南多摩高次脳機能障害支援センターでは、平成26年より「高次脳機能障がいでつながる医療と福祉」と題し、医療機関専門職と地域の相談支援機関職員との情報交換会を行ってまいりました。第4回となる今回は、高次脳機能障害の中でも特に、失語症支援をしている関係機関の方々を対象にお互いの業務を知り、顔の見える関係を築くことを目的としています。

言語聴覚士に加え、ケアマネジャーによる事例発表も行われ、様々な意見交換が行われました。相談を通じて、初めて見えてくる本人の生活や求めているものがあると言います。病院から退院した後に担当セラピストと在宅の関係が切れてしまうことがあるので、職種や環境に縛られず、連携の距離を縮める努力は患者さんのためには重要です。
端的な訓練の提供だけが業務ではなく、生活や環境を理解、または一緒に考えるなどして個人に自信を持たせ、支援することが大事です。そのためには、地域や他の医療機関などと協力して、その人が生活しやすい、意欲を持って社会参加やコミュニケーションを図っていける環境を作っていけるよう行政も含めた活動が必要です。

発表内にもあった「治らない、けど良くなる」という言葉。シンプルですが深いと感じました。
セラピスト同士の情報交換の場は、施設内や限られた地域内で活動しているスタッフの意識共有や向上につながりますので、今後もこのような活動的な場所が増えることを望みます。