シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その476〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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今回は、ホツマツタヱ15アヤのPart5、最後の部分です。

まずは本文から。

●一行訳9

15-41 こゝりヒめ かたれることハ ココリヒメ カタレルコトハ 【ココ、菊・リ、花・ヒ〔仁〕メ、媛、ココリヒメが】、【カタ、語・レ(伝聞)・ル(完了)・コト、事・ハ(主格)、語ったことですが】、
15-42 とこたちの ヤもおめくりて トコタチノ ヤモオメクリテ 【トコ、常・タ、立・チ(分詞)・ノ(生格)、クニトコタチが(枕)】、【ヤ〔八〕モ、方・オ(対格)・メク、巡・リ(分詞)・テ(態)、八方を巡って】、
15-42 にしのくに くろそのつみて ニシノクニ クロソノツミテ 【ニシ、西・ノ(生格)・クニ、国、西の国の】、【クロ、玄・ソ、曾・ノ(生格)・ツ、津・ミ、見・テ、(先祖の)玄海の港を見て】、
15-42 かにあたる なもアかかたの カニアタル ナモアカカタノ 【カ、夏・ニ(生格)・アタ、当・ル(分詞)、(我等の先祖の)夏にあたる(地の)】、【ナ、名・モ(例)・ア〔天〕カ、赤・カタ、県・ノ(生格)、(その)名も赤県の】、
15-42 とよくんぬ よゝヲさむれと トヨクンヌ ヨヨヲサムレト 【トヨ、豊・クン、国・ヌ、主、豊国主は】、【ヨ、代・ヨ、々・ヲ〔尊〕サ、治・ム(伝聞)・レ(分詞)・ト(態)、代々・治めましたが】、
15-43 としおへて みちつきぬるお トシオヘテ ミチツキヌルオ 【トシ、歳・オ(対格)・ヘ、経・テ(態)、長年経って】、【ミチ、道・ツ、尽・キ(分詞)・ヌ(完了)・ル(結果)・オ(理由)、(国力が)衰退してしまったので】、
15-43 うけすてめ ねのくにゝきて ウケステメ ネノクニニキテ 【ウ、多・ケ、餉・ス、捨・テ(態)・メ、媛、相続放棄をした媛が】、【ネ、峰・ノ(生格)・クニ、国・ニ(前置格)・キ、来・テ(態)、シラヤマの国に来て】
15-43 たまきねに よくつかふれハ タマキネニ ヨクツカフレハ 【タ、手・マ、間・キネ、杵・ニ(与格)、タマキネ(五代タカミムスビ)に】、【ヨ、良・ク(分詞)・ツカ、仕・フ(分詞)・レ(条件)・ハ(結果)、良く仕えたので】、
15-43 みにこたえ こゝりのいもと ミニコタエ ココリノイモト 【ミ、身・ニ(与格)・コタ、応・エ(分詞)、(タマキネは)感じ入り】、【ココリ、菊・ノ(生格)・イモ、妹・ト(造格)、ココリ媛の義妹として】、
15-44 むすはせて やまのみちのく ムスハセテ ヤマノミチノク 【ムス、結・ハ(分詞)・セ(使役)・テ(造格)、(縁を)結ばせ】、【ヤマ、山・ノ(生格)・ミチ、道・ノ(生格)・ク、奥、「山住の奥義」を】、
15-44 さつけます よろこびかえる サツケマス ヨロコビカエル 【サツ、授・ケ(分詞)・マス、授けました】。【ヨロコ、喜・ビ(分詞)・カエ、帰・ル(分詞)、喜んで帰った】
15-44 うけすてめ ころびんきみと ウケステメ コロビンキミト 【ウ、多・ケ、餉・ス、捨・テ(態)・メ、媛、ウケステ媛は】、【コ、凝・ロ(分詞)・ビ、人・ン(生格)・キミ、君・ト、彼の地の人のキミと】、
15-44 ちなみあい くろそのつもる チナミアイ クロソノツモル 【チナ、因・ミ(分詞)・ア、相・イ(分詞)、睦み相い】、【クロ、玄・ソ、曾・ノ(生格)・ツ、津・モ、守・ル(分詞)、玄氏の先祖の港を守る】、
15-45 みこうみて にしのはゝかみ ミコウミテ ニシノハハカミ 【ミ(寧)コ、子・ウ、多・ミ(分詞)・テ(態)、多くの御子を生んで】、【ニシ、西・ノ(生格)・ハハ、母・カミ、上、西の母御上と呼ばれましたが】、
15-45 またきたり ころやまもとハ マタキタリ コロヤマモトハ 【マタ、又・キ、来・タ(分詞)・リ(伝聞)、(そのウケステ媛が)また訪れました】。【コ、凝・ロ(分詞)・ヤ、家・マ、間・モト、下・ハ(主格)、当地の家人達は】、
15-45 おろかにて しゝあぢたしみ オロカニテ シシアヂタシミ 【オロ、愚・カ(分詞)・ニ(造格)・テ(態)、純朴で】、【シシ、肉・アヂ、味・タシ、嗜・ミ(分詞)、肉の味に嗜んでも】、
15-45 はやかれし もゝやフもゝぞ ハヤカレシ モモヤフモモゾ 【ハヤ、早・カ、枯・レ(分詞)・シ(自然)、早死にして(も)】、【モモ、百・ヤ(並立)・フ〔二〕・モモ、百・ゾ(並立強調)、百〈五十〉歳や二百〈百〉歳だというのです】。
15-46 たまゆらに チヨろあれとも タマユラニ チヨロアレトモ 【タマ、偶・ユ、揺・ラ(分詞)・ニ(態)、たまたま】、【チ〔千〕ヨ〔百〕ロ・ア、在・レ(条件)・トモ(逆接)、長寿の人がいたとしても】、
15-46 ヒゝのしゝ しなきみいでゝ ヒヒノシシ シナキミイデテ 【ヒ〔日〕ヒ〔々〕・ノ(生格)・シシ、肉、日々の肉を(好む)】、【シ、其・ナ、名・キミ、君、(そんな)御家の君が出て】、
15-46 チよみぐさ たづぬとなげく チヨミグサ タヅヌトナゲク 【チ〔千〕ヨ、代・ミ、見、グサ、種、長寿法が】、【タヅ、尋・ヌ(不完)・ト(造格)・ナゲ嘆・ク(分詞)、欲しいと嘆いていました(秦始皇の故事)】。


