私の学生時代からの親しい友人の一人に、ずっとデパートで勤務してきた男がいます。

彼は、デパートの店長などを務めたあと、いまはデパートは定年退職し、築き上げた人脈を生かして、他の会社で現役を続けていますが、若いころは婦人服や靴売り場の主任をしていた時期が長く、ファッションや身だしなみにはとても精通しています。


そんな彼とは、互いに就職してからも、年に一回は必ず会って近況を語り合う付き合いをもう、45年ちかく続けていますが、そんな彼から昔もらったアドバイスで、今もよく覚えているのは、「取引先や、商売の相手は、かならず、どんな腕時計をしているか、どんな靴を履いているかを見て、品定めをするから、ちゃんとしたものを身に着けないとだめだ」ということです。これは、やはり、髪型や身なりが清潔なだけでなく、やはり身に着けているもので、人はその人の品格というか、印象を判断するということだと思います。




趣味で、すごく高価な腕時計を身につけり、複数持っている方もおられると思いますし、Apple Watchのように機能重視で、そういう腕時計をされているかたもいると思いますので、基本的に腕時計については、それは個人個人の趣味の問題だとは思います。

ただ、組織の中でそれなりの立場、つまり部長や、役員になった際には、やはり、その会社を代表する立場にふさわしいものを身に着けることで、取引先にも、いい印象を与えるのではないかと思います。


前述した友人に言われたことが強く記憶に残っているので、私の場合は、取引先と会っているときや、会食の時など、ちょっとしたときに、相手の人の腕時計が見えて、無意識に品定めではないですが、「あっ、いい時計しているな」と思ったりすることがありますし、親しい取引先の役員の方から、「ちゃんとした時計されてますね」と言われたこともありますので、こういう、腕時計チェックは、結構、皆さんがされているのではないかと思います。


腕時計に限らず、特に男性の場合は、シャツ、ネクタイ、そして靴にも気を配ったほうがいいと思いますし、女性の場合は、アクセサリーや髪型も含めて、総合的な身だしなみがなによりもその人のビジネスパーソンとしての相手に与える印象を決めることになると思います。




ちなみに、先日、長年メンターとしてお付き合いしている、後輩(他社に勤務されています) が役員に昇格されたので、お祝いで二人で会食したのですが、その方は、スポーツマンで、いわゆるスポーツ腕時計をされていたのですが、「役員になったんだから、それなりの腕時計をしたほうがいいよ」とアドバイスしました。

是非皆さんも、身だしなみ、とくに腕時計はいいものを身に着けるよう、心がけてください。

 

 


近年、ビジネスの世界でも、電話よりもメールでのコミュニケーションが社内でも、社外でも主流になり、ある意味、「書く」という手段がコミュニケーションの主流とってきたように思います。

ただ、「お疲れ様です」に始まるような、いわゆる現代語のコミュニケーションになれすぎると、古き良き時代の「お手紙」や「報告書」といった、ちゃんとした書きものでのコミュニケーションの大切さが失われているようで、少し心配です。

プレゼンテーションについて以前書いた際に、準備の大切さを強調したと思いますが、書くコミュニケーションにおいても、伝えたいこと、自分の考えを頭の中でまとめるというとても大切なプロセスがあると思います。




自分が考えていること、相手に伝えたいことが、しっかりと相手に伝わり、理解してもらえるということは、意外と難しいことです。

長く一緒に仕事をしている仲間や、上司、そして取引先であれば、 口頭で話す際に「あれがね。。。」とか「例の件ですが、、、」から始まっても、すでに共通の理解がある上でのコミュニケーションですので、相手もすぐ理解してくれるでしょうが、これを書いたもの、とくに、正式に提案書やビジネスレターという形にするときには、いわゆる文章の起承転結がちゃんとまとめられているかが、とても重要になります。

一緒に仕事をしている今の30歳台、40歳台のビジネスパーソンの中には、こういう文章でのコミュニケーションがしっかりとできる人と、そうでない人がいます。


文章でのコミュニケーションの不得意な人に共通しているのは、頭のなかで、ちゃんと起承転結を考えないで、書き始めてしまい、自分の言いたいこと、伝えたいことの、論理的な説明や、だからどうして欲しいといった肝心のポイントが入ってなかったりすることが多いように思います。

