シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その480〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

 アンドロゴス生涯学習研究所

   生涯学習はじめませんか


今回は、ホツマツタヱ16アヤの解説、Part2です。

まずは本文から。

●一行訳3

16-11 ヲしゑこふ こゝにこもりの ヲシヱコフ ココニコモリノ 【ヲ〔尊〕シ(使役)、教・ヱ(分詞)・コ、請・フ(分詞)、教えていただきたいのです】。【コ、此・コ、処・ニ(前置格)・コモリ・ノ(生格)、子守り守・の】、
16-11 みたねふみ アめつちいまた ミタネフミ アメツチイマタ 【ミ(寧)タネ、胤・フミ、文、御胤の教えの開陳となりました】、【ア〔天〕メ、天・ツ(生格)・チ、道・イマ、未・タ(分詞)、我が邦が未だ】、
16-12 わかさるに ういのヒといき ワカサルニ ウイノヒトイキ 【ワカサルニ、分化していなかった頃】、【ウ、多・イ、意・ノ(生格)・ヒ〔一〕ト(類)・イキ、息、多くの意思が表明され、一義に】、
16-12 まとかにて みつにあぶらの マトカニテ ミツニアブラノ 【マト、丸・カ(分詞)・ニ(造格)・テ(態)、まとまって】、【ミツ、水・ニ(与格)・アブラ、油・ノ(生格)、水と油のように】、
16-12 めヲわかれ ヲまつのほりて メヲワカレ ヲマツノホリテ 【メ・ヲ〔雄〕・ワカ、別・レ(分詞)、雌・雄が別れて】、【ヲ〔雄〕・マ、先・ツ(分詞)・ノホ、上・リ(分詞)・テ(態)、雄がまず上って】、
16-12 アめとなり めハのちくたり アメトナリ メハノチクタリ 【ア〔天〕メ、天・ト(造格)・ナ、成・リ、天になり】、【メ、雌・ハ(主格)・ノチ、後・クタ、下・リ(分詞)、雌は次に下って】、
16-13 くにどろの はにみづわけて クニドロノ ハニミヅワケテ 【クニ、国・ドロ、泥・ノ(生格)、大地の泥になり】、【ハニ、土・ミヅ、水・ワ、別・ケ(分詞)・テ(態)、土と水が別れて】、
16-13 はにハやま みつハうみなり ハニハヤマ ミツハウミナリ 【ハニ、土・ハ(主格)・ヤマ、土は山に】、【ミツ、水・ハ(主格)・ウミ、海・ナ、成・リ(分詞)、水は海になったのです】。
16-13 ヲのうつホ かぜとうこきて ヲノウツホ カゼトウゴキテ 【ヲ〔雄〕・ノ(生格)・ウ、内・ツ(生格)・ホ〔炎〕、夫の内にある情熱は】、【カゼ、風・ト(造格)・ウゴ、動・キ(分詞)・テ(態)、環境に依って進展し】、
16-13 ホとはける ヲせのむなもと ホトハケル ヲセノムナモト 【ホ〔炎〕・ト・ハ、化・ケ(分詞)・ル(不完)、炎のように荒々しく変化します】。【ヲ〔雄〕セ、背・ノ(生格)・ム、宗・ナ、名・モト、元、(妻の妊娠の影響で)夫の宗家は】、
16-14 ヒとまろめ アちかくめくり ヒトマロメ アチカクメクリ 【ヒ〔日〕・ト(造格)・マ、丸・ロ(分詞)・メ(自発)、日差しのように優しくなり】、【ア〔天〕・チカ、近・ク(態)・メク、周・リ、天のように(包容力で)とりまき】、
16-14 ヲにくばる いものみなかみ ヲニクバル イモノミナカミ 【ヲ〔雄〕・ニ(前置格)・クバ、配・ル(不完)、夫を(さらに)軟化させます】。【イモ、妹・ノ(生格)・ミ(寧)・ナ、名・カミ、上、妻の(直系の)両親達は】、
16-14 つきとこる はにちかきゆえ ツキトコル ハニチカキユエ 【ツキ、月・ト(造格)・コ、凝・ル、月のように(寄り添って)集まり】、【ハニ、地・チカ、近・キ(分詞)・ユエ、故、地縁としても近いので】、
16-14 めにくばり うつほかせホと メニクバリ ウツホカセホト 【メ、妻・ニ(与格)・クバ、配・リ(分詞)、妻を楽にさせます】。【ウツホ、空・カセ、風・ホ〔炎〕、大気と風と炎・と】、
16-15 みつはにの ヰつましわりて ミツハニノ ヰツマシワリテ 【ミツ、水・ハニ、土・ノ(生格)、水と土の】、【ヰ〔五〕ツ(類)・マ、混・シ(分詞)・ワ、合・リ(分詞)・テ(態)、五つが混ざり合って】、
16-15 ヒとゝなる のちハいもヲせ ヒトトナル ノチハイモヲセ 【ヒ〔仁〕ト、人・ト(造格)・ナ、成・ル(不完)、人に成る(のが原初の姿)です】。【ノチ、後・ハ(生格)・イモ、妹・ヲ〔雄〕セ、背、後には夫婦が】、
16-15 とつぎうむ ヲハはにむかひ トツギウム ヲハハニムカヒ 【ト、門・ツ、継・ギ(分詞)・ウ、産・ム(分詞)、交接して・産むのです】。【夫は土性である妻に向かって】、
16-15 とつぐとき かりのしじなみ トツグトキ カリノシジナミ 【ト、門・ツ、継グ・トキ、時、トツギの儀式をする時】、【カ、借・リ(分詞)・ノ(生格)・シ、其・ジ、持・ナミ、波、(原初の形を)借りたそのような・流れが】、
16-16 ほねあぶら めハアにむかひ ホネアブラ メハアニムカヒ 【ホネ、骨・アブラ、脂、骨や脂になります】。【メ、妻・ハ(主格)・ア〔天〕、夫・ニ(前置格)・ムカ、向・ヒ(分詞)、妻は天である夫と向きあい】、
16-16 ましわりの かねのにしなぎ マシワリノ カネノニシナギ 【マシ、混・ワ、合・リ(分詞)・ノ(生格)、(五行の)交わりとを】、【カ、兼・ネ(分詞)・ノ(生格)・ニ、煮・シ、為・シ(使役)・ナ、為・ギ(分詞)、兼ねて熟した行為が】、
16-16 とわたなす ちゝのかりなみ トワタナス チチノカリナミ 【ト、門・ワ、渡・タ(分詞)・ナ、為・ス(自発)、子胤へと変形するのです】。【チチ、父・ノ(生格)・カリ、雁・ナミ、波・(シヂナミと同じ)、精液が】、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●連続訳3
子守り守の、御胤(みたね)の教えの開陳となりました。
我が邦が未だ、分化していなかった頃、多くの意思が表明され、一義にまとまり、水と油のように、雌・雄が別れて、雄がまず上って、天になり、雌は次に下って、大地の泥になり、土と水が別れて、土は山に、水は海になったのです。
夫の内にある情熱は、環境に依って進展し、炎のように荒々しく変化します。
妻の妊娠の影響で夫の宗家は、日差しのように優しくなり、【ア〔天〕・チカ、近・ク(態)・メク、周・リ、天のように(包容力で)とりまき、夫を(さらに)軟化させます。
妻の直系の両親達は、月のように寄り添って集まり、地縁としても近いので、妻を楽にさせます。

