シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて ~ その1 ~ |  アンドロゴス生涯学習研究所

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311から満6年を迎え、放射能まみれの国土脱出を夢見て生きている諸兄々よ、いかがお過ごしでありましょうか。
健康を害され、生業を捨てることを余儀なくされたかたも、はたまた無念の涙をかみしめながら既にこの世を去られたかたもあろうかと思われます。
だがあきらめてはいけません、希望の灯をけしてはなりません。

 

少し、夢を語りましょう。

 

 

運良く、シベリアの大地まで逃散することができたと仮定して、皆様は、それから何をしてすごされるでしょうか。
私は学ぶことが仕事で、学ぶ人を支援することが仕事ですので、ロシアのフォークロア等、新たに学ぶであろう事柄を楽しみにしておりますが、他にも趣味はあります。
例えば、歴史をひもとくのは大好きです。
特に興味が深いのは超古代の巨石文明です。
しかしながら、巨石文明の時代に関する研究はあまりにも難しく、遺跡といっても荒唐無稽なものがあります。
伝巨石文明遺跡といっても、人工物と天然の違いさえ定かでないものも多いのです。
では百歩ゆずって縄文時代弥生時代ならどうでしょうか?
これもたかだか3000年前に過ぎなくても、古語拾遺にあるように「我が上古に文字無し」などと言われてしまっては身も蓋もありません。
歴史博物館に行って、学芸員に話を聞くのもおもしろいのですが、私の疑問に答えられる人に出会ったことがありません。
たとえば、東京北部でも壮大な貝塚があり、1部族が消費できる量でないほど大量の貝殻が出土しており、私は、これは貝の加工場の遺跡では?と考えております。(煮貝を串にさして乾燥させれば保存性も良く、商品性が高い)
つまり通貨経済は普通におこなわれていたのではないかと疑っているのです。
今日、ほとんどのフォークロアに関して中華から輸入されたものと信じられていますが、無論、そういうものも多数ありますが、そうでないもの、列島固有のとまでは云わなくても、他の地域から来て、ここで熟していった文化も多数あろうかと考えております。

 

 

以前、塩尻の博物館を訪れたおりに、縄文土器を見て、あまりの文化の影の濃さに学芸員に尋ねたものです。
「これらは優れた職人、それもグランマイスターの手によるものとおもわれますが、この付近に窯場があるのですか?」という問に、「この付近は縄文時代から平安時代まで幅広い遺跡がありますが、窯場はおろか野焼きの跡すら見つかっていません」という答えがかえってきたのです。
「では通貨経済に関する研究は?」とあらためて訊いても「そのような研究は皆無です、皆ギフトだと思い込んでいますので・・・」としか言わないのです。
研究者に誠意無しでしょうか?
同様に、「我が上古に文字無し」というわけであります。
さて、前置きが長くなりましたが、ヤマトコトバと古史古伝(あいまいな根拠から偽書とされるものが多い)について語ります。

 

 

古史古伝として十把ひとからげで括られている古文書にヲシテ文献というものがあります。
これはWikiで見てもらえばわかりますが、ホツマツタヱ、ミカサフミ、フトマニという古文書を呼ぶ総称だそうです。
このうち、ホツマツタヱは十万字以上に及ぶ48音48文字のホツマ文字(もちろん日本語ですが古代日本語)で書かれた五七調の長歌の形式になっており、ミカサフミとともに12代景行天皇に捧げられた、我が国の古代史について書かれた長編叙事詩です。

 

 

上古、初代アマカミ(古代の天皇)であるクニトコタチの建国からはじまって、優れた指導者としての8代アマカミであるイサナギ、イサナミの国内の調整、その子であるアマテルによる臣主主義のむずかしさと国を治める知恵、そして二朝廷並立を解消したタケヒトによるスベラギの時代へ、さらに12代スベラギである景行天皇の子であるヤマトタケによる東国の制圧とその最期を格調高い文体で表しています。
古事記や日本書紀の下敷きになっている文書であるといわれ、大陸や半島との交流も書かれています。

 

 

現在認められているのは旧家に家伝として代々書き写されてきた写本のみがあり、原本は存在していないと考えられています。
そして、江戸時代に好事家が捏造した偽書だと云われております。
しかし、そもそも、「我が上古に文字無し」ならば漢字の訓読みに「かく」「よむ」なんてのがあるわけがないので、常識で考えてもアインシュタインの一般相対性理論みたいなデタラメなわけです。

 

 

現代(といっても半世紀前)になって故松本善之助氏が神田の古本屋で発見した写本を手にしたところから事は始まります。(それまでの研究者は、書写を行っていた伝承者その人だけだったわけです)
その後、ホツマツタヱの解読がすすめられておりますが、偽書だといわれるものですからアカデミックな研究者が増えるはずもありません。

 

 

17歳のときから松本先生のもとで半世紀近く研究をされている方に池田満氏がいらっしゃいます。
この方も精力的に研究をしていらっしゃいますが、意欲的な若い研究者の確保は簡単にはいきません。
池田先生はPCでヲシテを表示するためのフォント(縄文文字ヲシテA)を開発され、ヲシテ文献のコーパス化に貢献されました。
残念ながら、現在では無条件にダウンロードすることはできなくなっているようです。
ヲシテ(ホツマ文字)文字には多くの異体文字があり、偽書だ偽書だとさわぎたてる人が考えるような50音だけの文字を(50個のレタリングをやれば終わりっ!)作ればいいわけではありません。

 

 

これから、数回にわたってヲシテ文献とその学習について展開したいと思います。

 

 

■日本神話vs日本史
■ホツマ文字と古代日本語を学ぶ
■フォークロアのなかに歴史の片鱗を見出す
■古代日本の政治体制と階級を考える

 

 

 

次の記事で私の作成したヲシテのフォント(TTミカサ01)を公開します、
また、五七調の長歌を表現するための縦書き表示用CSSも添付します。