金曜の朝は、東京青年医会の勉強会からスタートです。
冒頭、土谷代表よりご挨拶があり、その後、心臓血管研究所付属病院 心臓血管外科部長國原孝先生をお招きして、ドイツでの長年にわたる豊富な経験や心臓血管外科手術について、ユーモアを交えながらお話しいただきました。
私からは、お話の内容がすごくわかりやすく、またパワーポイントの組み立て方が絶妙で、とても勉強になりました。日本では電気メスなどをすべて使い捨てていますが、アメリカなどの海外には再生工場があります。日本でもリユース、リサイクルをするしくみが整えば、医療費の削減につながると思いますが、ドイツではいかがでしょうか。と伺いましたところ、「ドイツでは、バイパス手術で使う静脈を内視鏡で取る器具も、日本ではディスポーザルのものばかりですが、ドイツではリユースのものばかりでした。さまざまな問題はあるとは思いますが、日本でもバランスをとって進めていければ」というお話でした。
また、日本では現在、国の働き方改革に沿って、医師の時間外労働に関しての議論がはじまり、日本の医師は働き過ぎではないか、法的にも問題があるのではないかという話もあります。ドイツの医師の労働はオン・オフがはっきりしているということですが、相対的な労働時間についての議論などはありますか?という質問をさせていただきました。
國原先生によると、ドイツに渡られた当初は昔の日本と同じく労働時間についての規制は緩かったものの、途中から労働時間の申告が始まり、2010年頃から厳しくなってきているとのことでした。
 

 

その後、全日本病院協会第1回特性要因図作成研修会に参加いたしました。

この研修は厚生労働省「平成25年度多職種協働によるチーム医療の推進事業―職種横断的質向上チームの構築と推進人材の育成―」の一環として行っております。業務フロー図で“見える化”すると問題点の発見は比較的容易ですが、重要な要因の抽出は容易ではありません。根本原因分析(RCA)と共に、極めて有用な道具となる「特性要因図(魚骨図)」の作成方法を取得して頂こうという趣旨のものです。

開会に先立ちまして私の方からは

「今国民の方々が我々医療人に求めているものは3つあると思います。1つ目は「安全で安心な医療」、2つ目は「質の高い医療」、そして3つ目が「分かりやすい医療」です。今研修の中にもこれらの内容が盛り込まれています。

当協会は、医療事故調査制度に対応しまして医療事故調査等の支援団体になっており、会員病院さんはもちろん、当該事例の遺族の方の相談・支援活動をさせていただいております。その一環として、今研修のような医療安全・院内事故調査に係る研修会、また業務フローの作成に関する講習会を開催してまいりました。医療事故調査制度について大切なことは、「原因究明」「再発防止」の2つです。そして、この2つをしっかりと行っていくためには、RCA、すなわちRoot Cause Analysisがとても大切になってきます。これらを行う上で「フィッシュボーン」とも呼ばれる特性要因図は、データ・エビデンスに基づいた医療の必須ツールになるわけです。

今回のプログラムは、我々の日常業務の中でも大きなウェイトを占める「退院支援・退院調整」「病床管理」「外来予約診療」「死亡事故発生から院内事故調査開始まで」といった重要且つ、理解を深めやすいテーマで、ひたちなか総合病院の永井庸次名誉院長、練馬総合病院の飯田修平理事長、東邦大学医学部の長谷川友紀先生に講師をお願いしております。また、委員会のメンバーが各テーブルをまわらせていただきますので、分からないことがありましたら、何でもご相談ください。

是非、今日学んだことを、ご自身の病院に還元していただき、地域に対してさらに質の高い医療を提供していただければと思います。」

とご挨拶させていただきました。

その後、マイウエイ四谷、オネスティ南町田、永生病院、イマジン、グループホーム寿限無、南多摩病院をまわり、東京都医師会病院委員会に出席いたしました。
本日の議題は以下の通りです。

●会長諮問事項
東京都地域医療構想の構築に向けた「事業推進区域」のあり方
・疾病についての医療提供の観点から
・病床機能別の医療提供体制の観点から
・地域包括ケアシステム構築における医療提供体制の観点から


やっと会長諮問事項の報告書が出来上がりました。委員の方々からは、「報告書が完成した上で、その報告内容を世の中のためにどう役立たせるかを話し合う事が必要。そのためには報告の内容を広めていくためのツールが重要である」というお話がありました。
私の方からは、
尾﨑会長も、「報告書をどんどん活用するべきだ」と仰っている。東京都医師会は月に一度、記者会見をしているので、その場を活用して、各委員会の委員長が報告書のサマリーを記者の方々にお話しするような形が良いのではないでしょうか、とお話しさせていただきました。