大気と風と炎と、水と土の、五つが混ざり合って、人に成るのが原初の姿です。
後には(現在では)夫婦が、交接して産むのです。
夫は土性である妻に向かって、トツギの儀式をする時、原初の形を借りた、そのような流れが、骨や脂になります。
妻は天である夫と向きあい、五行の交わりとを、兼ねて熟した行為が、子胤へと変形するのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●解説3
この部分では、子守御上の総長であるソサノヲが、うら若い(13歳程度か?)ヒトリヒメにも理解できるような形で話を組み立てているので、ヒヨミの当主であっても、天地創造的な神話から入るのが、抵抗がすくないと思ったのでしょうか、実にシンボリックな話をしています。
ときおり、漢方医学的な逸話を含めたりしながら、母体としての人間科学の基礎知識を伝授しているのです。

「波」という概念を最初に説明したのは池田教でしたが、「緩慢な流れ」というのは卓越した見解でした。
しかしながら、池田満氏は、同じ音である「ナ、名・ミ、身(御家の人)」という概念を得ることはできませんでしたので、彼の理解はそこまでで止まってしまったのです。
「随所で使い分ける」ことが、自然言語を解析するときには切実に求められることになるので、いわゆる「AI」向けの解法ということになりましょうか。
枝切りと、場合分けというのは「ほどほど」でないとまずいのでしょうか。
ここで、「ムナモト」を宗家(そうけ)と訳していますが、「ム、胸・ナ、名・モト、元(それぞれの御家の元締め)」なので宗家としたのです。