それが正式な提案書でなくても、例えば社内の説明会や、部内やチーム内での打ち合わせの資料であったとしても、同じことが言えます。書くコミュニケーションの上手な人は、ちゃんとその文章の目的を明確にし、目次をつけ、最後に結論として、何時までに何をしたいか、して欲しいから明確に書かれています。

書くといくことは、日記やブログでもやってない限り、あまり毎日しないことかもしれません。でも、書くというのは、ビジネスの世界ではとても大事なスキルですし、書くことで、自分の考えがまとまっていくというプロセスにもなりますので、スキル以上に、ビジネスパーソンにとって、習慣としても、とても大切な要素だと思います。




書くことに自信のない人、あるいは、自分が作成した提案書や文章があまり周りかた褒められたことがない人は、是非、いまからでも、ビジネス文書の書き方や、書くコミュニケーションの研修を受け、スキルアップされることをお勧めします。

その上で、さらに、自分の考えを書くことで、自分自身の中で、いろんな発想力を鍛え、いい考えをまとめていくという、自分なりの思考プロセスや準備プロセスを作っていくことをお勧めします。書くことはビジネスパーソンにとって、それも重要ですから。

 

 


私は30歳台の頃、ビジネスパーソンとしてどんな夢を持っていたのでしょうか?

当時、一度目の米国勤務から戻り、日本の商社の本社勤務だった私は、将来、「役員になりたい」とか、「経営者になりたい」とか、あるいは、起業して社長になってみたいとか、そういったビジネスパーソンとして具体的な将来の夢を持っていたわけではありません。ただ、30代の頃は、アメリカでの駐在経験があるものの、商社という枠の中でしか、仕事をしてこなかったので、「自分にはまったく未知の世界がある」、そして、もっともっとわくわくするような世界があるのではないかという、そういった漠然とした、ビジネスの世界に対するあこがれのようなものがありました。


そんな中で、ごく自然と自己研鑽意欲も生まれ、同世代の友人と一緒に通信教育のビジネススクール的な勉強を始め、独学ながら多少の知識も積み重ね、36歳の時に、自分から希望し、2度目のアメリカ駐在、ニューヨークへの転勤という素晴らしい環境を得ることができました。そして、ニューヨーク駐在時代にニューヨークに本社のある外資系投資銀行から誘われ、新しいビジネスの世界へと転進していくことができたわけです。




このように、30歳台の頃の私には、具体的なビジネスパーソンとしての夢はなかったです。ただ、新しい世界にチャレンジしてみたい、知らない世界を見てみたいといった、漠然とはしていましたが、自分が5年間のアメリカ駐在で経験してきたこと、自信を深めたことよりも、もっと知らないことがたくさんあり、もっと知らない世界を見てみたいと、そう強く思い、求めていたことが、幸運にも、いろんなチャンスにめぐり合える機会に巡り合うことに繋がったのではないかと思います。



「求めよ、さらば開かれん」ではないですが、やはり、たとえ漠然としていても、現状に甘んじることなく、知らない世界、新しい世界にチャレンジしていきたいという、そんな取り組み姿勢が、チャンスを切り開くきっかけとなったように思います。


30歳台は、ビジネスパーソンとして、将来へ大きく飛躍するのか、あるいは、現状を維持し、安定を求めていくような道を進むのかの、極論すれば、ビジネスパーソンとして、どちらの道へ進むのかの分岐点ではないでしょうか。


そんなビジネスパーソンとしてとても大切な30歳台の諸君には、是非、たとえ漠然としていても、ビジネスパーソンとしての「夢」を持って欲しい、そして、その夢に向かって、情熱をもって取り組んで欲しいと思います。求めなければ、チャンスも訪れないというのは、言いすぎかもしれませんが、「夢」を持たなければ、そして、「夢」を実現すると思い、取り組んでいかねば、ビジネスパーソンとしての自らの成長も得られないのではないかと思います。




 

繰り返しになりますが、30歳台のビジネスパーソンは、目線を高く、目盛りを大きくもって、ビジネスパーソンとしての将来の「夢」に向かって努力を続けていく、そして、驕らず、謙虚に自分を向上されることを常に考え、周りから可愛がられ、たくさんの人たちからいろんなことを学び、成長していって欲しいと思います。を実践することが大切だと思います。


