シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて~その76〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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ホツマツタヱ20アヤの続きです。
まだまだ人名の解説があります。

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イテクルマ フソヰノハトオ  (皇子は八房の)手輦(てぐるま)、25人の端人(はと)を
ヰツトモノ マモルミヤツコ  5人の、供の護衛の御奴(みやつこ)は、
アマツマラ カンミノヤサコ  アマツマラは、カンミムスビの玄孫
アカマロハ ツクバソゝノコ  アカマロは、ツクバゾ(=筑波の守で)、その子(つまり襲名したアカマロの継子)
アカウラハ シホモリノフコ  アカウラは、シホモリの第二子
マウラトハ ヤマスミノヰコ  マウラトは、ヤマスミの第五子
アカボシハ カツテノオトゝ  アカボシは、カツテの弟
コノヰタリ オゝモノヌシハ  この5人で、大物主は、
ヰツクミノ モノヘフソヰオ  5組の兵士25人を
ヒキソフテ トモヒトスヘテ  引率して、供のものは全部で
ヤモムソヨ ヒタカミオデゝ  864人でした。ヒタカミを出て
カシマミヤ ソノミチタミノ  カシマミヤに至りました。その道中、タミの
イデムカヒ タカヤシカクト  出迎えで、タカヤシ・カク・ト(=耕しを欠く、農作業を妨げると)
キコシメシ イセニハンベル  (云う告げを)知った伊勢では、そこに侍る(はべる)
ミコノオト キヨヒトニカミ  皇子(ホノアカリ)の弟、キヨヒトにご神託を
ミコトノリ ナレトチカラト  下し、汝(なれ)とチカラ(=タチカラヲ)とで、

ここで、しばしば出てくるのですが、テグルマというのは手で持つ輦(れん)のことでしょう。
弥生時代は道路が発達していないために舗装などされておらず、車の実用以前だったと考えられます。
担ぐのが輿(こし)、持つのが輦でしょうか。
何人で持ったのかも輦の大きさもわかりません。
やはり、25人で持つのでしょうか?

ハトというのがでてきました。
以前、「〜その23〜」の鳥の殯(もがり)の話の時に出てきましたが、そのときは良くわかりませんでした。
とりあえず、煎り大豆か?と書いておきましたが、今回、ちょっと違うことを思いつきました。
ハ(=端)・ト(=人、半端な人、つまりアテンダント)・ハ(=格助詞)・モノ(=兵)・マ(=お雇い)・サ(=矮小辞)、結局、端人(はと)は警護の守衛(ガードマン)ではないかと。

5人の御奴(みやつこ)というのもよくわかりません。
おそらくテクノクラートを含む文官だと思いますが、キミに対する礼を守らねばならないから、文官なのでしょうか?

このアマツマラの叔父が祝船の船長(ふなおさ)をやるのですね。
それにしても、総勢864人というのは大世帯ですね。
たしかに、タミもメーワクするかも。


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ハヤフネニ ユキテイワフネ  早船で(カトリに)行き、「祝船(いわふね)」で御幸することを
スゝムヘシ ヨリテミマコト  勧めなさい、と。そこで、御孫(ニニキネ)と
タチカラヲ ワニフネニノリ  タチカラヲは鰐船に乗り、
カンフサノ ツクモニツキテ  上総の九十九里に着き、
カトリミヤ カンコトノレハ  カトリミヤ(現在の香取神宮)で、伊勢のご神託を告げると、
ホノアカリ マウラオメシテ  ホノアカリ(テルヒコ)はマウラを呼んで
ウラトエハ マウラフトマニ  ウラ・トエハ(=占いを問えば)、マウラはフトマニで
アキニトル コチニヒモトケ  「アキニ」という結果を得ました。東風に氷も解けます。
ツミノカル イマハルナレハ  問題はありません。今は春なので、
ニシノソラ タミツカレナシ  西を目指すなら田の水が枯れることはありません。
ヨシヨシト ミコトサタマル  良いじゃないか、と方針が定まりました。
ニゝキネト タチカラトユク  ニニキネとタチカラヲは
ヒタカミノ キミオヲカミテ  ヒタカミに行き、キミ(オシヒト)に拝謁し、
ヨシオツゲ ノチニミマコト  用向きを告げました。そして、御孫と
タチカラト イサワニカエリ  タチカラヲは伊雑に帰り
カエコトス トキニスメミコ  天(てん)に報告しました。時に皇子(テルヒコ)は

鰐船は帆で推進し、手漕ぎでも進めますので、急ぐ時にもっとも速い交通手段だと考えられます。
それに対してイワフネというのはどんな仕様の船なのでしょうか?

