今回はホツマツタヱ17アヤの解説、Part6をやります。
漢字一文字による注釈を拡張してより多くの情報を抽出するようにしたので、一行訳文の意味の確度が飛躍的に向上しています。
機械翻訳の可能性に、また一歩近づいた、ということですね。
●一行訳15
17-64 | かよえると たとえバくせと | カヨエルト タトエバクセト 【カヨエル・ト、働きかけるのです】。【タトエ、例・バ・クセ、曲・ト、人、たとえば悪人が】、 |
17-64 | まいなひて さかゐまさんお | マイナヒテ サカヰマサンオ 【マヒナヒ・テ、賄賂を使って】、【サカ、盛・ヰ、威、・マサ、増・ン(意思)・オ、権力を強めよう・とすれば】、 |
17-65 | とみもほし とりひきまして | トミモホシ トリヒキマシテ 【トミ、臣・モ・ホシ、欲、臣も欲にかられ】、【トリ・ヒキ・マシテ、(権能の)力が増して】、 |
17-65 | よろこべハ へりにくむたみ | ヨロコベハ ヘリニクムタミ 【ヨロコベ・バ、上手くいきます・が】、【ヘリ、損・ニク、憎・ム・タミ、民、損失を被って不満を持つタミが】、 |
17-65 | またつよく ねかえハいかる | マタツヨク ネカエハイカル 【マタ、さらに・ツヨク、強く】、【ネカエ、願・ハ・イカル、怒、訴え出ると】、 |
17-65 | とものおみ せまるおゑらみ | トモノオミ セマルオエラミ 【トモ、共・ノ・オミ、臣、共犯の臣が】【セマル、脅・オ・エラ、辛・ミ(理由)、脅すのに負けて】、 |
17-66 | わけかえす めくみよろこふ | ワケカエス メクミヨロコフ 【ワケ、協・カエス、還、協定を無効化することになり】【メクミ、得・ヨロコフ、満、利得を良しとする(者と)】、 |
17-66 | まけにくむ きみめすおそれ | マケニクム キミメスオソレ 【マケ、損・ニクム、厭、損失を厭う】、【キミ、君・メス、召・オソ、慮・レ、国御守を召喚するかもしれません】。 |
17-66 | たゝされて かるゝかなしさ | タタサレテ カルルカナシサ 【タダサレテ、糾され】、【カル・ル・カナシサ、断罪される不満は】、 |
17-66 | もろこえと きみのいかりに | モロコエト キミノイカリニ 【モロコエト、(処分が軽いことを)皆が望みますが】、【(中央の)キミ・ノ・イカリ・ニ、中央のキミの怒りは】、 |
17-67 | まだゆりず かなしきのちの | マダユリズ カナシキノチノ 【マダユリズ、まだ、許さずに】【カナシキ・ノチノ、悔やまれることはあったが、結局】 |
17-67 | いさおしと もろがもらえバ | イサオシト モロガモラエバ 【イサオシ、功・ト(タミにとって)良い状態になり】、【モロ、全・ガ・モラエ・バ、事態の損失の還付をタミ全員が受けると】、 |
17-67 | ゆるさるゝ おそれバまどひ | ユルサルル オソレバマドヒ 【ユルサルル、一件落着となります】。【オソレ・バ・マドヒ、(直上のキミに対して)畏れを持てば惑いは】 |
17-67 | あらためて まめなるごとし | アラタメテ マメナルゴトシ 【アラタメテ、改めて】【マメナルゴトシ、忠義をつくしたと言えるのです】 |
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●連続訳
たとえば悪人が、賄賂を使って、権力を強めようとすれば、臣も欲にかられ、権能の力が増して、上手くいきますが、損失を被って不満を持つタミが、強く訴え出ると、共犯の臣が、脅しに負けて、協定を無効化することになり、利得を良しとする者と、損失を厭う、国御守を召喚するかもしれません。