報告の主な内容は下記の通りです。
「構想区域」設定は二次医療圏でなく東京都とし、同時に、地域包括ケアシステム構築に最適な「急性期機能」と「回復期機能」の検討を、島しょ部を除いて区市町村毎に行う事を求める。即ち、「急性期機能」と「回復期機能」は原則として区市町村、「高度急性期機能」と「慢性期機能」は、病院偏在およびアクセスを踏まえて東京都全域で完結し、負担の大きい「地域医療構想調整会議」も東京都全体で行う事となる。
・病診連携をテーマとして平成20年から会を重ねているが、この間に医療環境は急速に変化して病床過剰時代に突入した。即ち入院以来や救急車を断ることは病院経営に直接のダメージとなる。然し乍ら、患者および診療所は依然として大病院志向であり、中小病院がその受け皿になっているとは言い難く、特に東京都では大病院集中にあると思われる。
・地域包括ケアシステム構築に臨んでは、診療所と地域に密着した中小病院との一層の連携が不可避だが、患者および診療所の大病院志向に対して、関係機関が協力して患者啓発を行う必要がある。また、大病院志向は専門性の問題だけでなく、経営母体の公共性やそれに由来する安心感もあると考えられる事から、中小民間病院は今まで以上に公益性の高い経営を目指すことが重要と思われる。一方でかかりつけ医の責務を示すことが病診連携における病院と診療所の役割分担を明確にし、その推進を促すものと思われる。
・今後の地域医療における円滑な入退院の推進には地域包括支援センターやケアマネージャーの果たす役割が大きく、その自律性を保った対応と技能向上のための継続的な教育を医師会や区市町村が協力して実施することが必要と考えられた。
・医師会の果たす役割は大きく、特に地域関係者間の調整機能が重要と思われた。

●地域包括ケアシステムで考慮すべき地域格差の一考察の報告
次に、平成28年度東京都医師会調査研究委託事業の「地域包括ケアシステムで考慮するべき、地域格差の一考察」についてです。これは東京都医師会が東京都病院協会に研究事業を委託しているものでして、先日のブログにも書きました通り、東京青年医会の2015年合宿で行った「初台プロジェクト」が元になっています。初台の町が2030~2040年にどのようになっているのか、医療介護は足りているのか、経済は破綻しないのか、ということを公開されている数百種類のデータを駆使して作ったものです。今回は人口動態の部分を東京都の市区町村ごとに出したものを報告しています。

私はこのグラフをかたどって、各市区町村のロゴマークにしたらいいのではないかと思いました(笑)
また、現在、東京の中小病院が経営的に非常に厳しく、地方の大きな病院グループからのM&Aの坩堝になっています。これは介護保険のように地域加算が付いていないことが大きな原因と言えます。さらには、現在では老健や特養においても稼働率が低下している事実があります。「地域加算をフェアにつけるべきではないか」「東京都入院基本料のようなものを作っていく事が必要ではないか」というように、様々な意見が出ています。

↓委員の池上直己先生のご著書です。とても素晴らしい内容ですので、是非ご一読ください。

 

その後、全日病福祉センターの取締役会、株主総会に出席いたしました。

全日病福祉センターは、医療従事者のために福祉・福利厚生に関する事業を行っておりその業務は医療機器や事務機器の販売から、損害保険代理店業務、生命保険募集代理店業務等です。

 

その後、「コップの中の医療村――院内政治と人間心理」を出版された中村哲生さん

出版記念パーティに出席しました。

まず最初に、この本の帯に推薦文を書かれた「何でも鑑定団」のおもちゃの鑑定で有名なおもちゃ博物館館長北原照久さんが、「僕が書いた帯のおかげかどうか定かではありませんが(笑)、アマゾンで一位になったそうで、おめでとうございます。」と挨拶されました。

続いて、中村さんのお母さん青年医会竹川勝治前代表中西泉先生などが登壇されて、

八斗ダルの鏡割りをされ、弦本先生の乾杯の音頭で宴が始まりました。

その後、数人のマジシャンによるマジックがあった後、往年の大コメディアンのせんだみつおさんや、オリンピック選手の猫ひろしさんなど、多くのコメディアンによるパフォーマンスがありました。

最後に私から、中村さん、今日はおめでとうございます。中村さんとは15年来に付き合いで、青年医会なのでお世話になり、永生会の顧問を引き受けていただいたのですが、このたび、八王子のほうに引っ越されてきたのを機に、永生会の特別顧問になっていただきました。そのタイミングで、訪問医療に関するこの御本を出版され、大変嬉しい限りです。医療界にもこれから難題が待ち受けていますが、七転び八起きならぬ、七転び八王子で頑張っていきたいと思います。本日は誠におめでとうございました。

とご挨拶させていただきました。

最後には出席者、ほぼ全員で記念写真をとって、お開きになりました。

 

その後、セントラル病院分院、本院、松濤南多摩病院をまわりました。

本日は法人の全ての施設をまわることが出来ました。