カン・フサ・ノ(=かみふさ、かずさ、現在の上総の)ツク(=次ぐ)・モ・ニ(=百、99、九十九に)・ツキテ(=着いて、現在の九十九里浜に着いて)

フトマニ占いがどんなものか良く知りませんが、質問者がいて占者が居るタイプの占いは、基本的に「設問」がわからなければ結果の判断もできないので、アキニがどうたらこうたらと解説しても、第三者には意味をなさないのです。

まあ、結果の文からして、コチニヒモトケは東風(こち)に氷(ひ)も解け、すなわち、東に位置する質問者が原因となって氷が解ける(=問題は解決する)でしょうか。
ツミノカルは、罪を逃れる(=易でいうところの「咎無し」)、今は春なので、ニシノソラ(=西を目指すのは吉)、タミツカレナシは、田水枯れ無し(=易でいうなら、道にかなっていて、「亨る」)といった結果が出た、ということなのです。

ここで、その直前の部分でタミが出迎えて田の作業に支障がでる話を書いているところがクシミカタマのワザなんですね。
読者に「民の疲れを労っているのだな」、と思わせる罠なのです。

私は易の知識はありますが、池田先生はそうではなかったとみえて、ヲシテ文献のうち、「フトマニ」にはまってしまったようです。
そのためか、「特にフトマニで理解が深まった」と述懐しており、相当に誤解したようで「尊い尊い」を連発するようになりました。
まあ、単なるカルトなんですけどね。

フトマニで得られる答えは、言ってみれば触媒のようなもので、占者が質問者から質問を聞き、占いをして得た「触媒」を作用させた占者の意識の中から最適なエピソード記憶を引き出すプロセスを用いて、質問者が満足するような回答をするのです。
私に易の真髄を話した兄嫁の両親は神官で易者でしたが、「毎日天気予報で練習しなさい、驚くほど当たるようになるから」と言っていました。

どうやら、ビッグデータに類似した効果があるのではないでしょうか。
ただ、単純な話術とは異なり、不思議と事実と一致する、とでも言っておきましょう。

もしかして、カイ2乗分布と危険率みたいなものを内包しているのではないですか?

ト オヤジの話は科学的だなぁー(棒)

ヱ サパーリです。


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イワクスノ フネオモフケテ  祝久寿の船を設けて、
マラガオヂ アマツハバラオ  アマツマラの叔父であるアマツハバラを
フナオサニ マラハカヂトリ  船長に、アマツマラは操舵手を、
アカウラオ フナコツカサニ  アカウラを水夫長に、
アカマロト アカホシモノオ  アカマロとアカホシの御家人を
ソエカコニ マウラハカゼミ  水夫(かこ)の監督にあたらせました。
ツクモヨリ イツノミサキニ  九十九里から伊豆岬を目指し
ホオアケテ オキハシルメハ  帆を上げて、沖を走る目には、
オホソラオ ハルカニカケリ  大空を遥かに駆けるようでした。
ミクマノゝ ミヤヰオカミテ  3つのクマノミヤを遥拝し、
ナミハヨリ カモニテイタル  浪速より鴨船で(大和川を遡り)
イカルカノ ミネヨリトリノ  斑鳩に至り、白庭山の峰から鳥が
シラニハニ アマノイワフネ  飛んでいる様は、自船、アマノイワフネも
オホソラオ カケリメクリテ  大空を駆け巡っているようでした。
コノサトノ ナオモソラミツ  しかし、この里の名を「空見(そらみ)の
ヤマトクニ ミヤツヤナリテ  大和国」と呼ぼうとは。

祝久寿の船というのは「祝う」と「クす(飾る)」という語が合わさったもので、現代に対応する漢字語がありません。
運動会など、華やいだ場を飾る「くす玉」というのがありますが、薬師如来が持っている「薬玉」と似ているとして「くすだま」と言われたと思われていますが、運動会では薬玉には用がなく、「くす玉」と仮名書きするようです。
これは単純に飾ることを意味しているようです。

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これが祝久寿船???

