ボーン・コレクター

  ジェフリー・ディーヴァー
 

池田真紀子

 

 

近時サイコミステリの極北。

再読になり、前回は映画を見ていたうえで読んだにもかかわらず、結構長いと思っていた。

捜査(調査)方法が、非常に微に入り細に入り書かれているので、、そこについていけないと挫折する本ではある。

但し、ミステリの教科書として読むのならば、これほどすぐれた本もそうあるものではない。

訳文と合わせ、文章表現が良い。

プロットが良い。

人物造形が良い。

描写が(取りようによっては露悪的ではあるが)、非常に写実的である。

何かを取り込もうと思って読むと、相当いろいろなことをこの本は教えてくれる。

著者のプロット作成法などは聞いたことがあるが、とにかくそこまで練って練って練っていって、それでもなかなかここまではいかないレベルである。

好き嫌いは当然にあるジャンルだが、出来栄えは秀逸としか言いようがない。

一読目と再読でここまで受け止め方の異なる話も珍しい。

 

≪参考にすべき点≫

捜査(調査)方法の描写に関する綿密さは、著者独特のものである。

書き過ぎると読者がついてこられないし、薄いとリアリティに欠ける。おそらくやや過剰に振った分量なのだろうが、説得力を持って読ませてしまう。

この箇所の描写方法は特に参考にしたい。

 

≪他山の石≫

アームチェアとしては、ここまで重い設定の話も少ない。「ママはなんでも…」などと比べると、同じジャンルとは思えない程、いろいろと背負っている。

後は分量。相当長い話であり、中盤がどうしても同じスタイルの繰り返しになるので、少しダレル感じはある。そこを切ってしまえば、更にドライブ感が増す。

緻密な描写であるがゆえに、どうしても文書量が増えていくので、その当たりの精査を取り入れたい。