シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その368〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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今回はホツマツタヱ4アヤの解説、そのPart3をやります。

単刀直入に本文から。

●一行訳5

4-22 したつゆお すえバたがひに シタツユオ スエバタガヒニ 【シタ、舌・ツ・ユ、愉・オ、舌の愉、軽妙な語らい、睦言を】、【ス、据・エ(分詞)・バ・タガ、互・ヒ(分詞)・ニ、(話題に)据えれば互いに】
4-22 うちとけて たましまかわの ウチトケテ タマシマカワノ 【ウ、打・チ(分詞)・ト、解・ケ(分詞)・テ(仮属詞)、打ち解けて】、【タマ、霊・シマ、府・カワ、側・ノ、子の宿りの】、
4-22 うちみやに やとるこたねの ウチミヤニ ヤトルコタネノ 【ウチ、内・ミヤ、宮・ニ、内宮である子宮に】、【ヤト、宿・ル(分詞)・コ、子・タネ、胤・ノ、宿る子胤の】
4-22 とつぎのり こおとゝのふる トツギノリ コオトトノフル 【ト、門・ツ、継・ギ(分詞)・ノリ、則、門継則は】、【コ、子・オ・トトノ、整・フ(分詞)・ル(目的)、(多くの)子を整える(方法論で)】、
4-23 とこみきハ くにうむみちの トコミキハ クニウムミチノ 【トコ、床・ミ、身・キ、酒・ハ、床身酒は】、【クニ、国・ウ、多・ム(分詞)・ミチ、道・ノ、多くの国を治める手立ての】、
4-23 ヲしゑぞと かくましわりて ヲシヱゾト カクマシワリテ 【ヲシ、教・ヱ(分詞)・ゾ(強調)・ト(仮属詞)、教えである、と】。【カ、斯・ク(分詞)・マシワ、交・リ(分詞)テ、このようにして交わって】、
4-23 はらめとも トつきにうまず ハラメトモ トツキニウマズ 【ハラメトモ、孕んだのですが】、【ト〔十〕ツキ、月・ニ・ウ、生マ(分詞)・ズ(否定)、十月目には生まれず】、
4-23 としつきお ふれともやはり トシツキオ フレトモヤハリ 【トシ、歳・ツキ、継・オ、年末(ここでは6月末)を】、【フ、経・レ(分詞)・ト(態)モ(例)・ヤ、矢・ハ、張・リ(分詞)、経ても、(夏越の頃)やはり、(ヒヨルコのときのように)】、
4-24 やめるかと こゝろいためて ヤメルカト ココロイタメテ 【ヤ、病・メ(分詞)・ル(推量)・カ(反語疑問)・ト(仮属詞)、病めるのではないかと】、【ココロ、心・イタ、痛・メ(分詞)・テ(仮属詞)、(さまざまに)心を痛めましたが】、
4-24 コソムつき やゝそなわりて コソムツキ ヤヤソナワリテ 【コ〔九〕ソ〔十〕ム〔六〕ツキ、月、前年である六月末】、【ヤヤ、稍・ソナ、備・ワ(分詞)・リ(受身)テ(態)、ようやく期が満ちたようで】、
4-24 アれませる あまてるかみぞ アレマセル アマテルカミゾ 【ア、在・レ(分詞)・マ、坐・セ(受身)・ル(完了)、お生まれになったのが】、【アマ、雨・テ、照・ル(分詞)・カミ、上・ゾ(強調)、(雨亜族の長)アマテルの御上なのです】。
4-24 ふソヒすゞ モゝフソヰゑた フソヒスズ モモフソヰヱタ [フ、二・ソ〔十〕ヒ〔一〕スズ、鈴、二十一鈴]、【モ〔百〕モ(連)フ〔二〕ソ〔十〕ヰ〔五〕ヱタ、枝、百二十五枝】、
4-25 としきしゑ はつヒほのほの トシキシヱ ハツヒホノホノ 【トシ、歳・キシヱ、丙午の歳】、【ハツ、初・ヒ〔日〕・ホノホノ(態)、初日がほのぼのと(新年の7月1日)】、
4-25 いつるとき ともにあれます イツルトキ トモニアレマス 【イ、出・ツ(分詞)・ル(不完)・トキ、時、出る時】、【トモ、共・ニ・ア、在・レ(分詞)・マ、坐・ス、(日と)共にお生まれになった】、
4-25 みかたちの まとかのたまご ミカタチノ マトカノタマコ 【ミ(寧)カタチ、形・ノ、(その)形状は】、【マト、丸・カ(分詞)・ノ・タマ、玉・コ、子、丸い卵のような】、
4-25 いぶかしや うをやをきなの イブカシヤ ウヲヤヲキナノ 【イブ、訝・カ(分詞)・シ(使役)・ヤ(反語詠嘆)、也、不思議さだったのです】。【ウ、大・ヲ〔敬〕ヤ、親・ヲキナ、翁・ノ、祖父の】、
4-26 やまずみが ことほぎうたふ ヤマズミガ コトホギウタフ 【ヤマ、山・ズ、住・ミ(分詞)・ガ、山住み(ここではトヨケ)が】、【コト、事・ホ、祝・ギ・ウタ、詠・フ(分詞)、寿ぎ詠います】。
4-26 むへなるや ゆきのよろしも ムヘナルヤ ユキノヨロシモ 【ムヘ、宜・ナ、也・ル(分詞)ヤ(反語順接)、もっともなことだが】、【ユ、悠・キ、紀・ノ・ヨロ、宜・シ(分詞)・モ(例)、天神の栄が】、
4-26 みよつきも よゝのさいわい ミヨツキモ ヨヨノサイワイ 【ミ(寧)ヨ、世・ツ、継・キ(分詞)・モ、(例)、御世継ぎによって】、【ヨ、代・ヨ、々・ノ・サイワ、幸・イ(分詞)、代々の幸い(として)】、
4-26 ひらけりと おほよすがらに ヒラケリト オホヨスガラニ 【ヒラ、開・ケ(分詞)リ(推量)ト(仮属詞)、開けたようだと】、【オホ、概・ヨ、夜・ス、終・ガ(分詞)・ラ(態)ニ、ほとんど夜通し】、
4-27 ことぶくも ミたびにおよふ コトブクモ ミタビニオヨブ 【コト、事・ブ、祝・ク(分詞)モ、寿くことも】、【ミ〔三〕・タビ、度・ニ・オヨ、及・ブ(分詞)三度に及ぶ(ほどでした)】。