和菓子の世界で、葛でつくった餅を「葛餅(くずもち)」小麦粉で作ったものを「久寿餅(くずもち)」と呼んでいるようです。
主に、関西では葛で作った「葛餅」が、関東では乳酸発酵により長期間保存され、発酵風味を加えた「久寿餅」が食べられているようです。
http://www.funabashiya.co.jp/lp/

葛粉は、吉野に産する葛を潰して澱粉のみを冬季の寒冷な水に晒してさらに沈殿させ、乾燥させてものを程よい大きさの塊に砕いて保存したものを一級品としておりますが、片栗粉(かたくりこ)でトロ味をつけることを「葛溶きする」と表現したり(私はコーンスターチを使っていますwww)、最終的にはイイカゲンなものになっています。

この他、なんでも、野生の澱粉を用いたものも多くみられます。
南方からの輸入品ではキャッサバの根を用いたもの(タピオカ☆)など中華では様々な豆で作った汁粉(しるこ)にタピオカを入れたりしたもの(楽しい☆)など、さまざまです。
再帰的に、わらび餅などは蕨粉(わらびこ)を用い、わらび餅を調製しますが、その原料を「わらび餅粉」と表現する場合すらあります。
沖縄方面では黒糖風味の「クジムチ」というのもあるとか。
澱粉と砂糖、あるいは蜜で作った和菓子は、なんとも心温まるものがありますね。

さて、「くず餅」と仮名表記する店も多くあり、この場合は単に葛ではないクズ、と言うと、「屑」みたいでイヤ、と思ったので「久寿」の字を当てたのだと考えられます。

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主に関西を中心とした葛餅文化、なんとも優雅

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関東を中心とした久寿餅文化、どちらも美味しい☆

船橋屋もいいけど、お大師さんの門前の住吉はいちばん好き。(無論、池上も ぉぃぉぃなんでもいいんじゃん)

そこで私も「祝久寿船」と表現してみたのです。

もしかして、クシタマホノアカリというのはクシタマ(=飾り珠)を意味しているのかもしれません。
その場合、「華やかなだけで実の無い飾り物」という意味を込めているのかもしれないのです。

神道の概念の基にもある「奇霊(くしみたま)」というのはかなり怪しい感じがしますね。
後世の道教の影響ではないでしょうか。

俺の脚には四魂の珠のかけらを入れてあるのだ、ぴゅ〜!、速ぇええ

ヱ フン、犬夜叉か、いいかげんアニメから離れろよ。

ト オマエモナー

最初のうち、ミクマノを拝んできたのだからクマノは良いイメージだろうと思っていました。
しかし、よくよく見ると「ミヤヰオカミテ」とあるので、クマノ守を拝んだのではなく、宮居(みやい)を拝んだ、つまり上陸して幣を捧げたのではなく、船上から宮居を遥拝しただけだったことがわかると、判断は急速に侮蔑の方向へ向かいます。
こういった表現を重ねてあるため、ほとんどの人が良いイメージしか抱かなかったのでしょう。

空耳(そらみみ)なんていう表現がありますが、実際には無い音を聞くことですね。
空事(そらごと)というのは小説(しょうせつ)、つまり架空の物語で、嘘事(うそごと)とも呼ばれます。
どうやら、空見(そらみ)というのがあるようで、ここで使われているのは「マボロシの大和、斑鳩の里の幻想!」とかNHKが捏造しそうな話ですね。wwwwww