ワークライフバランスとか、Great  Place to Workとか、最近は、欧米流の、仕事とプライベートとのバランスということが、一昔前と比べると、随分、日本でも、重要視されてきたように報道されています。実際、そういう取り組みは、グローバル企業、いわゆる外資系の会社では、日本でも、定期的に従業員の意識調査などをして、社員の声を吸い上げて、十分でない部分を改善していくというPDCAを回す仕組みを取り入れている会社も多いと思います。


しかしながら、一方で、過労死やパラハラといった、職場の上下関係や、組織のプレッシャーが強く、結果として、心の病になったり、自殺というようなケースもあったりと、その会社、その組織、そしてどんな上司のもとで仕事をしているかという環境によって、このワークライフバランスに関しても大きく異なるのが現実のようです。




いままで、「環境を選べ」とか、あるいは、一方で「寝るな、勉強しろ」というアドバイスを30歳台、40歳台のビジネスパーソンの皆さんにアドバイスしてきましたが、当然、皆さんお一人お一人の人生、毎日の生活における、心の健康、体の健康を第一に考えるのは言うまでもなく最も大切なことです。



仕事や職場の人間関係のストレスの解消方法に関しては、ONとOFFの切り替えをすることが大切だとか、趣味をもって、仕事のことを考えない時間を過ごすことが上手い切り替えになるだとか、昔からいろんなアドバイスがあります。私の場合は、昔から、性格的なものもあり、あまりOnと Offの切り替えが上手ではなく、趣味というか、土日に仕事以外のことをしている時や、走ったり、ゴルフをしたり、楽器を演奏しているときでも、時として、無意識に仕事のことを考えたりしてしまいます。また、そんな休みの時に言い考えや、仕事の解決策のヒントを思いついたりもしますので、それはそれで、私にとっては、生産性という意味では、プラスに作用しているとも言えます。

一方で、金曜の夜から月曜の朝まで、会社のメールは一切見ない、仕事で使う携帯には一切出ないという、はっきりしたOnOffの切り替えをしている社員もいます。


私の場合は、そんな風に金曜の夜から完全にOffにしてしまうと、月曜の朝にメールがたくさん来ていて、また、同じ案件のメールにたくさんのやり取りがすでに行われていたりすると、その時系列を追いかけるだけでも大変なので、この週末完全Offのやり方は、逆に月曜の朝に大変なストレスになってしまいます。特に海外とのやり取りが日々の業務にある方は、時差の問題や海外の祝日、日本の祝日など、いろんな理由で、平日の夜もメールのチェックをしないと、すぐメールがたまってしまうという事情もあるので、余計にそう思います。




また、昨今はSmart phoneで仕事のメールやSNSのメッセージが 平日の夜でも、土日でも、いつでも入ってきますので、どうしても気になるので、それを見てしまい、場合によってはすぐ返事をするようなことが多く、ある意味四六時ONの状態かもしれないです。ただ、自分としては、平日の夜や土日に平日の昼間と同じように仕事のことを考えたり、仕事をしているわけではなく、OFFのであっても、

あえて仕事のメールは見ないというようにしようと努力するのではなく、気になるのであれば、例え、外食していたり、遊んでいるときでも、メールをチェックしたり、返事をすることもやります。一方で、どうしても、気持ちや、体調のせいで、平日の勤務時間中に仕事に集中できない時もありますが、そういう時は、仕事以外のことを考えたり、Netで調べたりして気分転換をしています。



仕事はすべて自分の思うように進んではいきませんので、どんな仕事でも、どんなに成功している人でも、仕事にはストレスはつきものです。また、よく言われるように、適度なストレスは、人の精神状態のバランスに必要ともいわれています。問題は、ストレスをため込まないこと、気持ち的に元気な状態で仕事にいつも取り組めるよう、自分なりの方法で努力することです。人それぞれではありますが、自分に合ったOnOffの切り替え方法を実践することが大切だと思います。


仕事が忙しいことが、あたかも優秀であるということと誤解しているというか、とにかく毎日たくさんの社内のミーティングでスケジュールが埋まっていて、忙しくしていることが「優秀だから」「仕事をしている」と思い、思われるというような風潮がどんな組織にもあるのではないでしょうか?


