婬怒癡…2 | andrewさんのブログ

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舍利弗言 天止此室其已久如 答曰 我止此室如耆年解 舍利弗言 止此久耶 天曰 耆年解亦何如久 舍利弗默然不答 天曰 如何耆舊大智而默 答曰 解者無所言故吾於是不知所云 天曰 言文字皆解相 所以者何 解者不不外不在兩間 文字亦不不外不在兩間 是故舍利弗 無離文字解也 所以者何 一切諸法是解相 舍利弗言 不復以離婬怒癡為解乎 天曰 佛為增上慢人 離婬怒癡為解耳 若無增上慢者 佛婬怒癡性即是解


お読みくださいましたか。


超訳【維摩経】より


大勢の野次馬が見守るなか、激しい問答を繰り広げる文殊と維摩。

議論が白熱したその時です。
部屋の中空に突然ひとりの天女が出現しました。

そしてイキナリそこにいる全員の頭上に美しい天界の花びらを振りかけたのです。

菩薩たちの上に落ちた花びらは、そのまますぐに地面に落ちましたが、十大弟子たちの上に落ちた花びらは、なんと彼らの頭や身体にピタリと貼り付いてしまったではありませんか!

大弟子たちは必死になって手で引っ張ったり、日ごろ鍛えた超能力を駆使したりしましたが、くっついた花びらは全く外すことができません。

それを見ていた天女は、シャーリプトラにたずねました。

「ねぇお兄さん、どうしてお花を取ろうとするの?」

シャーリプトラは答えました。

「やかましいっ!どこの世界に花びらを全身にくっつけた修行僧がいるものか!これは我らにはふさわしくないんだよ!だから取るんだ!!」

天女は言いました。
「あらあら・・・そんな風に考えちゃ、お花に失礼だわ。
その花びらは別に「ようし、あいつにくっついてやれ!」なんて考えてあなたにくっついているわけではないのだから。
菩薩の皆さんを見てごらんなさい。
なんで彼らには花がくっつかないのだと思いますか?
悪魔は、「恐れ」のない人には襲いかかれないということがありますよね。
菩薩たちは既に、いかなる外部環境によっても左右されない心を持っています。
もちろん花がつこうがつくまいが、全く気にしません。
だから、かえって花びらはくっつかないのです。
お兄さんたちお弟子さんがたには、どうやらまだ生死に恐れがあるようですね。
眼や耳や鼻などの全身の5つの器官から受ける刺激に対する煩悩が、まだまだたっぷりと残っているのでしょう。(笑)」

シャーリプトラは、ムッとして話題を変えました。

「そういえば天女さん、あんたいったいいつからこの部屋の中にいるんだい?」

天女:「そうね、維摩のオジサマが解脱しているのと同じぐらいかしら。」

シャーリプトラ:「え?じゃあ、もうずっと長いこと?」

天女:「あら、オジサマの解脱はずっと長いあいだだと考えてるわけ?」

シャーリプトラ:「・・・・・・・・・」

天女:「あらあら。お兄さんみたいに賢い人が、どうして黙っちゃったの?」

シャーリプトラ:「うるさいな!解脱ってのはな、言葉では表現できないものなんだよ!だから・・・オレにはここで何て言ったらいいか、わからないんだよ・・・」

天女はしれっと言いました。

「あら、そんなことないわ。言葉も言葉を使った説明も、みんな解脱そのものといっていいハズよ。
解脱は、内にもなければ外にもないし、内と外の間にあるのでもないわ。
文字もまた、内にも外にも、その間にもないわけだから、文字を離れて解脱を説くことはできないのじゃないかしら?」

シャーリプトラ:「えーっと・・・解脱って、淫欲とか怒りとか迷いとかから離れることじゃなかったのでしたっけ?」

天女:「ああ、それはまだ悟りもしないのに「悟った」などと思い上がっている人のために、仏があみ出した説明よ。(笑)
思い上がりの全くない人に対しては、仏は「淫欲・怒り・迷いがあることこそが解脱なのだ」と説明しているわ。」

シャーリプトラはぐうの音も出ないほどやっつけられてしまいましたが、何とか言葉をしぼり出しました。

「こ、これはオミソレいたしました・・・
貴女の弁説は完璧です。素晴らしいのひとことです!
それにしても天女さん、貴女はいったいどんな奥義を誰から授けられたのですか?」

天女は答えました。

「奥義ですって?私はいまだかつて何も授けられたこともなければ、得たこともないわ。
だからこそ、このように弁じることができるのです。
だってそうじゃない?
何かを「得た」とか、誰かに「承認してもらった」なんていうのは、とんでもない勘違いヤロウのいうことですもの。」


いかがですが、漢文より以前もところもあります。


いろいろな感想を持たれたと思います。キリシタンの私が紹介しているくらいですので(笑)。