糾され断罪される不満には、処分が軽いことを皆が望みますが、中央のキミの怒りは、まだ許さず、結局、悔やまれることはあったのですが、タミにとって良い状態になり、事態の損失の還付をタミ全員が受けると、一件落着となります。
直上のキミに対して、畏れを持てば惑いを改めて、忠義をつくしたと言えるのです。
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この部分は、しばしば誤読されるのですが、中央のキミも地方のキミも下からみれば、「キミ」なので、混乱しやすくなっています。
「トモノオミ」というのも「共犯」という意味ですので、間違えてはいけません。
7-13に「トモオコヱ」というのがあり、「共同正犯」の意味で使われていたようです。
●一行訳16
17-68 | まどえるも みやびなかごに | マドエルモ ミヤビナカゴニ 【マドエルモ、困惑して判断がつかない時も】、【ミヤビナカゴニ、感情を素直に受け入れて】、 |
17-68 | つげおけバ ヒとうつときハ | ツゲオケバ ヒトウツトキハ 【ツゲオケバ、心にとどめておけば】、【ヒトウツトキハ、他人を打つときには】、 |
17-68 | いたみしる そしれバうらみ | イタミシル ソシレバウラミ 【イタミ・シル、その痛みを知り】、【ソシレ・バ・ウラミ、他人を謗るならその恨みを】 |
17-68 | うつわもの ぬすまバおしむ | ウツワモノ ヌスマバオシム 【ウツワモノ、(人にとって)価値のある物を】【ヌスマ・バ・オシム、盗んだなら、盗られて惜しい思いを】、 |
17-69 | そこなハゞ しむのいたみも | ソコナハバ シムノイタミモ 【ソコナワバ、(人、物を)失わせたなら】、【シム、染・ノ・イタミ、痛・モ、感性の痛みも】、 |
17-69 | しるなかご こゝろバあしき | シルナカゴ ココロバアシキ 【シルナカゴ、理解するだろう内心の働きを】、【ココロバアシキ、後味の悪い】、 |
17-69 | わざなせハ みやびなかこに | ワザナセハ ミヤビナカコニ 【ワザナセバ、仕事をしたなら】【ミヤビ・ナカコ・ニ、「思いやりの心」は内心に】。 |
17-69 | つぐあわれ ヒとがヒとうつ | ツグアワレ ヒトガヒトウツ 【ツグ、告・ア、吾・ワレ、割、告げる呵責があるだろう】、【ヒト・ガ・ヒト・ウツ、人が人を打つ】、 |
17-70 | ころすおも みれハのぞかん | コロスオモ ミレハノゾカン 【コロス・オ・モ、殺すことさえ】、【ミレ、見・ハ・ノゾカ、除・ン(意思)、知ることがあれば・除きたい(という)】、 |
17-70 | おもひあり ころぶもおこす | オモヒアリ コロブモオコス 【オモヒアリ、想いがあります】。【コロブ・モ・オコス、転んだ人も助ける】 |
17-70 | あわれゑた ましてわかみハ | アワレヱタ マシテワカミハ 【アワレ、哀・エタ、枝、憐憫の情があるのです】。【ましてわかみは、増して我が身ならば】、 |
17-70 | みやびより むねにとほれバ | ミヤビヨリ ムネニトホレバ 【ミヤビ・ヨリ、湧いた感情は】、【ムネニトホレバ、(直接)胸にひびくので】、 |
17-71 | あやしなく みおヲさむれと | アヤシナク ミオヲサムレト 【アヤシナク、曖昧なことは無く、確信して】、【ミ、身・オ・ヲ〔尊敬〕サムレト、自分の行動を対処しますが】、 |