私は、22歳の新入社員の頃、同じチームの先輩から、「暇などきは堂々と暇にしていればいい」そして「その暇な時間で、会社でも本を読んだり、勉強したりすればいい」と教えられました。このアドバイスは、今でも、私の中に強く残っていて、不必要に忙しくしないというのが私のモットーになっています。いいかえれば、いかに効率よく、また生産性高く、仕事をこなし、時間に余裕をもたせ、ちゃんと「考える」時間を持つ、そして、調べ物をする時間を持つということを、私はずっと45年間心がけています。もちろん、いろんな案件や、大切なミーティングが重なったりして、スケジュールが過密になることも、たまにはありますが、基本、一日朝から夜まで、ミーティングからミーティングへと休みなしというようなスケジュールを組むことは決してしません。




私のごく身近な人にも、とにかく、30分刻みで、朝から夜までミーティングを入れる人がいます、過密スケジュールですので、いつも、ミーティングに数分遅れて参加することになってしまいますし、その人がミーティングを仕切るときも、十分準備をしないでミーティングに臨むため、ミーティング自体も、あまり生産性が高くないことが多いようです。

でも、その人は自分がすごく優秀で、頭がいいと思っているので、決してそのやりかたを変えたりしません。周りの皆からは、余裕がないところや、準備が不足していると思われていますが、そのことが、決してその人の耳に入ることはなく、結果、裸の王様になってしまっています。


このような人は、私が先輩にアドバイスされた。「堂々と暇にしてればいい」という考えかたと真逆のように思います。

忙しすぎると、どんなに優秀な人でも、いわゆるOver flow状態となり、いろんな案件が同時に進行することで、物事に対する判断が的確にできないというリスクを抱えてしまうのではないでしょうか?



例えば、忙しすぎると、小さくてあまり重要でないこと、そしてあまり緊急性の高くないことと、非常に重要で、かつ判断によっては非常に大きな影響を与えることに、同じように時間を配分し、また、時には、小さくて緊急性のないことに、より多くの時間を使ったりするという、まったく時間の使い方がなっていないようなケースも見受けられるのではないでしょうか?

時間管理、タイムマネジメントは、仕事の基本です、仕事の優先順位をはっきりできなくなる、考える時間をとること、準備することがおろそかになるというのは、周りからみると、「仕事ができる」という評価にはならないことをよく理解し、しっかりとした時間管理、タイムマネジメントをしてください。





組織の中で仕事をしていると、必ず、誰からも慕われるような、いろんなことをよく知っていて、何かと「あの人に相談すると何かいいアドバイスがもらえるかも」と、その人が直属の上司でなくても、頼りにされて、相談されるタイプの経験豊かな人がいると思います。

こういう人は、性格的にも、私利私欲で仕事をしたり、出世のために手段を択ばない等というタイプではなく、人柄もよく、親切な人というケースが多いのではないでしょうか。 組織は人が集まるところなので、例え会社や業種が異なっても、こういうタイプの頼りにされる人というのは、どの組織にもいるように思います。



こういう頼りにされる人のもとには、自然といろんな相談ごとが舞い込みますので、その人にはますますいろんな情報が集まり、またいろんなケースの相談に対応することで、いろんな知恵の蓄積がなされ、相乗効果的に、ますます頼られる存在になるということではないでしょうか。





一方で、性格的に問題があったり、いわゆる「結局は自分のことしか考えない」タイプや

「自分がよく思われようとして行動する」タイプの人には、例えその人が直属の上司であったとしても、できるだけ相談したり、報告をしたりしたくないと思ってしまうものです。


そういう上司は、報告や相談を受けても、結局は、自分にとってそれがプラスかマイナスかという尺度で物事を判断したり、指示を出すだけなので、相談に来た人の気持ちや立場、そして、その相談の背景のようなところまで考えようとはしないので、結果として相談した人にとっては、「親身になって考えてくれない」という印象を与えてしまいます。



