ロシアのユーラシア地政学戦略 | andrewさんのブログ

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地政学…、最近はとんと聞かなくなりました。


以下、The Voice of Russia より転載


ロシアのユーラシア地政学戦略


ロシアのユーラシア地政学戦略について、国家安全保障問題学術調査センターのイーゴリ・ボチャルニコフ所長の見解をご紹介したい。


ユーラシアの地政学的戦略はロシアにとってはより将来性の高い発展プロジェクトに数えられる。ロシアが他と異なる点は、この国がユーラシア大国であることにつきる。大きさでも大陸輸送のポテンシャルの上でもこれだけ力を持った国は世界にはない。にもかかわらずロシアの外交は、少なくともここ100年に間は、ヨーロッパに顔を向けた路線を優越させてきた。アジア路線はロシアにとってはかなりの例外であり、まさにこの場所にこそロシアを効果的に発展させるリソースが集中しているにもかかわらず、常に周辺的なものに留まってきた。


こうした偏ったアプローチがなされてきた原因はロシアの一連の政治家らの意識下に、 我々はヨーロッパの国である、だからヨーロッパの基準に合致せねばならないという公理があったこと、そして残存し続けていることにある。だが実際はロシアがヨーロッパ人に認められたことは一度もなく、その状態は今も続いている。ロシアはヨーロッパにとってはあまりにも大きすぎる国であり、これがゆえに常に恐れられてきた。欧州安全保障の確保という命に関わる重要な問題が、何らかの大きな脅威にさらされる度に、ヨーロッパ人はロシアに視線を投げかけてきた。これは1812年のナポレオン戦争でも、第1次世界大戦、第2次世界大戦の歴史が如実に語っている。ところが問題がロシアの協力で解決されると、その度にヨーロッパでは度を越した反ロシアキャンペーンが繰り返されてきたのだ。


そして、第2次世界大戦の終焉から70周年を前にした今、1945年、ヒトラー主義から救われたはずの欧州は、当時の大戦の主要な重荷を背負ったロシアに対し、一致団結して反対を示している。これらすべては、ヨーロッパ人がロシアに対して抱く態度の本当の姿を物語っている。このため、ヨーロッパがロシアと同等な関係を構築しようとするだろうという期待はすべて幻想なのだ。


この条件下ではロシアの発展の優勢的な方向はユーラシアとなる。ロシアの国益は欧州にはない。欧州はすでに世界政治、経済のなかで周辺へと追いやられつつある。ロシアの関心があるのはアジアだ。そしてそれは何よりもまず、アジア太平洋地域である。この地域の特徴は政治、経済の両方のプロセスが早い動きを見せていることにある。そのプロセスとは、アジア太平洋地域を世界の政治経済の最重要中心地へと変えていくものであり、この傾向は堅実なものだ。現在、アジア太平洋地域の経済は世界全体のGDPの57%以上を作り出している。そして将来、この割合は増える一方であることが予想される。


アジア太平洋地域で今、土地と役割をめぐる熾烈な競争が展開されているのは偶然のことではない。2013年2月、オバマ米大統領が自らの大統領就任第2期の最優先活動のひとつとして環太平洋戦略的経済連携陣営における米国の支配を確保すると定めたことも偶然ではない。2014年4月に行われたアジア歴訪はまさにこれにターゲットを絞ったものだった。その結果は上出来には程遠かったが、これは米国のこの地域におけるポジションの脆弱さを物語っている。ロシアはその地理的な位置や、100%実現されているとはとても言いがたいものの、大きな経済ポテンシャルを有しており、東南アジア、ラテンアメリカ諸国とは良い関係ができあがっているために、主導的とはいえないものの、少なくともアジア太平洋社会での同等な参加者となれる実際的な可能性を有している。


ロシアのユーラシア戦略で最重要な方向性となるのは、互恵的協力関係と中国だけでなく、インドをも相手にしたパートナー関係の発展でなければならない。これによって、アジア太平洋諸国の多くが考える、ロシアのあまりにも中国に集中した方向性が緩和されるだろう。プーチン大統領の2014年12月のインド訪問もこれを如実に物語っている。


ロシアと欧州の関係史と今の地政学的状況は最終的に、ロシアが中近東から極東までのアジアの全域で主導的なユーラシア国として認められるために尽力を活発化させる必要性を決定している。これこそが、ロシアのユーラシア地政学戦略の最も意味のある目的のひとつに数えられる。だが、この戦略が成功するためには政治的意思や決定、合意の調印だけでは不十分となるだろう。ユーラシア地政学戦略の意義の大きさについて、戦略策定者もそれを執行する人間も両方がしっかり認識していることが欠かせない。


以上、転載終わり


続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/2015_02_28/283129898/


詳しくはこちら、РИА Новости(http://ria.ru/zinoviev_club/20150226/1049811595.html


記事はけっこう難しい内容ですが…


そういえば…、かつて日本で「地政学」がいわれた頃…


職場の同僚が日本では忘れられていた「地政学」を世に出した先生の教え子…


そしてその後お世話になった某編集者がその「地政学」の本を編集された方…


思えば、縁あったような…


冒頭にも書きましたが最近ではとんと出てきません…


しかし、日本に必要な学問だと思います。