日本の潜水艦、大洋に乗り出す | andrewさんのブログ

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何故か日本ではほとんど報道されていない豪州への潜水艦輸出、それについて拙ブログおなじみ(?)のロシア戦略技術分析センターのワシーリイ・カーシン(Василий Кашин)さんの意見です。


以下、The Voice of Russia より転載


日本の潜水艦、大洋に乗り出す


日本と豪州が日本の通常動力(非原子力)潜水艦「そうりゅう」の豪州への供給をめぐる交渉を加速させている。弾みをつけたのは、日本がこれまでの武器輸出制限を緩和したことだ。日本はドイツ、フランス、ロシアに続く、世界市場における第3の輸出国となることが出来るか。戦略技術分析センターのワシーリイ・カーシンは次のように見る。


通常動力型潜水艦の需要は年毎に増大している。このタイプの潜水艦が、軍事的能力とともに、政治的意義をも有しているためだ。日本は長年、潜水艦部隊の拡充と対潜水艦兵器の洗練を最優先課題として取り組んできた。その清華たる「そうりゅう」型は、議論の余地なく、通常動力型潜水艦として世界で最も優れたもののひとつだ。しかし、そのことと、日本が潜水艦市場に先行進出している国々のライバルとなることが出来るかということは、別の問題だ。


日本はなるほど武器輸出にかんする制限を緩和した。しかし、依然として、武器輸出について日本は保守的だ。加えて、日本の潜水艦は、多くの外国の技術に支えられている。潜水艦搭載の兵器は多く米国の対艦ミサイル「ハープーン」であるし、ソナーについても、米国の技術的寄与の比率が大きい。実際、これまで米国は、この事実によって、同種の潜水艦の第三国への輸出を阻止してきた。


「そうりゅう」型の高度に戦術的・技術的な性格に鑑みるに、米国が、たとえばインドやベトナムへの輸出をゆるすとは考えにくい。ロシアと米国は互いに輸出先・技術協力先が重ならないようにしている。よって、日本の「そうりゅう」輸出がロシアにとって脅威となるとは考えにくい。


むしろ「そうりゅう」は、一部の国で、ドイツやフランスの潜水艦と競合する。ただし、「そうりゅう」は独仏の潜水艦より高価である。加えて、独仏には既に確立された販路があり、アフターサービスなどのシステムも確立されている。


以上を総合するに、「そうりゅう」輸出先は、アジア太平洋地域の一部の豊かな大国、それも米国の同盟国である国に限られる。


日本と中国との関係悪化は深刻であり、日本はあるいは、もはや何も失うものはないとばかり、「そうりゅう」供給を台湾に持ち掛けるかもしれない。台湾は潜水艦部隊の刷新を積年の課題としてきた。その問題が解消する。むろん中国海軍はこれをよく思わない。中国はまだ、遠い沖合いにおける対潜水艦態勢を確立していない。台湾に大型潜水艦が備わると、大陸から遠い海域で、中国の海上の連絡が寸断されてしまうかもしれない。中国はこれを恐れる。


また、もし米国と日本がフィリピンの軍事力向上に大型投資を行う気があり、十分な政治的意思を発揮するなら、「そうりゅう」がフィリピンに供給される可能性もある。これも中国には不愉快なニュースとなるだろう。南シナ海の情勢が変更されるからだ。


総合するに、日本が通常動力型潜水艦の輸出をはじめても、世界の潜水艦市場が深刻な影響を受けることはありそうにない。しかし、将来的に、東アジアの安全保障環境に大きく影響を及ぼす重要なファクターになる可能性は高い。


以上、転載終わり


続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/2014_09_09/277061476/


さすがです、日本では絶対言えないこと「台湾」への潜水艦輸出の話が出てきています。


豪州への輸出はその1歩というか、「日本が台湾へ」の疑念を中国に起こさせる…


台湾への輸出はハードル高過ぎますが、政治的という意味では十分に効果があるのでは…