シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その300〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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今回はホツマツタヱ25アヤの解説、Part5をやります。

まずは本文から。

●一行訳9

25-42 いえハなお いかりてふねお イエハナオ イカリテフネオ 【イエ、言・ハ(結果)・ナオ(程度)、言うと・さらに】、【イカリ、怒・テ・フネ、船・オ、怒って船を】、
25-42 こぎいたす たまおなくれハ コギイタス タマオナクレハ 【コギ、漕・イ(継)タス、出、漕ぎ出しました】。【タマ、君・オ・ナクレ、詰・ハ、(結果)、キミをなじると】、
25-42 うみかわく しがおひゆきて ウミカワク シガオヒユキテ 【ウ、多・ミ、水・カワク、乾、乾いた砂に乗り上げ】、【シ、志・ガ、賀・オヒ、追・ユキ、行・テ(継続)、シガは追い続け】、
25-43 ふねにのる みやとびにぐる フネニノル ミヤトビニグル 【フネ、船。・ニ・ノル、乗、船に乗りました】。【ミヤ、宮・トビ、跳・ニグル、逃、キミは素早く逃げようとしました】。
25-43 やまくいも はせゆきみやの ヤマクイモ ハセユキミヤノ 【ヤマ、山・クイ、咋・モ、大将軍のヤマクイも】、【ハセ、馳・ユキ、行・ミヤ、宮・ノ、追いつき・宮が】、
25-43 ておひけバ しがまたなぐる テオヒケバ シガマタナグル 【テ、手・オ・ヒケ、引・バ(結果)、怯むと】、【シ、志・ガ、賀・マタ、又・ナグ、詰・ル(完了)、(キミともあろう方が逃げるとは、と)詰りました】。
25-43 たまのみづ あふれてすでに タマノミヅ アフレテスデニ 【タマ、君・ノ・ミヅ、情、キミの感情が】、【アフレ、溢・テ・スデ、既・ニ、激昂の後】、
25-44 しつむとき なんちたすけよ シツムトキ ナンチタスケヨ 【シツム、鎮・トキ、鎮まった時】、【ナンチ、汝・タスケ、輔・ヨ、汝(ヤマクイ)が補佐しなさい】、
25-44 われながく おとのこまして ワレナガク オトノコマシテ 【ワレ、我・ナガク、永、私はこれからずっと】、【オト、弟・ノ・コ、小・マ、間・シ、為・テ、弟の手助けをして】、
25-44 かてうけん こゝにゆるして カテウケン ココニユルシテ 【カテ、糧・ウケ、受・ン(意思)、公務に励もう】。【コ、此・コ、処・ニ・ユルシ、弛・テ、そこで、和解した時】、
25-44 むかひふね みやにかえりて ムカヒフネ ミヤニカエリテ 【ムカヒ、迎・フネ、船、迎えの船が来て】、【ミヤ、宮・ニ・カエリ、帰・テ、(鵜川の)ミヤに帰って】、
25-45 むつみてぞさる ムツミテゾサル 【ムツミ、睦・テ・ゾ(強調)サル、(これまで以上に)和やかに去っていきました】。
25-45 はてすみハ きみにもふさく ハテスミハ キミニモフサク 【ハテ、果・スミ、住・ハ、ハテスミは】、【キミ、君・ニ・モフサ、申・ク(婉曲)、キミに申して曰く】、
25-45 わがことて とよつみヒこと ワガコトテ トヨツミヒコト 【ワ、我・ガ・コ、子・トテ(婉曲)、私の子です・と】、【トヨ、豊・ツ・ミ、身・ヒ〔人〕コ、彦・ト、豊の国の若様と】、
25-45 とよたまめ たけすみヒこと トヨタマメ タケスミヒコト 【トヨ、豊・タマ、君・メ、媛、トヨタマヒメ】、【タケ、竹・スミ、住・ヒ〔人〕コ、彦・ト、タケスミの若様と】、
25-46 おとたまめ つれいてきみお オトタマメ ツレイテキミオ 【オト、弟・タマ、君・メ、媛、オトタマヒメを】、【ツレ、連・イ(継)・テ・キミ、キミ・オ、連れてキミ(ウツキネ)に】、
25-46 おかましむ きみハつくしの オカマシム キミハツクシノ 【オカマ、拝・シ(使役)ム(完了)、挨拶させました】。【キミ、君・ハ・ツク、筑・シ、紫・ノ、キミはツクシの】、
25-46 かみあつめ われつまいれん カミアツメ ワレツマイレン 【カミ、上・アツメ、集、御上達を集め】、【ワレ、我・ツマ、妻・イレ、入・ン(意思)、私は妻を入れようと思うが】、
25-46 もろいかん ときにほたかみ モロイカン トキニホタカミ 【モロ、諸・イ、如・カ、何・ン(意思)、皆はどう思うか】?【トキ、時・ニ・ホ、穂・タカ、高・ミ、身、(当代カナサキの子)ホタカミは】、
25-47 もふさくハ さきにこふとき モフサクハ サキニコフトキ 【モフサ、申・ク(婉曲)ハ、申しますことは】、【サキ、前・ニ・コフ、請・トキ、時、以前子細を伺った時に】、
25-47 きみのなも つくしのをきみ キミノナモ ツクシノヲキミ 【キミ、君・ノ・ナ、名・モ、キミは・その名を】、【ツク、筑・シ、紫・ノ・ヲ〔敬〕、央・キミ、君、ツクシのヲキミだと言われました】。
25-47 これこゝの アまつかみなり コレココノ アマツカミナリ 【コレ、此・コ、此・コ、処・ノ、それはここ、ツクシの〕、【ア〔天〕・マ、間・ツ・カミ、上・ナリ、也、アメの公僕としての御上なのです】。
25-47 おまかせに むかしはゝきみ オマカセニ ムカシハハキミ 【オ(寧)マカセ、任・ニ、(我らに)おまかせ下さい】。【ムカシ、昔・ハハ、母・キミ、君、昔母君(アシツヒメ)は】、


