68日号の日経ビジネスに、「顔に出さない怒りも失格、リーダーシップは自己管理」という2ページの記事が掲載されています。フランスのビジネススクールINSEADのナラヤン・ハント教授のがビジネスパーソンとしてのリーダーシップについて述べておられるのですが、わが身を振り返っても、この怒りも含め「自分の心を常にコントロールする」というのは極めて難しいです。


人間である以上、会議や、普段の打ち合わせで、部下やチームメンバーが、トンチンカンだったり、「そうじゃないだろう」と一喝したくなるようなケースはよくあります。そんな時も「感じる前に、なぜ、その部下やチームメンバーはそういう発言をしているのだろう」と考えることが大切だという考え方です。教授はさらに、「組織をうまく回す能力も、結局は自分とチームのコントロールが前提になる、組織を動かすうえでリーダーに重要なのは、実はしっかり周囲に頼る力だ」と述べています。




現実に最近、私にもよく似たケースがありました。大切なお客向けのプレゼンの資料を数人で手分けして作成していくプロセスで私としては、十分丁寧に、どういうメッセージと内容でプレゼンを準備すべきかということは、メンバーにかなり丁寧に説明、指示したつもりだったのですが、作業の中間報告をメンバーから聞いたときに、やっぱり、「そうじゃないだろう」という「イライラ」した感情がまず私の中に沸き起こってしまいました。



幸い、怒りを面にあらわさず、うまく指示を再度説明し、 30分の打ち合わせをわずか10分で切り上げ、「内容は十分なので、要は、メッセージがしっかり伝わるようまとめなおせばいい、あとは任せる」と言ったところ、数日後、ちゃんとしたものが最終版として上がってきました。



私は、この結果を見て、「ああ、任せるという表現を使ってよかった」と、素直にそう思いました。このように、ビジネスの世界では、特にリーダーの場合、感情の趣くままの言動が、マイナスになることがよくありますし、時として取り返しのつかないほどのダメージを社内外の人間関係に与えることもあります。私も、まだまだこの部分は成長途上ですが、是非、この、「心のコントロール」を少しでも、できるよう、皆さんも心がけましょう。