ト ちぇ、親は5割増しを受け取るって話をしようと思ったのに、ザンネン。

ヱ またスズメか。

根 麻雀は言ってみれば人生ゲームだから、基本的なテーマは合っているが・・・

ここで、「クバリ」は「配慮」として訳しています。

●一行訳4

16-16 とわたなす ちゝのかりなみ トワタナス チチノカリナミ 【ト、門・ワ、渡・タ(分詞)・ナ、為・ス(自発)、子胤へと変形するのです】。【チチ、父・ノ(生格)・カリ、雁・ナミ、波・(シヂナミと同じ)、精液が】、
16-16 たましまえ しはするときに タマシマエ シハスルトキニ 【タマ、霊・シマ、島・エ(前置格)、霊島(コミヤと同じ)・へ】、【シハ、波・ス、為・ル(分詞)・トキ、時・ニ(与格)、(ゆっくりと)到達する時に】、
16-17 ちなみあひ ヒるハにうえに チナミアヒ ヒルハニウエニ 【チ、血・ナミ、波・ア、相・ヒ(分詞)、血と潤波が相まって】、【ヒ〔日〕、日・ル、霊・ハ・ニ、煮・ウエ(前置格)、上・ニ(態)、(日の御霊と)混ざり熟上がり】、
16-17 ひたのほり よるハしうえに ヒタノホリ ヨルハシウエニ 【ヒタ、直・ノホ、上・リ(分詞)、上りつづけ】、【ヨル、夜・ハ(生格)・シ、其・ウエ、上・ニ(前置格)、夜もそのように上り】、
16-17 みぎくたり あすふためぐり ミギクタリ アスフタメグリ 【ミギ、右・クタ、下・リ(分詞)、同様にして下り】、【ア、明・ス、日・フタ、再・メグ、巡・リ(分詞)、次の日は再度、巡り】、
16-17 ミめくりと ミソかにハミそ ミメクリト ミソカニハミソ 【ミ〔三〕・メク、巡・リ(分詞)・ト、三巡し】、【ミ〔三〕ソ〔十〕カ、日・ニ(与格)・ハ(主格)・ミ〔三〕・ソ(強調)、月末には三回です】。
16-18 ミそヒフミ ミかたりゆるむ ミソヒフミ ミカタリユルム 【ミ〔三〕・ソ・ヒ〔一〕フ〔二〕ミ〔三〕、三回が123、順序です】。【ミ〔三〕カ、日・タ、足・リ(分詞)・ユル、緩・ム、3日経つと、(巡りは)足りて緩慢になり】、
16-18 たらむとて はゝのつゝしみ タラムトテ ハハノツツシミ 【タ、足・ラ(分詞)・ム(推量)・ト(態)・テ(造格)、十分になるでしょう】。
16-18 ヲのいきす ヨろみちむヤソ ヲノイキス ヨロミチムヤソ 【ヲ〔雄〕・ノ(生格)・イキ、息・ス、栖、男子の(場合の)息、呼吸数は】、【ヨ〔百〕ロ・ミチ、毎・ム、胸・ヤ〔八〕ソ〔十〕、差はありますが平均して80です】。
16-18 めのいきす ヨろミチモヤム メノイキス ヨロミチモヤム 【メ、女・ノ(生格)・イキ、息・ス、栖、女子の(場合の)息、呼吸数は】、【ヨ〔百〕ロ、全部で・ミ〔三〕チ〔千〕モ〔百〕ヤ〔八〕ム〔六〕です】。
16-19 みたねゑて はゝにますいき ミタネヱテ ハハニマスイキ 【ミ(寧)タネ、胤・ヱ、得・テ(分詞)、子を孕んだことにより】、【ハハ、母・ニ(与格)・マ、増・ス(分詞)・イ、息・キ(分詞)、母の増す息は】、
16-19 ミモムソの あすハナモフソ ミモムソノ アスハナモフソ 【ミ〔三〕モ〔百〕ム〔六〕ソ〔十〕ノ、360で一巡し】、【アス・ハ・ナ〔七〕モ〔百〕フ〔二〕ソ〔十〕、二巡します】。
16-19 ミかチヤソ ミソかヨろやモ ミカチヤソ ミソカヨロヤモ 【ミ〔三〕・カ、日・チ〔千〕ヤ〔八〕ソ〔十〕、3日では1080、三巡し】、【ミソカヨロヤモ、三十日では10800巡することになります】。
