「傲慢と善良」辻村深月 読みましたニコニコ






あらすじ

ストーカー被害に会っていた婚約者が、突然行方不明になった。架は婚約者である真実の手がかりを求め、過去に真実と関わりのあった人を訪ねてまわる。そこから見えてくる真実は、架の知っている真実とは少し違っていた。



 
自身を善良だ信じて生きている人の、悪意なく相手を査定し、自分の価値を量る工程の傲慢さが、これでもか!と書かれています。


真実も架も、それなりに善良な人間で、同時にそれなりに傲慢な人間です。


ハートブレイク鼻に付くいい子の、他者をイラつかせる感じ
ハートブレイク他人から見たらそんなに価値はないのに自分には価値があると思っている感じ
ハートブレイク自分の価値は青天井なのに、他人の価値には興味を持てない感じ


を、細かい細かいところまで掘り起こして、
「あなたにも身に覚えがあるでしょう?」
と、こちらに突き付けてくる、そんな本です魂が抜ける




私もこうやって人を査定してきたなとか、自分に自信はない割に自分の価値を高く見積もるなとか、普段見ないで置いてあることを見せられ、

うっ……
申し訳ございませんでしたー

ってなりました。



でも、読んでいたら、開き直ってきたところもあります。


だって、恋愛なんてとくに、本能による査定じゃん。
頭で考えるよりも、早く、しかも残酷に、査定してくるじゃん。
その査定に任せるしかないよ。
頭で考え出すと余計ややこしくなる気がする。
(私、すぐに考えるのやめちゃう笑)





ぐっときたところ。

私は私に百点をつけない人と結婚して、これから先、一緒に暮らし、ずっと生きていくのか。
(p.353)


そんなの無理!!!
一瞬でも、「あなたは僕の100点です」って言ってくれた時がないと、無理。



​相手とキスをしたいと思えない、という理由だけで断ってはいけないのか。
(p.373)


いいに決まってる!
キスもできないなら、夫婦になんかなれん!


タイプじゃないって断るのは、傲慢かも知れないけれど、仕方ないよね。
傲慢であることを自覚していれば、それでよいのでは?




「私は善良ですよ〜」って顔をしてるから、周りをイラつかせるのかもしれないな。
んでもって、善良なだけではつかめないものもありますよね。


真実の、「それまでのいい子ちゃん」を捨てる行動により、架はやっと真実を追いかけることになったわけで。


偽悪的な人からは、こういうのすら、「あざとい」「作戦」と言われますが、どうにもならないと思って必死でもがいたら、思いがけず手に入ったって感じだよなあ。


駆け引きなしに、善良さを忘れて、もがいた結果だということを、
自分が知っていればそれでいいのだ。


そんな感想です。
読後感はよかったですキラキラ





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