呼吸器外科の手術では全身麻酔下で、ダブルルーメンチューブを挿管した片肺換気による麻酔管理が当然だと思っていた。
ところが、近年、片肺換気どころか、挿管すらしない、Non-intubated VATSなる呼吸器外科手術が出てきているという。
によると、
気管挿管せずにVATSを行うと、
術後在院日数減少、
入院費節約、
chest tube留置期間減少、
食事再開短縮、
サイトカイン減少をはじめとした炎症反応軽減、
術後合併症減少、
手術時間&麻酔時間減少などが期待できる。
もちろん、挿管しないので、咽頭痛や嗄声も発生しない。
と良いことづくめらしい。
まあ、若者の気胸ぐらいなら良いじゃない!?と思わなくもないが、
例えば、術後在院日数の短縮効果は、major手術ほどその効果が期待できるという。
ということは、
今後、肺外科の手術の多くを挿管しないで管理する時代が来る!
かもしれない。
懸念としては換気状態が悪化し、全身麻酔にコンバートしなければいけなくなったとき大変ではないか!?とも思うが、
2014 LiSA Vol21 2014-7
awake VATSのやり方 安全な意識下胸腔鏡手術ー気胸治療を中心にー
によると、創部を閉鎖し、ドレーンで陰圧にすればまた元の両肺換気に戻すことができるから、全身麻酔へのコンバートは必要ない!という意見もある。
というか、2014年のLiSAに挿管管理しないVATSの記事が載っていたなんて!
では、実際にどう麻酔管理すれば良いのかというと、
Non-intubated VATS for the management in primary spontaneous pneumothorax
が参考になる。
合併症を懸念して硬膜外麻酔の代わりに胸腔鏡下肋間神経ブロックをやるのであれば、麻酔科医って、もしかして要らない!?と思ってしまう。
最新刊です。
読めるようになるのは随分先ですね。
とりあえず、これで確認していきましょう!