次世代DVDのお話 | My Favorite

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りりぃ、今までありがとう

昨年末に次世代ゲーム機が出揃ってからというものゲーム機の話題ばかりになっていましたが、世間ではゲーム以外の分野でも戦っている商品が沢山あります。

以前、2008年頃からハイビジョンの普及が加速すると予想しました。
実際、映像家電における世間の関心は大画面で高精細なプラズマテレビや液晶テレビに集中していますし、いよいよ予想通りの流れになってきた感があります。

が、そんな超美麗な映像を録画するレコーダーは規格が二分し、どちらを選択するべきか迷われている方が多いのだと思います。
そう、今話題になっているBlu-rayと、HD DVD
一時はベータとVHS戦争の再燃とまで言われました。

現在は、この対抗2規格に加えてホログラムディスクという新規格も登場しています。
ホログラム(HVD)は1cm四方に数テラビットという記録密度を実現した超高密度ディスクであり、Blu-rayやHD DVD以上に大容量ですが、これら次世代規格以上に繊細で、目に見えない程の僅かな傷でも読み出し不可能となってしまう弱点があるとされています。
確かに高容量ではあるものの、レンタルや家庭での手軽な利用を考慮し、どの程度実用に耐えられるかを検討した場合、現段階ではあまり現実的で無いとされており、一般的となるにはまだまだ年月を要しそうです。
また、その頃には現在既に普及段階に入っているBlu-rayもしくはHD DVDがシェアを占めているであろうことは容易に予想できるため、現時点では候補から外しておくべきでしょう。
将来登場するであろうHVDの普及機は、開発当初とは全く異なる仕様となっている可能性もあります。
Blu-rayも現在一般的となったDVDプレーヤーの普及機が登場し始めた時点で、既にその技術が確立され、ドライブも作られていましたから、ホログラムの普及を検討するには、時期早々すぎると断言できます。

よって今回は、今普及するにあたり最も現実的なBlu-ray(ブルーレイ)とHD DVDの現状や、次世代DVDのメリットについて、要点のみを分かりやすくお話しようと思います。
技術面は割愛します。

この2規格の動向を分析するにあたり、一番のポイントと言えばそれぞれの記憶容量でしょう。
基本的に容量が大きければ大きいほど長時間録画できることになります。
Blu-rayの記憶容量は50GB。
6層をめいっぱい使用すれば片面で最大200GBまで記録可能であるとされています。
50GBと言えば、HD(ハイビジョン)画質でも約4時間と20分録画できる容量です。
代わってHD DVDの記憶容量は30GB。
時間に換算すると2時間30分弱といった所です。
実際問題として2時間半記録できれば、一般的な映画はHD画質のまま全て収められるのではないかと短絡的に考えがちですが、映画タイタニックは3時間超、ロードオブザリング3に至っては4時間11分もあります。
確かに映像を劣化させれば1枚のHD DVDにも記録可能ではあるのですが、少しでも良い映像で見たいと考えて次世代DVDに買い換える消費者が、それを望むかは非常に疑問です。
それにPC用ドライブとして考えた場合、より沢山記録できるメディアが望まれるのは自然な流れでしょう。

次に注目すべきは大手映画配給会社の支持。
沢山の映画をリリースするためには、できる限り多くの映画配給会社に支持してもらう必要があります。
そんな中、HD DVDに関してはユニバーサル1社のみ。
Blu-rayはスパイダーマンのソニーピクチャーズは勿論、20世紀フォックス、MGM、ハリーポッターのワーナーをはじめパイレーツオブカリビアンのディズニーやスタジオジブリまでが支持を表明している状況です。
本年度中に、高精細映像を活かしたジブリ作品がBlu-rayソフトとして発売される事と思われます。
このためユニバーサルがHD DVDの「最後の砦」であると言われてきましたが、最近、そんな流れを受けてユニバーサルもBlu-rayへの参入を表明。
つまりBlu-ray陣営が、ほぼ全ての大手映画配給会社を抱きこんでしまい、HD DVDにとっては八方塞がりの状態となっている訳です。

そして最後に最も重要な現時点のシェアですが、こちらも2006年から2007年にかけた年末年始の国内販売でBlu-ray関連商品が97%あまりものシェアを獲得し、勝利。
HD DVD勢力が強いとされていた米国内でも、7割のシェアを確保してBlu-rayが圧勝している状態です。
ちなみに97%というのは、Blu-rayの再生機能も搭載し、最も多くの販売台数を記録しているPS3を含まない統計結果なので、これも含めれるとなれば恐らく逆転困難な程の差が付いてしまっている事になります。