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●連続訳9
ココリヒメが、語ったことですが、クニトコタチが(枕)、八方を巡って、西の国の、先祖の玄海の港を見て、我等の先祖の夏にあたる地の、その名も赤県の(序)、豊国主は、代々・治めましたが、長年経って、国力が衰退してしまったので、相続放棄をした媛が、峰のシラヤマの国に来てタマキネ(五代タカミムスビ)に、良く仕えたので、タマキネは感じ入り、ココリ媛の義妹として、縁を結ばせ、「山住の奥義」を、授けました。
喜んで帰った、ウケステ媛は、彼の地の人のキミと、睦み相い、玄氏の先祖の港を守る、多くの御子を産んで、西の母御上と呼ばれましたが、そのウケステ媛が、また訪れました。
当地の家人達は、純朴で、肉の味に嗜んで、早死にしても、百〈五十〉歳や二百〈百〉歳だというのです。
たまたま、長寿の人がいたとしても、日々の肉を好む、そんな御家の君が出て、長寿法が、欲しいと嘆いていました(秦始皇の故事)。

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●解説9

今回、このアヤを検討するのに、これまでのアプローチにも有った視点を活用してみました。

それは、アメ族がかつて、天領として支配したであろう、地域の特性なのです。
それは、物部氏を支えたであろう、山住みと川住みという地勢的な特徴によるものです。
山住みは、少々荒い地勢を好んで、低山の山間部に住み、軍事力に長けて、農業なら陸稲中心の耕地と、貧弱な水利でも栽培が可能な畑作を中心としています。
川住みは大小の河川にほど近いところを拠点として、陸稲から、灌漑農法を活用した水稲中心の農法へ移行してきたことによる、生産性の増大と指導力が威力を発揮するようになったことが大きな違いになっています。
文化面では、山住が、女系の家制度を持っており、川住みは男系の家制度を基本としているということが大きな差異になっております。
さて、アメ族はその主流として、山住みと川住みの結びから成る物部氏が居るのです。
そこでは、川住みによる水上交通が大きく寄与していることを抜きには語ることができません。
そして、アマツヒツギは男系の男子によって継承されていること、タカミムスビは女系男子によって継承されていることが知られています。

長々と称えている、「クニトコタチノ〜ナモアカカタノ」は序詞(じょことば)で、豊国主(とよくんぬ)を修飾しています。

このウケステメの話は、これまで、台湾の何処かだろうと考えていたのですが、それは「クロソ」という地名についてだったのです。
最初に思いついたのが「黒蘇」という地名だったのですが、台湾にはそれらしい地名は発見できませんでした。
ココリヒメが、白山媛(しらやまひめ)である以上、「峰のシラヤマ」まで、簡単に来られる所、すなわち日本国内の海岸の地名は無いかと、探索を進めました。
玄(くろ)い海というのも考え、実際、玄界灘(げんかいなだ)という海がありますが、朝鮮半島とは考えていません。
佐賀県には玄海町(げんかいちょう)という地名があります。
この玄海という海は海面下で、光を反射するプランクトンが少なく、まさに、「黒い」海域なのです。
この付近では、海水の透明度が高く、32mにも達するそうです。

玄海で港とすれば、「クロソ」は「玄氏の曾」だろうと見当がつきます。
「玄曾」などという地名ではなく、「先祖の玄氏の港」ならすべての条件を満たしています。
そこで、船溜(ふなだまり)になる入江をもった土地の探索に向かいました。
これは、任天堂スイッチのゲーム、ホグワーツ・レガシイの影響でしょうか、箒(ほうき)に跨って地形を探索しまくっていたので、簡単ではないですが、すぐに気球を撃ち落とすことができるようになりました。(若い魔女ならともかく、きたねぇジジイが箒に乗って飛ぶところを想像させるなっての!)
これ、スイッチ版はPSからの移植だと思われ、空を飛ぶ都合上、大きなマップデータを直接引いているようです。
まあ、開発ツールの都合だと思いますので、これをスイッチに移植したときに、スイッチの開発ツールに上手に展開できなかったのでしょう。
部屋を出る、店に入るだけでも、やたらとロードに時間がかかるので、往生します。

探索すべきはミヤ(神社)なのです。
見つけました、ここです。


この、上の拠点記号は淀姫神社、下の記号は値賀神社。

値賀神社(ちかじんじゃ)
佐賀県東松浦郡玄海町大字普恩寺375
33.504741,129.844215

祭神
伊弉諾尊
伊弉冉尊
素盞鳴尊
埴安姫命
大山祇命
天忍穂耳尊
菅原道真

標高 65m
利用河川 今村川


佐賀県のリポジトリに弥生遺跡の記述もあるし
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji0031880/3_1880_17559_up_r1tmqixp.pdf
考古学者でも、弥生時代に興味を持つ人は少なく、縄文のような華やかさはありません。
まあ、私は考現学(こうげんがく)で推理しているので、どーでもいい、と言えなくもないけど。

残念なのは、佐賀県は戦国以降の歴史で、古代を上書きされてしまって、素直に解釈しずらくなっているのです。
淀姫(よどひめ)が誰なのは誰もしらないけど、淀姫神社(よどひめじんじゃ)は県内に多数ありますが、ウツキネの時代に、枯らされてしまった残念賞として、淀姫の本貫地(ほんがんち)に贈られたものなのです。

上の地図でも、門前、下宮、下場溜など、弥生時代の名残の地名としか言いようが無いのです。
かつて、この地が豊国主(とよくんぬ)の一門の重要な拠点だったことを物語っています。