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●連続訳5
舌の愉、軽妙な語らい(睦言)を、話題に、据えれば互いに、打ち解けて、子の宿りの、内宮である子宮に、宿る子胤の、門継則は、多くの子を整える(方法論で、床身酒は、多くの国を治める手立ての、教えである、と。
このようにして交わって、孕んだのですが、十月目には生まれず、年末(ここでは6月末)を、経ても、(夏越の頃)やはり、ヒヨルコのときのように、、病めるのではないかと、さまざまに心を痛めましたが、前年である六月末、ようやく期が満ちたようで、お生まれになったのが、雨亜族の長、アマテルの御上なのです。
二十一鈴、百二十五枝、丙午の歳、初日がほのぼのと(新年の7月1日)、出る時、日と共にお生まれになった、その形状は、丸い卵のような、不思議さだったのです。
祖父の翁である、山住み(ここではトヨケ)が、寿ぎ詠います。
もっともなことだが、天神の栄が、御世継ぎによっても、代々の幸いとして、開けたようだと、ほとんど夜通し、寿くことも、三度に及ぶほどでした。

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●解説5
舌の愉(したつゆ)を舌の露、あるいは下の露と読んでしまった人は、まんまとクシミカタマのワナにはまってしまったのです。

毎度、おなじみ、クシミカタマの、「皆が下世話な読み方をしてくれると、うれしいな、るんるん♪」というワケです。
これが、2アヤの「〜その363〜」で書いた、クシミカタマのワナなのです。

この部分は数詞にも仕掛けがあり、夏越えの祓いの時期であり、花の歳と穂の歳がきりかわっているので、6月じゃ前年、7月は新年なのですよ、これが。
前年を「こぞ」と言っていますが、「むつき」も6が数詞なので、文法的には正しく「こぞ」も数詞にしているのです。
アマテルの長孕みとして有名ですが、96ヶ月も妊娠期間があったら、そりゃ、オカしいですよね。
これを読み解いた人はいなかったのではないでしょうか?
こうして、クシミカタマの「るんるんるん♪」が続いているのです。


