シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その228〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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ホツマツタヱ13アヤPart4の解説です。

●一行訳8

13-35 またとわく ヒハヲにかえり マタトワク ヒハヲニカエリ 【また問うのは】、【ヒ〔火〕ハヲ〔雄〕ニ・カエリ、火は男に還り】、
13-35 みつハめに ヒとハヒとみに ミツハメニ ヒトハヒトミニ 【ミツ・ハ・メ・ニ、水は女に】、【ヒ〔人〕トハヒ〔人〕トミニ人は人の身に】
13-35 かえらんか いわくハぐさや カエランカ イワクハグサヤ 【還らないのですか】?【答えは、ハ〔葉〕グサ、莠や】
13-36 おのこぐさ ゐねあわならす オノコグサ ヰネアワナラス 【オノコグサ(のような雑草)は】【稲や粟にはならないのです】。
13-36 アやかりて ヒともうまるゝ アヤカリテ ヒトモウマルル 【ア〔敬〕ヤカリテ、同様に】、【ヒ〔人〕ト・モ・ウマル・ル、人も生まれ持っていた】、
13-36 みちわする たとえハたしむ ミチワスル タトエハタシム 【(生来の)道を忘れ】、【たとえば好んで】
13-36 からしむし うおとりけもの カラシムシ ウオトリケモノ 【苧麻、からむし(を嗜むことは)】【魚・鳥・獣になることを】
13-37 あいもとむ てれハたからハ アイモトム テレハタカラハ 【呼び込むのです】。【それなら宝は】
13-37 なんのため ほめハうまきに ナンノタメ ホメハウマキニ 【何のためなのですか】。【ホメハ〔衣〕ウマキニ、周囲から衣装を褒められれば、見掛けに(ばかり)】
13-37 ふけるゆえ まれにうまるも フケルユエ マレニウマルモ 【こだわるようになり】、【高い身分に生まれても】
13-37 まつしくて やつことなりて マツシクテ ヤツコトナリテ 【(結局は)貧しくて】、【奴(やっこ)になってしまい】
13-38 みおしのぎ ヒとたのします ミオシノギ ヒトタノシマス 【生きるだけに働き】、【ヒ〔人〕トタノシマス、他人を楽しませるだけです】。
13-38 かのほしお うらやむヒとが カノホシオ ウラヤムヒトガ 【そんな欲は】、【ウラヤムヒ〔人〕トガ、羨む人が】
13-38 かむゆえに たまのヲみたれ カムユエニ タマノヲミタレ 【咬むので】、【タマノヲ〔緒〕ミタレ、霊の緒が乱れ】
13-38 つぢかせの ちまたにしゐの ツヂカセノ チマタニシヰの 【ツヂカセノ(枕)】【チマタ・ニ・シヰ・ノ、世間の風に(翻弄される)・肉体・の】
13-39 くるしみが けものとなるぞ クルシミガ ケモノトナルゾ 【クルシミ、不整合・が】、【ケモノトナルゾ、獣性を呼ぶのです】。
13-39 かみうたず たとえハゆめの カミウタズ タトエハユメノ 【カミ、御上が・ウタズ、討たず、(その罰を与えず)とも】、【例えば悪夢に】
13-39 おそわれの しのびかたくて オソワレノ シノビカタクテ 【オソワレ・ノ、(悪夢に)魘われたりして】、【黙っていることに耐えきれずに】
13-39 わきまえず まかるのつみも ワキマエズ マカルノツミモ 【前後を忘れてしまう(ので発覚してしまう)のです】。【マカルノ、人殺しの・ツミ、罪(が、発覚してしまうの)も】、
13-40 おそわれぞ ヒとおまどわす オソワレゾ ヒトオマドワス 【オソワレゾ、魘われによるのです】。【ヒ〔人〕トオマドワス、人を惑わす】
13-40 わがほしも ヒとハうたねど ワガホシモ ヒトハウタネド 【ワガ、我が・ホシ、欲し・モ、我執も】、【ヒ〔人〕ト・ハ・ウタネ・ド【他人は討たなくても】
13-40 たまのヲに おぼゑせめられ タマノヲニ オボヱセメラレ 【タマノヲ〔緒〕ニ、霊の緒が絡んで】、【忘れることなく責められ続けるのです】。
13-40 ながきゆめ アめのまつりお ナガキユメ アメノマツリオ 【これは(放置すれば)永遠の悪夢です】。【アメノマツリオ、先祖の教えに従って、祭りを】
13-41 たておけよ かばねのみやに タテオケヨ カバネノミヤニ 【タテ・オケヨ、執り・行いなさい】。【カバネノミヤ、一族の名に(釈明して)】、
13-41 かんくらお もふせハヲとけ カンクラオ モフセハヲトケ 【カンクラオ、御上の位を】【申告すれば緒が解けて(つまり御役御免)】
13-41 ヒとなるぞ まつりなけれハ ヒトナルゾ マツリナケレハ 【(再び)公人になれます】。【奉りをしないならば】、
13-41 アまめぐみ もれておつるぞ アマメグミ モレテオツルゾ 【アメの恵みから】【漏れ落ちてしまいます】。