よって業界でも、既に次世代DVD規格における勝敗は決したと見られているようですし、alphaの予想では、早ければ2008年度中にも次世代DVDがBlu-rayに一本化されると見込んでいます。



では、そんなBlu-ray。
導入することによって、どんなメリットがあるのか、その例をご紹介したいと思います。

まず、容量が大きくなるという事は、より精細(綺麗)な映像で、長時間録画できるようになるという事です。
しかしながら、そこまで映像が綺麗な作品と言えば映画位であり、一般的なテレビドラマやアニメの供給メディアに関して、これほどの大容量は意味が無いと思われがちです。
では、そうしたテレビアニメ作品に限定した場合はBlu-rayも現行DVDも変わらないのかと言えば、必ずしもそうではありません。
例えば第1話から完結までを全てDVDに収めると数十枚に及ぶ作品であっても、Blu-rayなら1枚に収める事が可能だからです。
DVD-BOXの場合、1話30分の作品なら数話毎にDVDを入れ替えて視聴する必要がありました。
それが1枚で最後まで通して見る事ができるようになり、入れ替えの手間がかからなくなるのです。
メリットは消費者の手間だけではありません。
DVDの枚数が増えるということは、それだけマスタリング費、プレス費、ケース代、パッケージの印刷代等々、生産コストが高くなります。
つまり、これが1枚分で済むという事は、大幅なコストダウンが行えるようになるという事でもある訳です。
ちなみに今現在、5万円前後で販売されている様なDVD10枚組のDVD-BOXであれば、それをBlu-rayディスク1枚に収めることによって、定価を1~1万5千円程度まで引き下げる事が可能であるとされています。
もちろん保管にも場所をとらなくなりますし、嵩張らず、軽いので通販で買った場合の送料も安くなります。
つまり生産者にとっても、小売店にとっても、消費者にとってもメリットだらけな訳です。

開発当初はBlu-rayの高周波なレーザーを使ってビット(ディスク面の凹凸)を読むにはレンズとの焦点距離を短くする必要があるとされ、レンズ部がディスクに接触して傷ついてしまうのではないかとの懸念もありましたが、現在はピックアップ部の改良により、Blu-rayは勿論、CD、DVDも十分な距離を維持したまま読み書きできるようになりました。
もっとも通常のCD、DVDプレーヤーですら読み出し不可能なほど熱で反れてしまったようなディスクは読み出しできないと思われますが、そうでない限り読み出し不良は発生しないレベルまで改修されているそうです。

意外とこのあたりの事情を知らない方がHD DVDやHVD(ホログラム)に期待されているようなのですが、PS3への搭載が決定した時点で改良型ピックアップが開発されているので、少なからずPS3に限定しては、こうした不具合は全て解決できたとされています。
当然CDやDVDの読み出しも含めて、設計上の問題であると考えられる不具合は一切報告されていないようですから、この点は安心して良いでしょう。

さて、こうした製品が本格的に普及を始めるのは本年度末から来年、2008年度以降であると見込まれています。
すでに一部(GEO等)ではBlu-rayディスクのレンタルもスタートしています。
比較的安いBlu-rayデッキでも8万前後というのがネックですが、プレーヤーの機能もあるPS3が現在4万程度で購入できますし、以前お話した様に将来、機能を削って価格を落とした廉価版PS3の発売も検討されていますから、必然的に将来が見えてくるでしょう。

かつてDVDが普及しだした時、世間様はまだVHSデッキしかもっておらず、DVDは少数派でした。
新作映画のVHSテープが全て貸し出し中になっている中、「え~、まだ貸し出し中?」と項垂れる家族を横目に見つつ、優越感に浸りながらDVDの人気映画を借りまくった覚えがあります。
それは、まだETCが普及を始めたばかりの時、渋滞を横目で見ながら笑顔でゲートを走りさった爽快感にも似ています。ψ(^ω^)ψウケケケ

そして今度は・・・

人気映画のビデオやDVDが全部レンタル中でも、Blu-ray版が残っていたら、それを借りればよい。

十分に普及するまでの僅かな間かもしれませんが、そんな選択肢が一つ増えるだけでも、ちょっとした優越感に浸れるかもしれません♪