麻酔を始めた頃、
帝王切開術の脊髄くも膜下麻酔後の低血圧に対して、
エフェドリンが第1選択と指導された。

しかし、時代は移り変わっている。

前回の臨床麻酔学会で、
日本産科麻酔の大家である埼玉医大の照井先生は、
「 エフェドリンは胎児移行性が高いため、胎児への影響が大きく、UA-pHが低くなるため、昇圧剤の第1選択はフェニレフリン 」
と講演していた。

(158) 帝王切開術の脊髄くも膜下麻酔

さらに、
もう一人の大家である順天堂大学の角倉先生も、
脊髄くも膜下麻酔後の低血圧に対して、エフェドリンはもはや第1選択ではないとしている。

When was the last time you induced general anesthesia for cesarean section?
J Anesth. 2015 Dec;29(6):819-20.


これらをふまえ、
日々の日常診療でフェニレフリンを第1選択するようにした。
低血圧に対してフェニレフリンを使うと、
当然といえば当然かもしれないが、脈拍数が少なくなる。
これまでエフェドリンを使用し、必要以上の頻脈でいることに慣れてしまったのか、
なんとなく気になってatropineを使ってしまう。
これって必要なのだろうか?




無痛分娩関係の本が続々改訂されていました。
今更ですが、無痛分娩にもやっと関心が出てきました。