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●連続訳9
言うと、さらに、怒って船を、漕ぎ出しました。
キミをなじると、乾いた砂に乗り上げ、シガは追い続け、船に乗りました。
キミは素早く逃げようとしました。
大将軍のヤマクイも、追いつき、宮が怯むと、シガは、「キミともあろう方が逃げるとは」と詰りました。
キミの感情が、激昂の後、鎮まった時、「汝(ヤマクイ)が補佐しなさい、私はこれからずっと、弟の手助けをして、公務に励もう」。
そこで、和解した時、迎えの船が来て、鵜川のミヤに帰って、これまで以上に和やかに去っていきました。
ハテスミは、キミ(ウツキネ)に申して曰く、私の子です、と、豊の国の若様と、トヨタマヒメ、タケスミの若様と、オトタマヒメを、連れてキミ(ウツキネ)に、挨拶させました。
キミはツクシの、御上達を集め、私は妻を入れようと思うが、皆はどう思うか?
そこで、当代カナサキの子ホタカミが、申しますことは、以前子細を伺った時に、キミは、その名を、ツクシのヲキミだと言われました。
それはここ、ツクシの、アメの公僕としての御上なのです。
我らにおまかせ下さい。
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●解説9

〜その54〜」を書いた頃はほとんど読めたぁ!なんて思っていたのですが、ぜんぜんダメでしたね。

最近になって、「タマ」は「キミ」と同じ意味でつかわれていることに気づきました。

「タマ、君・オ・ナクレ、詰・ハ、(結果)」
したがって、キミを詰(なじ)っているのです。

「シ、志・ガ、賀・マタ、又・ナグ、詰・ル(完了)、(キミともあろう方が逃げるとは、と)詰りました」
も同様ですが濁音法については不明です。

これらの表現は、動詞が他動詞、または自動詞、つまり、オペランドをとるか、あるいはインプライドか、吟味しなくてはならない、ということなのです。

以前は「タマナグル」は「言霊を投げる」だと思っていたのですから、大間違いですね。


●一行訳10

25-47 おまかせに むかしはゝきみ オマカセニ ムカシハハキミ 【オ(寧)マカセ、任・ニ、(我らに)おまかせ下さい】。【ムカシ、昔・ハハ、母・キミ、君、昔母君(アシツヒメ)は】、
25-48 アまきみに ヒとよちきりて アマキミニ ヒトヨチキリテ 【ア〔天〕・マ、間・キミ、君・ニ、アマキミに】、【ヒ〔一〕ト(類)ヨ、夜・チキリ、契・テ、一夜の契で縁を結び】、
25-48 のちにめす きみまづはかる ノチニメス キミマヅハカル 【ノチ、後・ニ・メス、召、後に(后として)召されましたが】、【キミ、君・マヅ、先・ハカル、諮、キミ(ウツキネは)まず臣に諮られました】、
25-48 なおよしと かこしまみやに ナオヨシト カコシマミヤニ 【ナオ、尚・ヨシ、良・ト、尚優れています、と讃え】、【カ、鹿・コ、児・シマ、島・ミヤ、宮・ニ、カゴシマミヤ(現鹿児島県霧島市隼人町内2496鹿児島神宮)に】、
25-48 うつります とよたまヒめお ウツリマス トヨタマヒメオ 【ウツリ、移・マス、坐、移住されました】。【トヨ、豊・タマ、君・ヒメ、媛・オ、トヨタマヒメを】、
