました。
毎日のように起きる発作の時は、赤ちゃんのようにくるんでトントンしながら「寝んね寝んね」とあやすと発作が治まり眠る、そんな日々が続いていました。
目も見えず発作を起こすふくは病院以外に連れ出すことはありませんでした、花を見ることもなく風を感じることもない、そんなふくが哀れで仕方がありませんでした。
ふくは産まれて来て幸せ?生きていて幸せ?そんな言葉を何度も問いかけました、答えの出ない自問自答を繰り返して7年が過ぎました。
数日前、いつもの発作はサークルの中で七転八倒して頭をガンガンぶつけるのですがコトンと静かに倒れて意識がなくなってしまいました、入院しましたがあっという間に亡くなってしまいました。
やっと7歳になったばかりのふくです、ずっとまだ一緒に過ごすはずでした。
愛しいふくが亡くなって哀しみは消えることなく増すばかりですが、ふくは辛く苦しい闘病から解放されたことに気がつきました、やっとさよならと別れの言葉が言えそうです。
ふくのように産まれつきの病気や障害の子たちがどんなに多いことか、人間の身勝手さが不幸な命を生んでいます、もの言わぬ動物たちが今より少しでも良い世の中になりますように、、。