現代の日本では、ちょっと大きな遺跡があると、すわ、邪馬台国!とさわぎたてるのですから、困ったものです。
邪馬台国は日本国内にはありません。
邪馬台国が列島内に存在したという証拠はひとつも無いのです。

私が、考現学から入る、と言っているのは伊達(だて)ではなく、山住みの拠点は、近代の人には馴染み辛く、言いようもなく過疎になっているのです。
地域によっては、現代の水道施設になっているところもあり、これもアメ族の特徴のひとつなのです。

その理由は、乾田と畑に適した地形であり、小高い場所に位置しており、キミは山の手に、乾田の作業をする人々は比較的低いところに住んでいたことによります。
灌漑がされるようになってからは、水田の圃場は水はけのよい中高地で、水源より低いところでなくてはならないため、優遇されてきたのです。
時代が下ってから、下付された公地は重税によって搾り取られることになります。
中央の君主は、わざわざ、実入りの少ない低価値地に人手を入れて耕作させるでしょうか?
答えは否です。
現代になっても、元、天領だったところは地価が上昇しづらく、地上げが簡単で、これまで見てきた原発(原子力発電所)の立地に最適だったのです。
この値賀神社の北西、わずか1.5kmの位置に九州の電力の3割をまかなっている玄海原発があるのです。
淀姫神社にあっては、1km弱なのです。

上の地図に記されている玄海原発もそんな立地を負っているのです。
2010年12月にこの3号機は定期点検のための人為的停止状態にありましたが、翌2011年の311以降、全国の総ての原発は停止され、そのまま廃炉になるか、と思われていたのですが、あの九電の粘り勝ちということで、2018年3月23日に玄海3号機は無理矢理、再稼働されたのです。
各社のニュースがわかりずらく、リアクタを起動したのがいつかはわかりません。
しかし、再稼働から7日しかたっていない3月30日に外部配管に1cmの穴があき、蒸気漏れが起こったことから、発電タービンを止め、リアクタだけが運転している状態になったのです。
その後、配管を修理し、発電を再開して現在に至っているのです。
もっとも、この3号機はMOX燃料を使ったプルサーマル運転をしていたことが特徴的でしたが、2023年でしょうか、プルサーマル運転の不採算から、ウラン運転に装荷(そうか)しなおしたそうです。