16-19 ミソヤかに ヨろミチムヤソ ミソヤカニ ヨロミチムヤソ 【ミ〔三〕ソ〔十〕ヤ〔八〕カ、日、38日・に】、【ヨ〔百〕ロ・ミ〔三〕チ〔千〕ム〔六〕ヤ〔八〕ソ〔十〕、一族は3680】、
16-20 もとゝまし フヨろムチヤモ モトトマシ フヨロムチヤモ 【モト、元・ト(並立)・マ、増・シ(分詞)、元と増しは】、【フ〔二〕ヨ〔百〕ロ、万・ム〔六〕チ〔千〕ヤ〔八〕モ〔百〕、全部で26800】、
16-20 ヨソむたび ましとゝまりて ヨソムタビ マシトトマリテ 【ヨ〔四〕ソ〔十〕ム(推量)タビ、度、40回にもおよぶだろう】、【マ、増・シ(分詞)・トト、止・マ(自発)・リ(分詞)・テ(態)、増加が止まり】、
16-20 みめぐりハ フつきいたれバ ミメグリハ フツキイタレバ 【ミ(寧)メグ、巡・リ(分詞)ハ、御巡りは】【フ〔二〕ツキ、月・イタ、至・レ(分詞)・バ(結果)、二ヶ月目になれば】、
16-20 ミかはしり しハさらにきる ミカハシリ シハサラニキル 【ミ〔三〕カ、日・ハシ、走・リ(分詞)、3日程早まり】、【シ、其・ハ(生格)・サラ、更・ニ(態)・キ、着・ル、それは・さらに・着ると言われる】。
16-21 きさらとて はゝのつゝしみ キサラトテ ハハノツツシミ 【キ、衣・サラ、更・ト(態)・テ(造格)、二月目になれば】、【ハハ、母・ノ(生格)・ツツ、連・シ、染・ミ(分詞)、(妊婦の)母からの連なりが活きてきます】。
16-21 ムソヨかハ ムそよめぐりに ムソヨカハ ムソヨメグリニ 【ム〔六〕ソ〔十〕ヨ〔四〕カ、日・ハ(主格)、64日目は】、【ム〔六〕・ソ(強調)・ヨ、夜・メグ、巡・リ(分詞)・ニ(前置格)、六の夜の御参りと】、
16-21 きわまりて みめぐりすべて キワマリテ ミメグリスベテ 【キワ、極・マ(分詞)・リ(分詞)テ(態)、決まっており】、【ミ(寧)メグ、巡・リ(分詞)・スベ、総・テ、(一族の)御参りはすべて】、
16-21 チヤソなり つひにたねなる チヤソナリ ツヒニタネナル 【チ〔千〕ヤ〔八〕ソ〔十〕・ナ、也・リ(分詞)、多くの物部氏が集まって】、【ツ、終・ヒ(分詞)・ニ(前置格)・タネ、胤・ナ、成・ル、最終的に、物部氏の子に成るのです】。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●連続訳4
シヂナミと同じ、父の精液が、霊島(コミヤと同じ)へ、ゆっくりと到達する時に、血と潤波が相まって、日の御霊と混ざり、熟上がり、上りつづけ、夜もそのように上り、同様にして下り、次の日は再度、巡り、三巡し、月末には三回になります。
三回が123、順序です。
3日経つと、巡りは足りて緩慢になり、十分になるでしょう。
男子の場合の息(同族)は、差はありますが普通は物部主流の家です。
女子の(場合の)息、呼吸数は、3186です。
子を孕んだことにより、母に援助をする息は、360で一巡し、翌日は二巡します。
3日では1080、三巡し、三十日では10800巡することになります。
月末と8日には、全地域の息は物部主流により増え、元と増しは、全部で26800、40回にもおよぶでしょう。
増加が止まり、御巡りは、二ヶ月目になれば、3日程早まり、それは・さらに・着ると言われる、二月目になれば、妊婦の母からの連なりが活きてきます。
64日目は、六の夜の御参りと、決まっており、一族の御参りはすべて、多くの物部氏が集まって、最終的に、物部氏の子に成るのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●解説4