●一行訳6

4-27 ゆきよろし ヒとのとわしの ユキヨロシ ヒトノトワシノ 【ユ、悠・キ、紀・ヨロ、宜・シ[砌]、(こ、これは)天神のめでたさか】?【ヒ〔人〕ト・ノ・ト、問・ワ(分詞)、シ(再帰)ノ、貴人達の問の】、
4-27 こたゑにも とよけのかみの コタヱニモ トヨケノカミノ 【コタ、応・ヱ(分詞)・ニ・モ(例)、答えにも】、【トヨ、豊・ケ、餉・ノ・カミ、上・ノ、トヨケの御上の】、
4-27 ヲしゑあり さわるいそらの ヲシヱアリ サワルイソラノ 【ヲシヱアリ、導きがあるではないか】、【サワ、障・ル(分詞)・イ、異・ソラ、空・ノ、異郷者の障りがあっても】、
4-28 みそぎにて ゑなのかこみハ ミソギニテ ヱナノカコミハ 【ミソギニテ、身添ぎ(話し合い)をすることで】【ヱ、衛・ナ、名・ノ・カコ、囲・ミ(分詞)・ハ、胞衣の囲み(に衛名を掛ける)が】、
4-28 おのころの たまことならハ オノコロノ タマコトナラハ 【オノ、己・コ、凝・ロノ、自然と凝る】、【タマ、玉・コ、子・ト(態)・ナ、成・ラ(分詞)・ハ(仮属詞)タマゴの形をとったのは】、
4-28 ゆきよろし たまのいわとお ユキヨロシ タマノイワトオ 【ユ、悠・キ、紀・ヨロ、宜・シ、天神の護りに違いない】。【タマ、君・ノ・イワ、祝・ト、言・オ、キミの祝言を】、  
4-28 ひらけとて いちゐのはなの ヒラケトテ イチヰのハナノ 【ヒラ、陳・ケ(分詞)ト(態)テ(仮属詞)、述べるように】、【イチ、一・ヰ、位・ノ・ハナ、花・ノ、一位の花の】、
4-29 さくもちて いまこそひらく サクモチテ イマコソヒラク 【サク、笏・モ、以・チ(分詞)・テ、笏で】、【イマ、今・コソ(強調)・ヒラ、開・ク(分詞)、今こそ開く】、
4-29 アまのとや いつるわかヒの アマノトヤ イツルワカヒノ 【ア〔敬〕マ、ノ・ト、門・ヤ、也、雨の一門だ】。【イ、出・ツ(分詞)・ル(不完)・ワカ、若・ヒ〔日〕・ノ、日の出の朝日が】、
4-29 かゝやきて しらやまヒめハ カカヤキテ シラヤマヒメハ 【カカヤ、輝・キ(分詞)・テ、輝いて】、【シラ、白・ヤマ、山・ヒ〔人〕メ、媛・ハ、シラヤマヒメは】、
4-29 うぶゆなす あかヒこくわに ウブユナス アカヒコクワニ 【ウブ、産・ユ、湯・ナ、為・ス(分詞)、産湯を奉りました】。【アカ、赤・ヒコ、彦・クワ、桑・ニ、アカヒコ(蚕)に桑を与えて】、
4-30 ひくいとお なつめがおりて ヒクイトオ ナツメガオリテ 【ヒ、引・ク(分詞)・イト、糸・オ、引いた糸を(紡ぎ)】、【ナ、慣・ツ・メ、女・ガ・オ、織・リ(分詞)・テ(仮属詞)、養育係が織って】、
4-30 うぶきぬの みはたてまつる ウブキヌノ ミハタテマツル 【ウブ、産・キヌ、衣・ノ、柔らかく撚りの浅い糸で】、【ミ(寧)ハ、衣・タテマツ、奉・ル(分詞)、御衣を作り奉りました】。
4-30 たらちめの つかれにちしる タラチメノ ツカレニチシル 【タ、父・ラ、母・チ、道・メ、女・ノ、生みの母は】、【ツカ・疲・レ(分詞)・ニ・チ、乳・シル、汁、疲れで乳の出が】、
4-30 ほそけれハ ホいゐのかみの ホソケレハ ホイヰノカミノ 【ホソ、細・ケ(分詞)・レ(理由)・ハ(仮属詞)、少なかったので】、【ホ〔穂〕・イ(継)・ヰ、飯・ノ・カミ、守・ノ、養育係の】、
4-31 みちつヒめ ちゝたてまつり ミチツヒメ チチタテマツリ 【ミ(寧)・チ、乳・ツ・ヒメ、姫、乳母姫が】、【チチ、乳・タテマツ、奉・リ(分詞)、乳を奉り】、
4-31 ひたすれど ひとみおとぢて ヒタスレド ヒトミオトヂテ 【ヒ、肥・タ、足・ス(分詞)・レド(逆接)、養育しましたが】、【ヒトミ、瞳・オ・ト、閉・ヂ(分詞)・テ(態)、瞳を閉じて】、
4-31 つきヒなや やゝはつアきの ツキヒナヤ ヤヤハツアキノ 【ツキ、月・ヒ〔日〕・ナ、七・ヤ、夜、その月のお七夜の日(7月7日に)】。【ヤヤ、稍・ハツ、初・アキ、秋・ノ、ようやく立秋の】、
4-31 もちのヒに ひらくヒとみの モチノヒニ ヒラクヒトミノ 【モチ、望・ノ・ヒ〔日〕・ニ、望(待望)の日に】、【ヒラ、開・ク(分詞)・ヒ〔人〕トミ、瞳・ノ、貴人の皇子となりました】。
4-32 しほのめハ たみのてふちの シホノメハ タミノテフチノ 【シホ、潮・ノ・メ、目・ハ(御上の)その純真な瞳に】、【タ、手・ミ、身・ノ・テ、手・フ、振・チ(分詞)・ノ、人々が手を振るって】、
4-32 よろこびに つかれもきゆる ヨロコビニ ツカレモキユル 【ヨロコ、喜・ビ(分詞)・ニ、喜んだので】、【ツカ、疲・レ(分詞)・モ(例)・キ、消・ユ(分詞)ル(完了)、(世継ぎが無いという長い苦悶の)疲れも消える】、
4-32 みめぐみや アめにたなびく ミメグミヤ アメニタナビク 【ミ(寧)・メグ、恵・ミ(分詞)・ヤ、也、大きな御恵みでした】。【ア〔天〕メ、空・ニ・タナ、棚・ビ、引・ク(分詞)、空にたなびく】、


