ナエマ
1998年
フランス デルバール
シトロネール(レモングラス)、ローズとフルーツの芳醇な香り
名前は、ゲランの香水のNAHEMAから、イメージをして、デルバールが作出しました。
皆様は、この花を見てどのようなイメージを持たれましたか?
ゲランのNAHEMAは、
ローズの持つ激しさと優しさの二元性を描いた香りだそうです。
NAHEMAには、物語があり、
それは、千夜一夜物語(アラビアンナイト)の283夜のお話という設定です。
アラビアンナイトは、3世紀から6世紀のペルシャ、インド、ギリシャなどの民話を集めたもので、ペルシャ語で記された物語が9世紀にアラビア語に翻訳されたものを、18世紀にフランス語に、千夜一夜として、翻訳されたものが大ブームになりヨーロッパ中に広まったのだそうです。
翻訳した際には、282夜までしか無かったとのこと。
その後、大ブームの中で、
シンドバッドの冒険
アラジン
アリババなどの創作が加わり、今なおアラビアンナイトとして世界中に親しまれています。
千夜一夜物語
昔々、サーサーン朝にシャフリヤールという王がいた(物語上の架空人物)。
王はインドと中国も治めていた。
ある時、王は妻の不貞を知り、妻と相手の奴隷たちの首をはねて殺した。
女性不信となった王は、街の生娘を宮殿に呼び一夜を過ごしては、翌朝にはその首をはねた。
こうして街から次々と若い女性がいなくなっていった。
王の側近の大臣は困り果てたが、その大臣の娘シェヘラザードが名乗り出て、これを止めるため、王の元に嫁ぎ妻となった。
明日をも知れぬ中、シェヘラザードは命がけで、毎夜、王に興味深い物語を語る。話が佳境に入った所で「続きは、また明日」そして「明日はもっと面白い」と話を打ち切る。
シェヘラザードの傍らには、妹のドゥンヤザード(英語版)がいて、横から「話がおもしろい」と盛り上げ役を演じる。姉妹による作戦によって、王は話の続きが聞きたくてシェヘラザードを生かし続けて1000日。ついにシェヘラザードは王の悪習を止めさせる。
ゲランの創造した
シェヘラザードが語る283夜目の物語は、
サルタンの双子の美しい王女の話で、ナエマとマハネの物語です。
ある日、国を訪れ手厚くもてなされた年老いた予言者は、感謝の印に二人の運命が閉じ込められた二つの小箱を王女たちに手渡し、
正しい時がくるまで箱を開いてはいけないと告げました。
やがて二人が年頃の美しい姫に成長したある日、一人の王子が現れ、二人は同じ男性に恋をしてしまいます。
好奇心旺盛なナエマは、王子との運命を知るべく、遂に小箱を開けてしまいました。
マハネの小箱には水の流れが、ナエマの小箱には火の花が見えました。水は安らぎの象徴であり、どんな形にも寄り添いやさしく流れを続けます。
そして火は激しいまでの愛の象徴であり、すべてを燃やしてしまいます。
この時、ナエマは自らの運命を悟り、王子をマハネにゆずることを決意したのです。
ゲラン氏にも、それに感銘したデルバール氏にもそそられます。
自ら身を引く強くて優しいナエマを、手元に寄せたくなったのでは?
それでは、素敵な夜を✨
お読み下さいましてありがとうございました。
皆様の心が穏やかでありますように。