これは事故を起こした玄海原発、3号機、4号機。

どこかの原発が吹いて、日本人が皆焼け出されるまえに、原発周辺の遺跡を調べ上げたいですね。

さて、ウケステメのことを「西の母御上」と言っているのは、クシミカタマが、大陸の崑崙山の「西王母」の伝説を知っているからに他なりません。

●一行訳10

15-46 わがみゝも けがるゝあかお ワガミミモ ケガルルアカオ 【ワ、我・ガ(主格)・ミ(寧)ミ、身・モ(例)、私自身でも】、【ケガ、穢・ル(分詞)・ル(完了)・アカ、垢・オ(対格)、(これを聞いて)穢れの垢を】、
15-47 みそぎせし ながらふみちお ミソギセシ ナガラフミチオ 【ミ、水・ソ、濯・ギ(分詞)・セ、為・シ(分詞)、禊して清め】、【ナガ、長・ラ(継)・フ(分詞)・ミチ、道・オ(対格)、長らえる方法論は】、
15-47 よろこべハ かれおなけきて ヨロコベハ カレオナケキテ 【ヨロコ、喜・ベ(分詞)・ハ(仮定)、欲しいと思うのですから】、【カ、彼・レ(分詞)・オ(対格)・ナケ、嘆・キ(分詞)・テ(造格)、と、嘆いているので】、
15-47 みちさづく おもえいのちハ ミチサヅク オモエイノチハ 【ミチ、道・サヅ、授・ク(分詞)、解決策を授けました】。【オモ、想・エ(分詞)・イノチ、命・ハ(主格)、心得なさい・命は】、
15-47 みのたから ことわさもせな ミノタカラ コトワサモナセ 【ミ、身・ノ(生格)・タカラ、宝、身の宝(です)】、【コト、言・ワサ、業・モ(例)・ナ、成・セ(分詞)、諺にも、在ります】。
15-48 ヨロきみも ヒとりいのちの ヨロキミモ ヒトリイノチノ 【ヨ〔百〕ロ〔万〕キミ、君・モ(例)、百万の(人々の上に立つ)君で・も】、【ヒト、独・リ(分詞)・イノチ、命・ノ(生格)、おのずと命の】、
15-48 かわりなし ときこぬかれハ カワリナシ トキコヌカレハ 【カワ、代・リ(分詞)・ナ、無・シ(分詞)、代わりは有りません】。【トキ、時・コ、来・ヌ(否定)・カ、枯・レ(分詞)・ハ(主格)、適切でない、死に様は】、
15-48 くるしみて たまのヲみたれ クルシミテ タマノヲミタレ 【クル、苦・シ(自発)ミ(分詞)テ、(貴人であっても)障害に会い】、【タマ、霊・ノ(生格)・ヲ〔緒〕・ミタ、乱・レ(分詞)、霊の緒が縺れて】、
15-48 アにアえず よあひたもちて アニアエズ ヨアヒタモチテ 【ア〔天〕・ニ・ア〔天〕エ(分詞)・ズ、貴い死に方ができません】。【ヨ、良・アイ、相・タモ、保・チ(分詞)・テ(態)、良い関係を保ちながら】、
15-49 アにあがる ときハたのしみ アニアガル トキハタノシミ 【ア〔天〕・ニ(与格)・ア、上・ガ(分詞)・ル(不完)、死に上がる】、【トキ、時・ハ(生格)・タノ、楽・シ(分詞)・ミ(態)、時には快く(仙道の極意)】、
15-49 まかるなり これこゝなしの マカルナリ コレココナシノ 【マカ、罷・ル(分詞)・ナ、也・リ(分詞)、死んでゆくのが良いのです】。【コ、此・レ(分詞)・ココ、菊・ナ、成・シ(分詞)・ノ(生格)、それは、菊の花の】、
