酔言 98
いつも早いが、今日はさらに早く病院に到着する。サービス早出だ。年末年始、10日分の業務日報、病棟から送られてきた修繕依頼リストを書類として作成するためだ。今年は大きなトラブルはなかったが、私の休み中の設備保全を1日ごとにまとめて、病院に正式に提出する書類をつくらなければならない。ミーティングの前の1時間ほどをかけて作成した。偉そうな病院総務課の担当者に、こまごまと年末年始の状況を説明しなければならないのだ。
嫌な役割りだ。都立病院である。事務方施設責任者の、こちらを下に見たがる地方公務員に、どうして我々が媚びる必要があるのか。こうした人たちはまさに勘違い人生を送っており、官が民の上に立つという、給与からしてそうなのだが、戦前からの誤解を今だにからだに染み込ませている。おそらく一生それが思い込みにすぎないことに気がつかず人生を送るのだろう。下請けを虐めるマゾの喜びを知っている輩だ。公僕は国民への最大のサービスマンであるはずである。知ってはいたが、こんな奴とまた付き合うのが、所長としての初仕事であった。
そのあとは、月ごとの業務計画書、病院側からの評価を書き込まれる設備管理の業務遂行モニタリングシートの作成、感染除害装置に使う薬液、在庫切れのドアクローザー、扉についている故障した鍵箱の注文、業者との電話での新年の挨拶、旧館調理室で年末にコンセントのブレーカーが飛んだ原因調査等で1日が終わった。
私としてはどうでもいいことのオンパレードだ。組織の真性細胞である。マネジメントなど、もう働くことにわくわくした高揚は認められず、すでに巷では引退の歳だというのに、逆に何でこんなに無意味なことで忙しくなるのか。世のサラリーマンはこうして屑になっていくのだろう。いやいや、身の恥をさらし、愚痴を重ねれば、虚無に誘なう世渡りの、少しは兵士の素質に磨きがかかるというものだ。