そういう上司に限って、部下の成果は自分の手柄のようにふるまい、自分自身では、できるだけ手を動かさず、偉そうにしている人が多いのではないでしょうか。



前にも書きましたが、組織の中での人の評判というのは、たくさんの人との接点、体験がその人の評判に関与しているケースが多いので、わずかな例外を除いては、極めてフェアーというか、納得性の高いものだと思います。周りから頼りにされない人には、何かが足りないと、そう思って自分自身を見つめなおしたり、不足している知識や、包容力など、頼られない理由を自分の課題と置き換えて、努力することが自分のビジネスパーソンの成長につながると思います。是非、自分の所属している組織で、頼られる人がいたら、その人を一つの目標として、自己研鑽に努めるのもいい方法かと思いますので、実践してみてください。


その人、その人にはそれぞれ転職をする動機、事情があるとは思うのですが、一度辞めて他の会社に転職したのちに、また同じ会社に戻ってくる、いわゆる「出戻り転職」はいろんな意味でお勧めしません。


自らのキャリアアップのために、それまでいろんな経験を積ませてもらった会社を出ていく時に、いかに、周りに迷惑をかけないようにと配慮をしたとしても、当然、ある程度経験を積んだ、社員の抜けた穴は、大きく、それを埋めるために、その人が所属していたチームはいろんな手を打って、努力して対応するわけです。そして、もし、その人があまり周りに配慮せず、なんの前触れもなく他社に転職していくよう場合は、その人の上司や、所属していたチームの他のメンバーに、一時的に大きな負担をかけることになり、「円満退社」とは程遠いものになっている可能性もあるとおもいます。





このように、キャリアアップを志し、新しいチャレンジを目指して、転職する人に、基本的に、例え、一時的に迷惑をこうむる立場だとしても、私はエールを送ってあげ、新しい転職先で頑張れt言ってあげることが必要だと思います。そして、転職した人の抜けた穴は、チームの他の人にとっては、チャンスととらえるように指導していくのがベストと考えています。 ただ、どんなに、送り出すほうが、いい人達だったとしても、やはり、その会社としての人材育成の観点や、組織のなかでの将来展望という点で、活躍していた社員が他社に転職してしまうということは、その人が優秀であればあるほど、やはり、その会社や組織に迷惑をかけることに変わりはないと思います。



そんな、転職をしていく人が、もし人格的に、性格的に多少でも問題のある人である場合には、周りは、「なんて自分勝手な人」、「あの人は自分のことしか考えてない」などと影で揶揄されて、送りだされるというケースもあるのではないかと思います。

外資系の場合、会社は常に即戦力を求めますし、突然、重要なポジションに就いていた人が他社に転職し、その穴をすぐに埋める必要があって、以前その会社に勤務していた人に「戻ってこないか」と会社のほうから、声をかけることがあると思います。 そして、ひどい場合には、その人がその会社に以前勤務していた時よりも、かなり上の役職と待遇で「出戻り」してもらいたいとオファーがあるケースもあります。

私は、もし、こういう転職の相談をされた場合、その会社に対しても、そして、その対象となっている当人にも、「出戻りはやめなさい」とアドバイスするようにしています。



もともと、新しいことにチャレンジし、異なる経験を積み、ビジネスパーソンとしての視野を広げることを目的として転職したはずの人が、元の会社に戻るということは、「知っている人がたくさんいる」「社内ルールや、プロセスをよく知ってるので戸惑いがない」など、「安心感」を求めて、戻るという決断をしている部分が、他とえ意識していなくても、心のどこかに、あるのだと思います。もちろん、他社で経験を積んで、お世話になった元の会社で恩返しがしたいという気持ちもあるでしょう、ただ、前述したように、周りに迷惑をかけて(そう周りが思って、決して忘れない) 出て行った人が、「平気な顔をしてまた戻ってくる、しかも給料が大きく上がったらしい。」などと、思われながら元の会社に戻って、本当に、そこからまた、いい経験が積めるのでしょうか?




