生田の山の上の家で暮らす家族を描いた小説。

そんなに大きな事件が起きるわけではないけど、新しい知識を得れば、◯◯を初めて知った とか、

細君と晴子(長次がモデル)をしたことを、〇〇ははいいことをした などと全体に生活に対して明るく肯定的なのが読んでいてとても気分がいいです。


井伏鱒二と思われる知人から勧められて買った大壺のいきさつとか、昭和前半の真面目さおおらかさが感じられてとてもよかった。


あと、多摩丘陵の自然はわりに身近なので、出てくる草木もゆかしい感じがしました。



読んでいて、全く関係ないのに、昔の友人の仕草や声が蘇ってきました。


まことに、生きていることはやっぱり懐かしいことだな!と思えました。