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●連続訳6
こ、これは天神のめでたさか?
貴人達の問の、答えにも、トヨケの御上の、導きがあるではないか、異郷者の障りがあっても、身添ぎ(話し合い)をすることで、胞衣の囲み(に衛名を掛ける)が、自然と凝る、タマゴの形をとったのは、天神の護りに違いない。
キミの祝言を、述べるように、一位の花の笏で、今こそ開く雨の一門だ。
日の出の朝日が、輝いて、シラヤマヒメは産湯を奉りました。
アカヒコ(蚕)に桑を与えて、引いた糸を紡ぎ、養育係が織って、柔らかく撚りの浅い糸で、御衣を作り奉りました。
生みの母は、疲れで乳の出が、少なかったので、養育係の、乳母姫が、乳を奉り、養育しましたが、瞳を閉じて、その月のお七夜の日(7月7日に)、ようやく立秋の、望(待望)の日に、瞳を開、貴人の皇子となりました。
御上のその純真な瞳に、人々が手を振るって、喜んだので、世継ぎが無いという長い苦悶の疲れも消える、大きな御恵みでした。

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●解説6

アカヒコというのは、5アヤ「〜その176〜」で紹介している、「ヤママユ」というカイコガの一種で、弥生時代も「お蚕様」のように、命を提供してくれる経済動物を尊いものとして敬っているのです。

これはヤママユの成虫です。
色が赤っぽいので、アカヒコと呼ぶのでしょう。


これは普通のお蚕様、一名、かやの姫、色が白いからでしょうか。
これは野生の蚕を十代程、人工的に品種改良すると、もはや人手の介在なしでは繁殖することもできなくなるとか。
ゲノム編集でなくとも、実に罪深いはなしではありますが。(脱帽)

今回は、神谷宗幣氏と、いときょう氏のビデオを30本以上見てしまったので、疲れたのと、むかついたので、これ以上書くことができません。
明日以降、問題点を指摘したいと思います。
私は、神話ホツマも嫌いではないのですが、政治家にレクチャーするのは表現の自由の範囲を越えてしまっていますので、明日以降、徹底的に批判を加えたいと思います。
(私は神谷宗幣氏も嫌いではありません)


さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
http://hot-uma.bbs.fc2.com/