私は、ビジネスパーソンには、元来転職を勧めていますが、かといって、転職は、軽々しく行うものではないとも言っています。不退転の決意で、リスクをとって、未知の世界に飛び出し、新しい経験を積むことの大切さを知った人なら、例え、その会社の事業が思わしくなく、違う会社への転身を考えざるを得ないような環境であったとしても、数年後や10年後にまた、新しいチャレンジを目指すことのほうが、出戻るようりも、はるかに理にかなっており、また、その人の人生観、人格といったものにも、マイナスにならないように、思います。再びキャリアチェンジを考える時は、是非、出戻り転職は避けるよう心掛けてください。

以前、謙虚さと弱気、そして自信と慢心の違いについて書きましたが、同じような意味で、仕事の取り組みかたが、慎重なのはいいのですが、いわゆるちょっとしたリスクに対して怖がってばかりいては、周りや相手に、消極的というか、アグレッシブさや、強いリーダーシップを感じさせないという、ネガティブな印象を与えてしまいます。


もちろん、いろんな意味で仕事のやり方や、スタイルには性格がすごく現れます。几帳面な人、雑な人、周りに配慮ができる人、唯我独尊の人、良く言われるように、「一緒に麻雀やゴルフをやると性格がでる」と同じように、一緒に仕事をすると、その人の性格がよく表れます。



ある意味、私もどちらかというと「怖がり」です、そして、人から叱られるのは、やっぱりいやです。特に取引先から叱られるのは、立場上会社を代表してお詫びにいくことも多いのですが、例えその件が自分が直接原因でなくとも、やっぱり叱られるのは嫌なものです。でも、一般的には、それがお客さんでも、そしてすごく怒っているお客さんでも、誠意を尽くして謝れば、たいていのケースでは何とか事は収まるものです。

気が弱い人、気が小さい人は、この「叱られないように」また、「相手の気分を害さないように」と気配りするあまり、いろんなことを確認してから、物事を進めようとする傾向があり、結果としてアクションがすごく遅くなってしまうことがあります。そうすると、特にせっかちな上司やお客さんから見ると、「なにをもたもたしているんだ」とイライラしてしまい、結果として、その人が怒らせないようにと気配りしていることが、相手を怒らせてしまう原因になってしまうなんていうことも、起こりえるわけです。


そんな怖がりの性格の人におすすめなのが、昔からよく言われるように、まだ、最終結果が出ていない時や最終的な回答ができない状況でも、取りあえず、一報を入れておくというやり方があります。そんな風に、中間報告をしても、「遅い、いつまでかかっているんだ」と叱られるケースも無きにしもあらずですが、まったく連絡せず、相手を待たせすぎて、怒りを爆発させてしまうよりも数倍ましだと思います。



また、時によっては、中間報告したら、「ああ、その件は、事情が変わってね、、、」と自分が間違った方向に向かって進み続けるという非生産的な仕事をしなくて済むような場合につながることもあり、いろんな意味でメリットがあると思います。



こういう「とりあえず一報する」というスキルを身に着け、そういう仕事の仕方を定着させると、きっと相手の人や周りからも、「すごくきっちりした仕事のやり方をする人」という評判が定着し、結果として、叱られたり、怒られたりするケースも激減し、仕事において、あまり怖がらない性格に変化していくことも大いに考えられます。




このように、仕事はよくいわれるように、ボールをできるだけ自分の手元に置いておかず、常に、いろんな方法を使って、相手に投げ返しておくべきです。近年は、電話で話したり、直接会うことよりも、メールやSMSのメッセージで仕事をすることも多いと思いますが、いわゆるレスポンスの悪い人は、評価されません。それと同じように、マネに繋いでおくことが、相手をイライラさせないことに有効ですし、前述したように、自分も、「怒られないかと」おどおどすることもなくなりますので、是非、こういう「繋ぐ」スキルを身に着けるようお勧めします。

 

 


前に、転職を考えている人から相談を受けた時に、どの会社にするかは、面接で会ったその会社の人達、その人達と一緒に仕事をしたいかどうか、また、その人達からいろんなことを学べるかどうかで選ぶべきとアドバイスする、ということを書きましたが、言ってみれば、それは、ビジネスやキャリアを考える中で、人との出会いはとても大切であるということだと思います。

キャリアのことだけではなく、大きなビジネスが成約できるかどうか、そういう成功の秘訣のようなものも、「出会い」によるところがものすごく大きいと、自分の経験から感じています。