「ミソカニハミソ」は、「月末には3回」ですが、「ニハ」は、「ニ(与格)・ハ(主格)」の合成された表現であり、現代の日本語及び、朝鮮語にのこっている表現で、膠着性により、熟しかかって固定された例だと考えられます。
私にはこれ以上、分解できませんが、国語学者がまじめに取り組めば、この表現が日本語と朝鮮語で、どちらが先に熟したか、が判明するでしょう。
この時代性に着目すると、前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)の葬送文化が、前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)になり朝鮮半島に伝えられ、その後、巨大化した前方後円墳として日本に再輸入されたという理解と一致することがわかるでしょう。
しかしながら、考古学者には、石と土壌の10年単位の違いを判断することはできないので、様式から100年程度の相対差を議論するにとどまっています。
ホツマツタヱに記述された墓所の調査が待たれるのはこのためなのですが、ホツマツタヱ(正確にはミハタノフミ)を読むことができない考古学者が理解に到達することは無いでしょう。
もう、エイプリルフールも過ぎたので、「ミソカニハミソ」から「カニミソ」を抽出することも無いとは思いますが、日本語の示す膠着性はこんなところからも明らかになってくるのです。

ここで出てくる「ヒフミ」という言葉は「123と数えて」という表現になり、他所にも出てきますが、あまり意味の無い、慣用句と考えてください。

また、「イキス」という言葉が難解です。
現代の日本漢方で伝わっている症(しょう)の取り方なのでしょうか、専門家の意見を聞きたいところです。
秒針のある時計無しに、シロートが脈拍と呼吸数の相関(そうかん)を識る方法論があるのでしょうか、これから研究すべき課題です。
このシーンは、産科学の権威であるコモリ(アマノコヤネ)の妻に、夫であるコモリに産科学の説話をさせるということになってしまい、実に不都合なことなのです。
そもそも、ヒトリヒメはヒヨミの宮の跡取り娘なので、現代的な感覚ではアンタッチャブルですが、子守の守(こもりのかみ、ややこしいなぁ!)のなかで、一人だけ、当該妊婦に責任のある助言をすることができる人材が居ます。
それは、在野で政治学と日本漢方臨床心理の研鑽を積んだ、ソサノヲということになります。
この時期(二十五鈴)、ソサノヲは春日の郷にではなく、ようやく軌道に乗った、カトリの宮(つまり、児屋)に詰めていたと考えられますが、それが、このアヤの話、ヒトリヒメの子の影響であるかは。解っていません。
キミであるアスカは、カラス衆の威力を恐れて、カグヤマではなく、カスガの宮に居たのかもしれません。(なぜ恐れていたのでしょうか?)

さて、ソサノヲの周産期ケアの考え方として、コミュニティの親族が、入れ替わり立ち替わり訪れて、妊婦は孤立する暇がなくなる、ということを言いたいのだと思われます。
つまり、妊婦はコミュニティの一員で有り続けることが求められているので、戦時さながらに、機械的な忙しさによりマタニティブルーになるゆとりが無くなるということなのではないでしょうか。


これは息栖神社、ヒトリヒメが当主である御家です。

息栖神社(いきすじんじゃ)
茨城県神栖市息栖2882
35.885834,140.625129

祭神
久那戸神 (くなどのかみ)(岐神)

標高 2.5m
利用河川 常陸利根川(ひたちとねがわ)

ここは地名も息栖(いきす)なので、知らない人は、「息栖にある神社だから息栖神社かぁ、安易な名前だ」、とか思ってしまうでしょうね。

身ごもって、二ヶ月もたつと、同居している母の目には、妊婦の変化がわかるようになり、細やかな心遣いが期待できるようになるのでしょう。
男系の家でさえ、嫁は里帰りして周産期を乗り切るのですから、女系の山住みとなればその配慮は徹底していると思われます。
ただし、甘やかしてのんびりさせるだけ、ではないのです。
つまり、山住としての平常心を保つ工夫なのでしょう。
たとえば、母体が弱く、乳が足りないとなれば、まわりに乳は余るほど控えているのですから。
野生動物でも、たとえばキツネなどは女系の家族構成を持っており、母が死んだりストレスで育児放棄したりすると、乳児の叔母キツネがかわって面倒を見るそうです。

ここに出てきた「イキス(息栖)」というのは分解すると、

息;一族、英語では"tribe"かな。
栖;本家、英語でいうと、"den"でしょうか。

こんな具合になっているのですね。

ちなみに、親父であるタケミカっちのミヤは鹿島神宮です。


これは鹿島神宮。

今回、講話をやっている「夏執(かとり)」としてのソサノヲのミヤは、他鳥神宮です。


これは香取神宮、同時に、アメ族全体の「児屋(こや)」でもあります。
そして、ここを襲ったのが、アマノコヤネ(天間児屋根、「アメ族の公務員である児屋の主」)現代語では単に個人名だと思うでしょうね。




さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
http://hot-uma.bbs.fc2.com/