「傲慢と善良」辻村深月 読みました![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
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あらすじ
ストーカー被害に会っていた婚約者が、突然行方不明になった。架は婚約者である真実の手がかりを求め、過去に真実と関わりのあった人を訪ねてまわる。そこから見えてくる真実は、架の知っている真実とは少し違っていた。
自身を善良だ信じて生きている人の、悪意なく相手を査定し、自分の価値を量る工程の傲慢さが、これでもか!と書かれています。
真実も架も、それなりに善良な人間で、同時にそれなりに傲慢な人間です。
![ハートブレイク](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/085.png)
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を、細かい細かいところまで掘り起こして、
「あなたにも身に覚えがあるでしょう?」
と、こちらに突き付けてくる、そんな本です![魂が抜ける](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/627.png)
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私もこうやって人を査定してきたなとか、自分に自信はない割に自分の価値を高く見積もるなとか、普段見ないで置いてあることを見せられ、
うっ……
申し訳ございませんでしたー
ってなりました。
でも、読んでいたら、開き直ってきたところもあります。
だって、恋愛なんてとくに、本能による査定じゃん。
頭で考えるよりも、早く、しかも残酷に、査定してくるじゃん。
その査定に任せるしかないよ。
頭で考え出すと余計ややこしくなる気がする。
(私、すぐに考えるのやめちゃう
)
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ぐっときたところ。
私は私に百点をつけない人と結婚して、これから先、一緒に暮らし、ずっと生きていくのか。
(p.353)
一瞬でも、「あなたは僕の100点です」って言ってくれた時がないと、無理。
相手とキスをしたいと思えない、という理由だけで断ってはいけないのか。
(p.373)
いいに決まってる!
キスもできないなら、夫婦になんかなれん!
タイプじゃないって断るのは、傲慢かも知れないけれど、仕方ないよね。
傲慢であることを自覚していれば、それでよいのでは?
「私は善良ですよ〜」って顔をしてるから、周りをイラつかせるのかもしれないな。
んでもって、善良なだけではつかめないものもありますよね。
真実の、「それまでのいい子ちゃん」を捨てる行動により、架はやっと真実を追いかけることになったわけで。
偽悪的な人からは、こういうのすら、「あざとい」「作戦」と言われますが、どうにもならないと思って必死でもがいたら、思いがけず手に入ったって感じだよなあ。
駆け引きなしに、善良さを忘れて、もがいた結果だということを、
自分が知っていればそれでいいのだ。
そんな感想です。
読後感はよかったです![キラキラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/088.png)
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