これは、アメ族の性質に関して、間違いやすい読み方を示しています。

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●連続訳
また問うのは、火は男に還り、水は女に、人は人の身に還らないのですか?
答えは、莠(はぐさ)やオノコグサのような雑草は、稲や粟にはならないのです。
同様に、人も生まれ持っていた、生来の道を忘れ、たとえば好んで苧麻、(からむし)を嗜むことは、魚・鳥・獣になってしまうことを呼び込むのです。
それなら宝は何のためなのですか。
周囲から褒められれば上手にすることばかりに耽るので、高い身分に生まれても、生まれ変わりは貧しくて、奴(やっこ)になってしまい、生きるだけに働き、他人を楽しませるだけです。
そんな欲は、羨む人が咬むので、霊の緒が乱れ、世間の風に翻弄される肉体の、不整合が、獣性を呼ぶのです。
御上が討たず、(その罰を与えず)とも、例えば悪夢に魘(おそ)われたりして、黙っていることに耐えきれずに、前後を忘れてしまうので発覚してしまうのです。
人殺しの罪が、発覚してしまうのも、魘われによるのです。
人を惑わす我執も、他人は討たなくても、霊の緒が絡んで忘れることなく責められ続けるのです。
これは、放置すれば永遠の悪夢です。
先祖の教えに従って、祭りを執り行いなさい。
一族の名で釈明して、御上の位を申告すれば、緒が解けて、つまり御役御免となり、再び公人になれます。
こういった奉りをしないならば、アメの恵みから漏れ落ちてしまいます。
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苧麻(からむし、からしむし)については「〜その132〜」で書いています。
草から作る高級な衣(きぬ)なのですが、大変手間のかかる繊維類なのですね。
この部分は生まれ変わりの話をしているように見えますが、衣装にこだわると、おべっかを使う人に使われて、自分のためにならないぞ、という現世のいましめになっています。
奴になるのは、現世に於いてなのですね。
自分の高級衣料が周囲からの賄賂のもとになる、というのは実に卓越した見方ですね。

また、便宜をはかったりした場合、公(おおやけ)を不正に使用していることになってしまうので、不正を認識した時点で、カバネ(代々の役職)を返納すれば良いと言っているのです。
そうしなければ、いずれ発覚して、きつく処分される、ということなのでしょうか。


