⑲ 日本の会社と外資系の会社の違いを理解せよ
前章でお話した、「環境」という観点で、組織に属して、経験を積み上げるにあたって、その経験が日本の会社で体験できるものと、外資系の会社で体験できるものには、もちろん例外もたくさんありますが、一般的には、かなり異なります。
したがって、新卒で就活をされている若い人達だけでなく、30歳台になって、世の中のこと、仕事のこと、そしてなりより、ビジネスパーソンとして自分が目指したいものが、少しづつはっきりとしてきて、今の会社から他社への転職を考えている人達に是非理解してもらいたいのが、日本の会社を選ぶのか、外資系の会社を選ぶかによって、かなり、得られる環境が異なるということ、そしてどちらが自分の価値観や目指すものにとって、よりふさわしい「環境」であるかを考える必要があるとおもいます。
私は、日本の会社に17年、そして、3つの異なる外資系の会社に合計20年以上勤務しましたので、その体験から、日本の会社と外資系の会社の違いについてお話ししましょう。この章は少し長くなりますので、数回に分けてお話しますので、皆さんのキャリアデザインの参考にしてもらえると嬉しいです。
もちろん各々の会社によって、かなり異なりますが、 一般的に、日本の会社では、和、チームワーク、年功、というような日本的というか伝統的な部分を重視します。つまり、組織のなかでいろいろ経験、勉強して、まわりから認められ、会社がいろんなチャンスを用意してくれるという どちらかというと受身的な形でキャリアの形成がなされるという環境です。前にお話ししましたように、日本型の規格大量生産方式により、官民一体の優れた「日本型システム」によって、70年代までの高度経済成長が達成され、日本型の終身雇用のもと、会社の事業拡大が自動的に組織の中でのキャリアアップにつながるという、受動型で、会社について行っていればいいというような「会社との運命共同体」ともいえるようなモデルは、とくに飛躍的に事業拡大した超大企業において、最も顕著にその社員にとっての、「成功」へのパスポートともいえるような形でもたらされた普遍的ともいえ日本型ビジネスパーソンとしての価値観だった時期がありました。
この価値観は、そんな超大企業の社員であることが、家族も含め、社会的なひとつのステータスとして認識されるまでに至り、そんな超一流企業に入るために、一流大学を目指し、その一流大学を目指すために、進学校である高校を目指すというようなスパイラルが完成されるに至ったわけです。
前に「何も決めない日本の上司」でお話したように、この日本型ビジネスパーソンの成功モデルはいろんな意味で、もはや崩壊寸前まできているわけですが、それでも、今の40歳台、50歳台のビジネスパーソンには、この崩壊しつつあるシステムから抜け出すことをよしとせず、どれだけ信じているかは別として、他の考え方にシフトしようとしない人たちもまた、多くいるのも現実だと思います。
このような日本型成功モデルは、年功、定期的な会社が決める人事異動というシステムによって、社員のその組織におけるキャリアが形成されるという、没個性、没穂人型のキャリアデザインシステムとなっているわけです。(次回に続く)

