テッド(Ted)、すなわち熊の縫いぐるみテディベアの姿をしたメタボ不良中年テッドがブラックな笑い満載で大活躍した、あのアメリカンコメディをほどほどにパクリつつも、オタクと腐女子の夢をいっぱい載せたB級映画として生まれ変わった本作が完成し、25日から公開されました。
その名は「ヌイグルマーZ」。
主演は意外にも映画初主演という、しょこたんこと中川翔子。
原作は大槻ケンヂの「縫製人間ヌイグルマー」という小説。
もう、この情報見ただけでB級色が漂っていますが、まだまだぁ。
監督は井口昇。共演は武田梨奈。
そう。本ブログでも「『デッド寿司』(笑)鑑賞! 」で紹介し、アメリカの映画祭でアクションコメディ賞を受賞したお馬鹿映画のコンビですよ。
武田梨奈は本ブログでも注目している若手アクションスター。
デッド寿司も武田ちゃんの活躍ぶりが見たくて鑑賞したわけですが、本作もその感覚で見ました。
で、分かってはいたのよ。
そ。B級映画だってことは最初から分かってはいたわけだ。
でもまぁ地方でも東京と同じ日から上映されているし、大槻ケンヂもしょこたんも一応ビッグネームだし。
なんつったって、大槻ケンヂもアクション映画大好きな人(たまに、みうらじゅんと混同するけれど)だし、しょこたんもブルース・リーやジャッキー・チェンが大好きな人。
そうした愛がこの人を食ったようなタイトルの映画で再現されているならいいかな、てな勢いですよ。
ということで、私も初日から観に行きました。
しょこたんはいろんな映画雑誌のインタビューで、「私の夢が叶った」的なことを述べていて、それは画を観てもひしひしと伝わってきます。
上の写真はしょこたんが、ゾンビ相手にふわふわのファーで作ったヌンチャク(自前!)をブン回しているところ。かつてバラエティ番組で「リー様ー!」(ブルースのこと)と絶叫しながら振り回していたヌンチャクテクニックを披露しております。
観ようによってはアクション映画をバカにしていると思われるかもしれないけれど、私はこれも映画愛だと思えるタイプで、実際しょこたんの話を聞いているとホントに香港アクションが好きなんだなとわかるので、許せます。
ま、本物のアクションは武田ちゃんが見せてくれるでしょうしね。
で、しょこたんなんだけど、あるインタビューで、「運動神経ゼロの私ですが、このヌンチャクアクションは魂込めました」的な回答をしてました。
え? 運動神経ゼロなの? ま、ヌンチャク振り回すのは運動神経ってより大道芸に近いからいいのかな、とか変なところに私は着目しちゃったよ。
確かにあまり運動神経よさそうじゃない彼女。本作でのアクションにはあまり期待しないで下さいませ。
問題は武田ちゃんの出演シーンだね。
デッド寿司もアクションコメディってよりB級ホラーだったわけで、日本でも指折りのアクションが出来る女優である武田ちゃんを無駄遣いしてるなって感じはしていたのね。アクションシーンはあるんだけれど、相手が寿司ネタとか特撮の寿司怪獣だからねぇ。肉弾アクションではない。
で、本作はどうか。
設定は、公式サイト を開くと流れるしょこたん主唱の主題歌「ヌイグルマーZ」の歌詞にあるとおり。
♪私のぉ身体、タオル地。私の瞳ぃ、洋服のボタン。
あなたを守り抜くために、わたしは望んでぬいぐるみになる。
N.U.I.G!(えぬ・ゆー・あい・じー!) U.L.U.MAR!(ゆー・える・ゆー・まー!)#繰り返し
なんか分からん理由で地球に降り立った綿状生命体(なんじゅそりゃ)が、ある熊ちゃんの縫いぐるみに寄生する。後にこのぬいぐるちゃんはブースケと名付けられる。
この生命体の声は私も好きな阿部サダヲ。
で、このぬいぐるちゃんであるブースケもそれなりに強いんだけれど、やっぱタオル地の身体と、縫いぐるみの平均身長ではアクションにおのずと限界があるってことで、しょこたん演じるダメ子っていうロリィタ女子と一体化して、「あなたを守り抜く」って話。
変身前のダメ子と縫いぐるみのブースケ(テッドみたいに喋ります)
合体して変身したダメ子&ブースケが、晴れて「ヌイグルマー」となりやす
つまり、変身するとしょこたんではなくて、武田さんになるんです。
このあたり、強引とも言えるんだけど、ま、運動神経ゼロのしょこたんじゃ強くはならないとか、そもそもしょこたんが戦隊ヒーロー的なスーツを着てもさまにならないとかいろんな事情はあったんでしょう。
でも、私としては、これで武田さんの知名度があがりそうでウェルカムですけれどね。
ところで、主題歌の作詞は、原作者でもので、やっぱり大槻ケンヂですよ。
曲調はもう筋肉少女帯そのままってかんじ。歌ってるのはしょこたんだけどかっこいいです。
ちなみに、ある映画雑誌(ツウ好み雑誌の『映画秘宝!』)にて大槻氏は「私の好きなマーシャルアーツスター」ってコーナーの三位に武田さんをあげています。
まぁ、自分の映画の宣伝でもあるわけですけれどもね。
で、話の続き。
どういうわけか物語は、ヌイグルマーとゾンビとの戦いに突入。
またしても、武田ちゃんの相手はゾンビかぁ、と思いつつも、相手となる奴らの何割かに、ジャパン・アクション・エンターティンメント(JAE)の皆さんが混じっているもようで、それなりに見応えのあるシーンもちらほら。
(ちなみにJAEは千葉真一が作ったジャパン・アクション・クラブ(JAC)の後継団体です)
エンドロールでもJAEが殺陣をやっていたことは確認できますし、劇中に実名で登場もします。
結果、いろいろあって地球の平和というか個人的な事情で巻き込まれたトラブルは解決して、ハッピーエンドとなるわけですな。まぁストーリーはこの際、どうでもいいかもしれない。
正直、私としては武田ちゃん主役でガンガンにアクション映画が観たいわけ、多少のストレスのたまる映画でしたが、これから武田ちゃんがスターになっていくために、この映画がよいステップになればいいと思う。
知名度も上げて欲しいので、この映画はそのステップとしてあり、としましょう。