ミヤ・ツ・ヤ・ナリ・テ(=宮の社が出来上がって)というのは単純に読めばよいでしょう。
以前の私ならツヤ・ナリ・テ(=艶やかに)と読んだところなのですが、ね。

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ソフノカミ スガタガムスメ  ソフの守、スガタの娘
ミキサキニ ナシテウタヨミ  御妃にして、ウタを詠み、
カダカキノ コトオタノシム  カダ琴をかき鳴らして楽しむようになったのですが・・・
イカルガノ ミヤニウツリテ  斑鳩の宮に移った
ソノアスカ ウテナニヨモオ  その翌日、楼台から四方を見わたして
ノゾムオリ シラニハヤマニ  眺望すると、白庭山に
カラストフ クマノトオモヒ  カラスが飛んでいました。そこでクマ・ノ(=隈野、ここは隈野だ!)と思い、
ミヤウツシ トキニコヤネハ  ここは隈野だからミヤコを移すぞ!と宣言しました。コヤネは
ハヤカレト オホモノヌシモ  早すぎます、早く枯れてしまいますよ!、大物主も
トトメケル フトダマガイフ  止めましたが、フトダマが言いました。
カガナエテ キミノオホスオ  キミがよく考えて、望むことを、
トゝメンヤ カグヤマモイフ  なぜ止めるのですか、カグヤマも言います
クマノナル アスカウツセハ  ここが隈野なら(ミヤコを)アスカに移すのは
ヨキタメシ ステニキワマル  良いことではないですか、すでに決まったことです。
モノヌシハ イカリテイワク  物主は怒って言いました。
フトダマハ キミノトノオジ  フトダマは、キミの母方の叔父ではないか、

ソフというのは現在の奈良県大和郡山市筒井町に比定される地域で、菅田の守のテリトリー、もしかすると、アマメヒトツの縁続きかもしれません(未検証)。
菅田姫は神道では伊豆能賣神とも言われ、カンナオヒ・オオナオヒの兄弟であるかもしれません。
ヤソマカツヒは、彦のみで、ホツマツタヱには姫は出てきませんので、確認することは難しいでしょう。
当代のスガタヒメが何代目かもわからないし、有用な情報は少ないし、文化汚染はあるし、困ったものです。
なんというか、気になったとしても、神道の言っていることを全部検証するなど、愚の骨頂なので、話三分に止めておきましょう。

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現在の菅田姫神社、右の川は佐保川

もうすこし広い地図。
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富雄川も佐保川も同様な地域ですね。

まあ、ここで先進派と旧守派のトミが分かれるのです。


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トミヲキナ キナフヨロトシ  トミである翁が、昨日、万歳(よろとし)を
キミイワヒ ケフマタカワル  キミに申し上げておいて今日また変わるのはいかがなものか。
ミヤウツシ ヨロチハトオシ  ミヤウツシもヨロチ・ハ(=万年、千年は)遠いけれど、
ヒトゝセモ ヘザルオセメバ  一年も過ぎていないことを責めねば、
ヨノハヂハ ナンチノコゝロ  それはトミとしての生涯のハチ(=恥)であり、汝の心の
ケカレヨリ キミアヤカラバ  ケガレが、キミをも汚してしまうのだ、
ワレオラス アカネホノホニ  私はそんなことを許すことはできず、紅蓮の炎に焼かれて
ツミストモ マロカネハメト  罰せられようとも、轡(くつわ)をはめられようとも
ケカレヱズ カクイイカエル  そんなケガレは御免蒙る。と言って帰ってしまいました。
モロハカリ ツイニウツシテ  諸臣が相談するも、結局、(アスカに)ミヤウツシをしてしまいます。
アスカガワ クルワニホリテ  (テルヒコは新宮の)内裏の周囲に濠を築き、
ミソギナスカナ        ミ・ソギ(=身削)ぎをしました。

キミを悪者にしないで、トミのロートルに責任をかぶせます。
まあ、これからニニキネに仕えるんだし、ね。

20アヤは短かくてこれで終わりです。

次回、ヤマトのまとめをお話しましょう。