25-49 みきさきに すけうちしもめ ミキサキニ スケウチシモメ 【ミ(寧)キサキ、后・ニ、真后として】、【スケ、輔・ウチ、内・シモ、下・メ、姫】、
25-49 フたりづゝ ムつぼねもなり フタリヅツ ムツボネモナリ 【フ〔二〕タ(類)リ、人・ヅツ(態)ふたりづつ】、【ム、胸・ツボネ、局・モ・ナリ、也、それぞれ局も出来】、
25-49 とゝのえハ そのあすみかに トトノエハ ソノアスミカニ 【トトノエ、整・ハ、整ったので】、【ソ、其・ノ・アス、翌・ミ(寧)カ、日・ニ、その翌日に】、
25-49 とよすみが たまかさそろえ トヨスミガ タマカサソロエ 【トヨ、豊・スミ、住・ガ、トヨスミが】、【タ、手・マ、間・カサ、笠・ソロエ、揃、(民の被る)日笠を揃え】、
25-50 たまゝりも むたりにもたせ タママリモ ムタリニモタセ 【タマ、珠・マリ、椀・モ、タママリも】、【ム、胸・タ(類)・リ、人・ニ・モタ、持・セ(使役)、それぞれに持たせ】、
25-50 みつさゝぐ こえおそろえて ミツササグ コエオソロエテ 【ミツ、水・ササ、捧・グ(完了)、水を捧げました】。【コエ、声・オ・ソロエ、揃・テ、声を揃えて】、
25-50 ももヒなぎ まくばいのちの モモヒナギ マクバイノチノ 【モモ、桃・ヒナ、雛・ギ、兄、モモヒナギの】、【マ、間・ク(類)バイ、這・ノチ、後・ノ、アマキミの即位の後の】、
25-50 みかのヒの かわみつあびて ミカノヒノ カワミツアビテ 【ミ(寧)カ、日・ノ・ヒ・ノ、記念日の】、【カワ、川・ミツ、水・アビ、浴・テ、川水を浴びた事にならい】、
25-51 うびちにの かみからしもゑ ウビチニノ カミカラシモヱ 【ウ、多・ビチニ、濡・ノ、ウビチニの】、【カミ、上・カラ、自・シモ、下・ヱ、会、昔からの習わしで】、
25-51 はなむこにみつ ハナムコニミツ 【ハナ、花・ムコ、婿・ニ・ミツ、水、花婿に水を】、
25-51  まいらせふ まいらせふ マイラセフ マイラセフ 【マイラ、参・セ(使役)フ(強調)奉りましょう】、【マイラ、参・セ(使役)フ(強調)奉りましょう】。
25-51 このときに ミソフあかたの コノトキニ ミソフアカタノ 【コ、此・ノ・トキ、時・ニ、この時に】、【ミ〔三〕ソ〔十〕フ〔二〕アカタ、県・ノ、三十二県の】、
25-52 かみうたい ヨろとたのしむ カミウタイ ヨロトタノシム 【カミ、上・ウタイ、歌、御上が歌い】、【ヨ〔百〕ロ、万・ト・タノシ、楽・ム(完了)、万民と楽しんだのです】。
25-52 しかるのち さきのみゆきの シカルノチ サキノミユキノ 【シカル、然・ノチ、後、その後】、【サキ、先・ノ・ミ(寧)ユキ、行・ノ、先帝(ニニキネ)の御幸による】、
25-52 いせきみな みこゝろそえて イセキミナ ミココロソエテ 【イ(継)セキ、堰・ミナ、皆、井堰はすべて】、【ミ(寧)ココロ、心・ソエ、沿・テ、(先帝の)御心に沿って】、
25-52 にいたなす つくしミソフの ニイタナス ツクシミソフノ 【ニイ、新・タ、手・ナス、成、新しい拠点を造ったのです】。【ツク、筑・シ・紫・ミ〔三〕ソ〔十〕フ〔二〕・ノ、ツクシの32(県)を】、