17-71 | こゝろばハ おごりおきけバ | ココロバハ オゴリオキケバ 【ココロバ・ハ、(人の)思考は(それでは済まず)】、【オゴリ、奢・オ・キケ、聞・バ、奢った考えは】、 |
17-71 | ほしにしむ あちもいろめも | ホシニシム アチモイロメモ 【ホシ、欲・ニ・シム、染、欲に囚われるのです】。【アヂ、満・モ・イロ、華・メ、果・モ、満足も利得も】、 |
17-71 | よこしまに しゐにあやかり | ヨコシマニ シヰニアヤカリ 【ヨコ、不正・シ、其・マ・間・ニ、不正に駆られて】、【シ、其・ヰ、威・ニ・アヤカリ、脅迫に負けて】 |
17-72 | みおからす ほしもそゝげハ | ミオカラス ホシモソソゲハ 【ミ、身・オ・カラス、枯、身を滅ぼすのです】。【ホシ、欲・モ・ソソゲ、濯・ハ、欲望も・純化して考えると】、 |
17-72 | あちなおり いせのみちなる | アチナオリ イセノミチナル 【アチ・ナオリ、満足もできるし】、【イセ・ノ・ミチ・ナル、伊勢の教えに忠実に従うこともできるのです】。 |
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●連続訳
困惑して判断がつかない時も、感情を素直に受け入れて、心にとどめておけば、他人を打つときには、その痛みを知り、ソシレ・バ・ウラミ、他人を謗るならその恨みを、人にとって価値のある物を、盗んだなら、盗られて惜しい思いを、そして、人、物を失わせたなら、感性の痛みも、理解するであろう、内心の働きで、後味の悪い仕事をしたなら、「思いやりの心」は内心に、告げる呵責が有るのではないでしょうか。
人が人を打つ、または殺すことさえ、知れば除きたいという、想いがあり、転んだ人も助ける、憐憫の情があるのです。
増して我が身なら、湧いた感情は、直接、胸にひびくので、曖昧なことは無く、確信して、自分の行動を対処しますが、人の思考はそれでは済まず、奢った考えでは、欲に囚われるのです。
満足も利得も、不正に駆られ、脅迫に負けて身を滅ぼすのです。
しかし、欲望も純化して考えると、満足もできるし、伊勢の教えに忠実に従うこともできるのです。
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人の原動力は「純粋な欲」であるということですね。
アマテルの治世がBC100頃だったとすれば、やはり孔子から300年以上経っていると考えられ、高度な哲学を有するばかりか、医学的な知識も積まれているのですから、地方のトミがなびくのは当然の帰結と言えるでしょう。
ただし、現代医学のように、科学の基本をふみはずして商業医を多数産出するなどということもなく、日本漢方の原型となっていたのはまぎれもない事実なのです。
現代は医者が病気を創り出している時代なのです。
現代でも、論理学の心得のない医者が、漢方の証と処方を見ても、すべてが系統だっていることを理解できないでしょう。
これはそれぞれの要素に「ビットパーティショニング」がほどこされているからです。
動物、特に人間の生理機能は実に複雑ですが、論理性は高く、誤動作をしても、自己復帰しやすい構造になっています。
人の思考の基本的なモデルでは、パターンと運動エネルギの合成されたものを評価していますので、最初から処理系を組み合わせてあるほうが、自然で有利なのです。
簡単なものについては、このページの先頭のサイバネティクス応用のインデックスタブから全部読んでいただければ、かなりの理解が得られるでしょう。
滅びのほうが早いかな?