よく言われるように、大きな案件がうまく行くかどうかは、対象となるお客さんや協力会社に「役者がそろっているかどうか」が鍵になります。一番の例が、例えどんなに素晴らしい提案をもっていったとしても、その相手の会社に、きちんと物事を見極め、社内を動かして「やる、やらない」の判断ができる人がいるかどうかにかかっています。


その方が、相手の会社の社長や、役員の方なら、なおさらですが、例え、担当の部長さんや課長さんが相手であっても、相手の会社の社内を動かしてくれるだけのパワーがある人なら、そういう出会いも成功の秘訣となるケースが多いのではと思います。



相手の会社の社員の方も、また、例え役員さんや社長でも、サラリーマンです。いろんな事情でリスクを取りたくないとか、今は、あまり新しいことは社内で提案したくない、とか、その会社の置かれてる事業環境や、社内の政治的な事情で、例え素晴らしい提案をもっていったとしても、「今はちょっと」と前向きには取り上げてもらえないことも、よくあります。一方で、「この提案は面白い。是非、どうやって社内を動かせるか、考えさせてほしい」というような、前向きな回答を得られるケースもあり、出会いと、タイミングというのが、ビジネスの世界では、とても重要な要素となるわけです。



タイミングが良くても、ちゃんと理解してくれる人との出会いがなければ、ダメですし、また、そういう必要な出会いを演出してくる人、つまり紹介者の存在も、また、必要な出会いということができるでしょう。このように、出会いとタイミング、とくに出会いは、私自身の経験でも、特定の会社の特定の人を目標として、そういう出会いが得られるものでもなく、ある意味、「運」による部分が大きいのかもしれません。ただ、そんな必要な人との出会いを紹介してくれたり、演出してくれるのは、日ごろ、いろんな形で、関係のなる様々な社内外のビジネスパーソンとのかかわりによるのではないかと思います。



「運も実力のうち」という言葉があるように、そんな成功につながる出会いを引き寄せるのも、ビジネスパーソンに必要な力なのかもしれません。





68日号の日経ビジネスに、「顔に出さない怒りも失格、リーダーシップは自己管理」という2ページの記事が掲載されています。フランスのビジネススクールINSEADのナラヤン・ハント教授のがビジネスパーソンとしてのリーダーシップについて述べておられるのですが、わが身を振り返っても、この怒りも含め「自分の心を常にコントロールする」というのは極めて難しいです。


人間である以上、会議や、普段の打ち合わせで、部下やチームメンバーが、トンチンカンだったり、「そうじゃないだろう」と一喝したくなるようなケースはよくあります。そんな時も「感じる前に、なぜ、その部下やチームメンバーはそういう発言をしているのだろう」と考えることが大切だという考え方です。教授はさらに、「組織をうまく回す能力も、結局は自分とチームのコントロールが前提になる、組織を動かすうえでリーダーに重要なのは、実はしっかり周囲に頼る力だ」と述べています。




現実に最近、私にもよく似たケースがありました。大切なお客向けのプレゼンの資料を数人で手分けして作成していくプロセスで私としては、十分丁寧に、どういうメッセージと内容でプレゼンを準備すべきかということは、メンバーにかなり丁寧に説明、指示したつもりだったのですが、作業の中間報告をメンバーから聞いたときに、やっぱり、「そうじゃないだろう」という「イライラ」した感情がまず私の中に沸き起こってしまいました。



幸い、怒りを面にあらわさず、うまく指示を再度説明し、 30分の打ち合わせをわずか10分で切り上げ、「内容は十分なので、要は、メッセージがしっかり伝わるようまとめなおせばいい、あとは任せる」と言ったところ、数日後、ちゃんとしたものが最終版として上がってきました。



私は、この結果を見て、「ああ、任せるという表現を使ってよかった」と、素直にそう思いました。このように、ビジネスの世界では、特にリーダーの場合、感情の趣くままの言動が、マイナスになることがよくありますし、時として取り返しのつかないほどのダメージを社内外の人間関係に与えることもあります。私も、まだまだこの部分は成長途上ですが、是非、この、「心のコントロール」を少しでも、できるよう、皆さんも心がけましょう。