15-49 ときまちて かるゝにほひも トキマチテ カルルニホヒモ 【トキ、時・マ、待・チ(分詞)テ(造格)、季節に似て】、【カ、枯・ル(分詞)・ル(不完)・ニホ、匂・ヒ(分詞)・モ(例)、枯れた匂いでさえ(さわやかなように)】、
15-49 ヒとのみも すがかてはみて ヒトノミモ スガカテハミテ 【ヒ〔仁〕ト、人・ノ(生格)・ミ、身・モ(例)、貴人の身も同じで】、【スガ、清・カテ、糧・ハ、喰・ミ(分詞)・テ(態度)、清浄な食事を摂り】、
15-50 ヨろほゑて かるゝにほひも ヨロホヱテ カルルニホヒモ 【ヨ〔百〕ロ、万・ホ、穂・ヱ、得・テ(態)、長生きし】、【カ、枯・ル(分詞)・ル(完了)・ニホ、匂・ヒ(分詞)・モ(例)、(穢れなく)枯れた匂いも】、
15-50 こゝなしぞ おもむろすぐに ココナシゾ オモムロスグニ 【ココ、菊・ナシ、花・ゾ(願望)、菊の花のようでありたいものです】。【オモ、亡・ムロ、躯・スグ、直・ニ(造格)、亡躯も・ただちに】、
15-50 かんかたち がしゝハくさく カンカタチ ガシシハクサク 【カン、神・カタチ、形、神の姿でありたいのです】。【ガ、穢・シシ、肉・ハ(主格)・クサ、臭・ク(態)、穢れた肉は臭く】、
15-50 ヲもみだれ とくハアらひみ ヲモミダレ トクハアラヒミ 【ヲ〔緒〕・モ(例)・ミダ、乱・レ(分詞)、霊の緒も縺れ】、【ト、解・ク(分詞)・ハ(造格)・ア〔天〕ラ、洗・ヒ(分詞)・ミ、身、 解決するには入浴が良く】、
15-51 ウルとナも こゝなヒつきの ウルトナモ ココナヒツキノ 【ウ〔央〕、日・ル〔光〕・ト(並立)・ナ〔菜〕・モ(例)、日光と菜も】、【コ、子・コ、々・ナ(造格)・ヒ〔日〕・ツキ、付・ノ(生格)・子孫を育む日に基づく】、
15-51 みたねゆえ くえハめのたま ミタネユエ クエハメノタマ 【ミ(寧)・タネ、胤・ユエ、故、結実なのですから】、【ク、喰・エ(分詞)・ハ(条件)・メ、雌・ノ(生格)タマ、霊、食べると雌の作用が】、
15-51 あきらかに あひもとむなり アキラカニ アヒモトムナリ 【アキラ、明・カ(態)・ニ(生格)、間違いなく(発揮され)】、【ア、相・ヒ(分詞)・モト、求・ム(分詞)・ナ也・リ(分詞)、相求めるのです】。
15-51 アめのみち なすヒとかみと アメノミチ ナスヒトカミト 【ア〔天〕メ・ノ(生格)・ミチ、道、天道(てんとう)を】、【ナ、為・ス(分詞)・ヒ〔仁〕ト、人・カミ、神・ト、実践する貴人は神と】、
15-52 あひもとむ ゆえにこゝなし アヒモトム ユエニココナシ 【ア、相・ヒ(分詞)・モト、求・ム(分詞)、相求めるのです】。【ユエ、故・ニ(生格)・コ、子・コ、々・ナ、為・シ(分詞)、それゆえ子を愛するように】、
15-52 めつむこれかな メツムコレカナ 【メ、愛・ツ(分詞)・ム(理由)・コ、此・レ(分詞)・カナ、哉、愛したいと云う理由なのです】。