●一行訳17
17-72 | いさむとも ぬすむこゝろば | イサムトモ ヌスムココロバ 【イサム、功・トモ、功をあせって】、【ヌスム・ココロバ、不正に利得を得ようという内心の荒みは】 |
17-72 | みやびより ヰくらにつげて | ミヤビヨリ ヰクラニツゲテ 【ミヤビヨリ、感性の作用により】、【身体機能に影響が出て】、 |
17-73 | やすからず みめにことばに | ヤスカラズ ミメニコトバニ 【ヤスカラズ、身が安まらなくなります】。【ミメニコトバニ、表情や言葉に】、 |
17-73 | せぐゝまり ぬきあしこたふ | セググマリ ヌキアシコタフ 【(影響が出て)セグクマリ、縮み上がって】【ヌキ・アシ・コタフ、抜き足をすることになるので】、 |
17-73 | はにこゝろ よろますしれど | ハニココロ ヨロマスシレド 【ハ・ニ・ココロ、結果の心は】、【ヨロ、寄・マス、坐・シレ、知・ド、立ち居振る舞いで解るが】、 |
17-73 | みやびから ときすきてなる | ミヤビカラ トキスキテナル 【ミヤビカラ、情念によって】、【トキ、研・スキ、過・テ・ナル、成、分を超えた知恵によって成った】、 |
17-74 | はたれとも それこゝろみに | ハタレトモ ソレココロミニ 【ハタレ、綻・ト、人・モ、破綻者も】、【ソレ・ココロミ・ニ、さあ、試しに】、 |
17-74 | わざおなせ われはやのぞく | ワザオナセ ワレハヤノゾク 【(元の)ワザ・オ・ナセ、業、仕事をしてみなさい】、【ワレ、割・ハヤ、速・ノゾク、除、(今の)綻をすぐに除く】、 |
17-74 | みやびあり これまつかやの | ミヤビアリ コレマツカヤノ 【ミヤビ・アリ、美徳があります】。【コレ・マツ・カヤノ、松・栢のバルサム香油の】 |
17-74 | にべなるぞ みやびなけれバ | ニベナルゾ ミヤビナケレバ 【ニベ・ナル・ゾ、薬効があるのです】。【ミヤビ・ナケレ・バ、(良い)情念が無ければ】 |
17-75 | みもかるゝ かれていろほし | ミモカルル カレテイロホシ 【ミ・モ・カルル、身も枯れてしまいます】。【カレ、枯・テ・イロ、満・ホシ、欲、枯れてしまって満たす欲とは】 |
17-75 | なんのためぞや | ナンノタメゾヤ 【ナンノタメゾヤ、何の為なのでしょうか】。 |
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●連続訳
功をあせって、不正に利得を得ようという内心の荒みは、感性の作用により、身体機能に影響が出て、身が安まらなくなります。
表情や言葉に、影響して縮み上がり、抜き足をすることになるのです。
結果の心は、立ち居振る舞いで解ることですが、情念によって、分を超えた知恵で成った、破綻者も、さあ、試しに、元の業、仕事をしてみなさい、今の綻をすぐに除く、美徳があります。
これは、松・榧のバルサム香油の薬効があるのです。
良い情念が無ければ、身も枯れてしまいます。
枯れてしまって満たす欲とは、何の為なのでしょうか。
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バルサムについては、大昔のヒポクラテスの時代の人も良く識っていたようです。
アロマセラピーとか言うと、「代替医療」などと悪口をならべていますが、れっきとした正統医学です。
芳香性の揮発物質の刺激によって生理作用を整える、というものですが、現代医学は医学であることを放棄して薬学に固執し、ワクチンもどきを強要して健康な人を死に追い遣っており、各国の政府がそれを奨励しているのですから、これは世界的なパラダイムシフトと言わざるを得ません。
私が望むことは、無為に殺すな、ではなくて、嗅覚に直接作用して神経系に介入するメカニズムから、人の認識を引き離そうというのが許しがたい、ということなのです。
そこには明確な「真理」が転がっているのに、邪魔だ!といって調べもしないで飛び越えて行ってしまおう、という政府は何をやりたいのか分からないからです。
やはり、世界は悪魔教に潰されようとしているのでしょうか?
なぜ理性を暴力で押し潰さなければならないのでしょう?
免疫系は脳神経のうち、小脳構造の学習作用で、人の生涯にわたる免疫を記憶し、T細胞をトレーニングし続けることができるのです。
樹状細胞だけで終生免疫など得られるわけも無いのです。
免疫の蓄積は、それほどに情報量が多いのです。
そして、全身にある免疫系の出店、リンパ節を敵視して切除しまくる外科医など医師と呼べる代物ではありません。
いよいよ大団円が訪れるのですかね。
今回は、落ち着いて解説することができず、図を入れることもできませんでした。
このアヤは含蓄で満ちていますから、ひたすら、一行訳をじっくり読んでください。
次で17アヤは終わりにできると思いますが、さぁ、どうでしょうか。
さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
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