●一行訳9

13-42 こおもてよ もしつまうまず コオモテヨ モシツマウマズ 【(世継ぎの)子を作るのです】。【もし、妻が産まないなら】
13-42 たねたえハ めかけめヲきて タネタエハ メカケメヲキテ 【胤(たね)が絶えるので】、【メカケ・メ、妾女、側室を・ヲ〔尊〕キテ、(ヲシテ、公文書により正式に)定めて】、
13-42 たねなせよ めかけとなれる タネナセヨ メカケトナレル 【子孫を繋ぎなさい】。【妾となるになった】
13-42 めのつとめ つまおうやまえ メノツトメ ツマオウヤマエ 【女の務めは】【妻を敬うことです】。
13-43 めかけめハ ホしになぞらう メカケメハ ホシニナゾラウ 【妾女は】【ホ〔穂〕シニナゾラウ、星になぞらえるのです】。
13-43 ホしヒかり つきにおよバず ホシヒカリ ツキニオヨバズ 【ホ〔穂〕シヒカリ、星は光りますが】【月の明るさには及ばないのです】。
13-43 うつくしも みやにないれそ ウツクシモ ミヤニナイレソ 【姿形が美しくても】【ミヤに入れてはなりません】。
13-43 アまのはら つきならふれハ アマノハラ ツキナラフレハ 【天空に】【月が2つあったら】
13-44 くにみたる つまとめかけと クニミタル ツマトメカケト 【国が乱れます】。【妻と妾を】
13-44 やにいれバ いゑおみたるぞ ヤニイレバ イヱオミタルゾ 【一つの家屋に入れれば】、【家制度は崩壊します】。
13-44 つきハよる つまなうとみそ ツキハヨル ツマナウトミソ 【ツキ・ハ、月、妻は・ヨル、寄る・妻は寄り添うものなので】、【妻を疎んではダメです】。
13-44 うちヲさむ めかけのことバ ウチヲサム メカケノコトバ 【ウチ・ヲ〔尊〕サム、(妻に)家の中を治めさせるのに】、【妾の口出しを】
13-45 なまつりそ こおうむもりハ ナマツリソ コヲウムモリハ 【ゆるしてはいけません】。【子を産む役目の妻が】
13-45 うまぬとき すつるむらボし ウマヌトキ スツルムラボシ 【産まないからといって】【捨てれば(社会から外れ)ハグレ星になってしまい】、
13-45 のりみたる いんしアまかみ ノリミタル インシアマカミ 【定めに反します】。【かつて(帝国を彩った)アマカミ、皇帝も】
13-45 ホしとなる これハノりなす ホシトナル コレハノリナス 【(今では世を照らさず)星になっているのと同じです】。【コレハ・ノ〔野〕リ・ナス、これこそ野に捨てられた】、
13-46 めのすがた よくてあるゝも メノスガタ ヨクテアルルモ 【(ひとりで世を照らさなくなった)妻達の姿なのです】。【美女で性格が悪いのもいるし】
13-46 みにくきに よきみやびアり ミニクキニ ヨキミヤビアリ 【(見た目に)醜くても】、【良い心根の女もいるので】、
13-46 よそほひに なふみまよひそ ヨソホヒニ ナフミマヨヒソ 【見せかけに】【踏み迷うことが無いようにしなさい】。
13-46 いせのみち アまのうきはし イセノミチ アマノウキハシ 【(妻が夫の家に入る)イセの道は】、【ア〔天〕マノウキハシ、アメ族の浮橋が】
13-47 よくわたす かみのヲしゑの ヨクワタス カミノヲシヱの 【能く心得ているので】、【カミノヲ〔尊〕シヱノ、上、昔からの慣わしに従う】
13-47 いもヲせの みちのおゝむね イモヲセノ ミチノオオムネ 【イモヲ〔雄〕セノ、妹雄背の】【道は大概】、
13-47 とほるこれなり トホルコレナリ 【トホル、享る、上手くいくものなのです】。




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●連続訳
世継ぎの子を作るのです。
もし、妻が産まないなら、次世代が絶えるので、、側室を、ヲシテ、公文書により正式に定めて、子孫を繋ぎなさい。
妾となった女の務めは、妻を敬うことです。
妾女は星になぞらえるのです。
星は光りますが、月の明るさには及ばないのです。
姿形が美しくても、ミヤに入れてはなりません。
天空に月が2つあったら国が乱れます。
妻と妾を一つの家屋に入れれば、家制度は崩壊します。
月、妻は寄り添うものなので、妻を疎んではダメです。
妻に家の中を治めさせるのに、妾の口出しを許してはいけません。
子を産む役目の妻が、産まないからといって、捨てれば、社会から外れ、ハグレ星になってしまい、定めに反します。
かつて(中華)帝国を彩ったアマカミ、皇帝も、今では世を照らさず星になっているのと同じです。
これこそ野に捨てられた、ひとりで世を照らさなくなった、妻達の姿なのです。
美女で性格が悪いのもいるし見た目に醜くても、良い心根の女もいるので、見せかけに踏み迷うことが無いようにしなさい。
妻が夫の家に入るイセの道は、アメ族の浮橋が能く心得ているので、昔からの慣わしに従う、妹雄背の道は大概上手くいくものなのです。
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アメ族は妾女を取るにあたって、契約書をかわしているようです。
後の時代の、半島勢力と思われる男権絶対主義では、男女は同権ではなく、契約を交わすことなど無いのですが、偽書説を唱えた人達は、その辺も、うまく読めていなかったのだと思います。
それゆえ、メカケは江戸時代の習慣である、などと、まことしやかに批判していたのですから漫画的です。
まあ、池田教の読み方では、偽書といわれても、しょうがないのかもしれません。

この段落の、「インシアマカミホシトナル」の部分は、私も、ごく最近まで、中華皇帝(つまり、ここでは秦始皇)だとは読めていなかったので、不自然きわまる訳になっていました。
アマカミに対する尊敬をかなぐりすてたような文章なのですから、これでもなお、尊い尊いと云うなら、それはキチゲー以外のなにものでもないのです。



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