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●連続訳10
私自身でも、これを聞いて穢れの垢を、禊して清め、長らえる方法論は、欲しいと思うのですから、と、嘆いているので、解決策を授けました。
心得なさい、命は、身の宝です、諺にも、在ります。
百万の人々の上に立つ君でも、おのずと命の代わりは有りません。
適切でない、死に様は、貴人であっても障害に会い、霊の緒が縺れて、貴い死に方ができません。
良い関係を保ちながら、死に上がる時には快く(仙道の極意)、死んでゆくのが良いのです。
それは、菊の花の、季節に似て、枯れた匂いでさえ爽やかなように、貴人の身も同じで、清浄な食事を摂り、長生きし、穢れなく枯れた匂いも、菊の花のようでありたいものです。
亡躯も、ただちに、神の姿でありたいのです。
穢れた肉は臭く、霊の緒も縺れ、 解決するには入浴が良く、日光と菜も、子孫を育む日に基づく、結実なのですから、食べると雌の作用が、間違いなく発揮され、相求めるのです。
天道(てんとう)を、実践する貴人は神と、相求めるのです。
それゆえ子を愛するように、菊の花を愛したいと云う理由なのです】。

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●解説10

ここで、「カレオナゲキテ」の「カレ」は、直訳すれば、「彼」ですが、ここでは現代語の「と、」とするのが適切でしょう。
「ヨロキミモ」は「百万人のキミ」と訳してはダメで、キミが百万人も居たら、収集がつかないでしょう。
正確には、「百万の人の上に立つキミも」なのです。
長々と、アメ族の御家の万事(よろず)について語っているのですが、読む人が間違いやすいように、文法を駆使しているクシミカタマは、日本のマークトゥエインと呼べる、意地悪な天才ですね。

天道虫(てんとうむし)、と云うのは、私は、幼い頃「点が十個あるから」だと思っていましたが、普通のテントウムシは7個、ジャガイモを喰い荒らすニジュウヤホシテントウは、小さな点が28個あるのですね。
仙道(せんとう)は世捨て人に、天道(てんとう)は邦の長に実践されていたのですね。

さて、15アヤはこれで終わりですが、ここまで来て、菊の花になぞらえて、最初のクマノクスヒの疑問に答えているのですね。


さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
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