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●連続10
昔母君(アシツヒメ)は、アマキミ(ニニキネ)に、一夜の契で縁を結び、後に后として召されましたが、キミ(ウツキネは)まず臣に諮られました、これは尚優れています、と讃え、カゴシマミヤ(現鹿児島県霧島市隼人町内2496鹿児島神宮)に、移住されました。
トヨタマヒメを、真后として、輔妃、内妃、下姫を、ふたりづつ、それぞれ局も出来、整ったので、その翌日に、トヨスミが、民の被る日笠を揃え、タママリも、それぞれに持たせ、水を捧げました。
声を揃えて、モモヒナギの、アマキミの即位の後の、記念日の、川水を浴びた事にならい、ウビチニの、昔からの習わしで、花婿に水を、奉りましょう、奉りましょう。
この時に、三十二県の、御上が歌い、万民と楽しんだのです。
その後、先帝(ニニキネ)の御幸による、井堰はすべて、先帝の御心に沿って、新しい拠点と成ったのです。

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●解説10
文法的に見てほしいのは一行訳の、

3つの妃の位で、それぞれふたりづつで局が6つと読んだら間違いなのです。
局は常に東西南北の4つなのですから。
ここでは「胸」という字を当ててありますが、これは「それぞれ」という意味なのです。

「フ〔二〕タ(類)リ、人・ヅツ(態)ふたりづつ、ム、胸・ツボネ、局・モ・ナリ、也、それぞれ局も出来」

「ム、胸・タ(類)・リ、人・ニ・モタ、持・セ(使役)、それぞれに持たせ」

また、助詞の使い方も注意せねばなりません。

「カミ、上・カラ、自・シモ、下・ヱ、会、昔からの習わしで」というところですか。
現代語で「へ」と表現する場合は「え」になるのですが、ここでは「ゑ」なので、ちょっと違っています。



これは現代の鹿児島神宮、かつてのカゴシマミヤです。

鹿児島神宮(かごしまじんぐう)
鹿児島県霧島市隼人町内2496
31.753733,130.737841

祭神
天津日高彦火火出見尊(あまつひだかひこほほでみのみこと)
豊玉比売命(とよたまひめのみこと)

標高 33m
利用河川 天降川(あもりがわ)


これは現代のものですが、中央のミヤだけあって、なかなかのものですね。
忘れてはならないことは、これが物部のネットワークの上に成り立っていた、ということなのです。



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