本日は南多摩病院の経営会議からスタートです。主な議題は次の通りです。
①慢性期入院透析について
例えば、病院救急車での搬送を利用して、入院は永生病院、透析は南多摩病院で行う、などグループでの対応を含めた検討を行うことになりました。
②小児科について
小児科の運営で成功している病院の見学報告がありました。要因の一つには、大学病院より医師を招聘して専門外来を行っていることがあるようです。
設備投資なども検討して、情熱あふれる医師と一緒に頑張って行きたいと思っております。
③DPCデータから経営に役立つ指標を考察
これは、南多摩病院の取り組みで、経営に役立つ分析を各部門で行い、優れた考察を経営会議で発表するものです。本日は医療技術部リハビリテーション科からの報告です。
・自院と他院のDPCデータを比較して、在院日数とDPC期間について考察。
・自院データを分析するために、FIM(機能的自立度評価表:Functional Independence Measure)改善度と在院日数を用いて考察。
診療やリハビリテーションの質を向上するために利用していたDPCデータを、経営との両立に役立てるのは、素晴らしい試みだと思います。分析の幅を広げて、引き続きの考察をお願いしました。

 

その後、南多摩病院をまわり、セントラル病院の医局会に出席しました。
私から、セントラル病院のある区西南部医療圏の4区分の状況等をご説明し、重症の患者様の受け入れが更に進んでいくであろうこと、そして今後は渋谷区医師会の研修会などに積極的に参加しながら、病院・診療所・介護施設との連携、そして多職種間の連携が重要になってくる、とお話しました、
そのうえで、セントラルの将来を考えた医局の体制について、今後の介護療養病棟の医療療養病棟への転換、地域包括ケア病床への取り組みなどへの対応も考えてつくっていきたいとお話させていただきました。
医局のリーダーとなる氏家先生からは「周囲の高度急性期の先生方とお話すると、セントラル病院への期待は高い。「断らない慢性期、闘う慢性期」ということで取り組んでいきたい。」との力強いお話がありました。
人間ドックへの今後の取り組みや病棟転換の手順などについて活発な議論がなされ、医局会でコミュニケーションを密にとっていこうということになりました。

 

その後、東京都社会福祉協議会の理事会東京都医師会の立場で出席致しました。
私も医療や介護に関しては様々なお仕事をさせていただいておりますが、どうしても福祉というものに関しては、接する機会が少ないので大変よい経験をさせていただいております。
東京都社会福祉協議会(東社協)は、社会福祉に関わる様々な課題の解決や、福祉サービスの向上などを目的として、広報・啓発や調査研究、講座・研修、ボランティア・市民活動の推進、権利擁護、福祉人材の確保、施策提言など、幅広い活動を行っている公共性の高い非営利の民間団体です。福祉サービス提供事業者、福祉団体、行政組織、ボランティアグループ、NPOや市民活動団体、企業など、都内の福祉に関わる関係者の幅広いネットワークづくりを通して、だれもが暮らしやすい地域社会の実現を目指して活動されております。
全国社会福祉協議会は、中央組織として、全国各地の社協とのネットワークにより、福祉サービス利用者や社会福祉関係者の連絡・調整や活動支援、各種制度の改善への取り組みなど、わが国社会福祉の増進に努めていらっしゃいます。


私からは、福祉の世界におけるキャリアアップについて、質問をさせていただきました。
介護職に関しては キャリア段位のようなものを利用しているとのことでした。福祉の世界のキャリアアップはまだまだ改善が必要なようですが、私は、公平公正な人事考課をして、やる気がある方々が報われる仕組みづくりをして行くことが必要だと思いました。
介護職あるいは保育士の不足の問題、給与アップすなわち処遇改善のお話もありました。地域包括ケアをうまく動かしていくためには、人口20万人当たり5,000人位の介護福祉士が必要とのことです。これは単純に考えても40人に1人ということで、なかなかの数ではないでしょうか。
私の案は、介護職も保育士も不足しているのであれば、フィンランドの「ラヒホイタヤ」の制度、すなわち准看護師、介護福祉士、保育士や様々な10種類以上の職種の基本的な基礎教育を統一化していって、一人何役も可能な職種をつくるものです。今後、日本の高齢社会、労働人口が減る中では、一人何役というような資格をつくることも必要ではないでしょうか。地域包括ケアをうまくまわしていく「地域包括ケアリスト」の発想です。
また、社会福祉協議会というのは、福祉に関する様々な事業所や職種の方々が集まる会ですが、考えてみれば、医療の世界にはあまりそのような形のものを聞いたことがありません。どうしても、医師が中心となるような団体が多いようです。開業権が医師、歯科医師、薬剤師、助産師、看護師、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師にありますが、これらの職種の方々が集まる協議会というものは無いような気がします。私の素人的な発想ではありますが、東社協にならって、東京都医療協議会、略して東医協というものがあってもよいのではないかと思いました。

 

その後、第2回訪問看護ステーション・ケアマネジャー・医療機関等との連携による在宅医療服薬支援事業関係者連絡会東京都医師会として出席をさせていただきました。


非常に長い名前ですね(笑)
在宅医療服薬支援事業は、薬剤師さんが訪問看護ステーション、ケアマネジャーさんや医療機関と多職種連携で、モデル地区の3地域において、在宅医療で服薬状況に問題がある患者様に対し、服薬管理等の支援を行い、またその訪問薬剤管理業務を評価し、結果を報告するというものです。
私からは、東京都医師会においても、昔は医師だけが集まって話す会議が多かったようですが、最近では多職種協働、多職種連携で様々なことに取り組んでおり、とてもよい結果も出てきております、というお話をさせていただきました。   
第一回目は、私の地元の八王子市も中野区、品川区と一緒に事業に参加をさせていただきました。
対象の疾患は、認知症、循環器疾患、糖尿病が上位を示しております。
結果としては、
・飲み残し薬・残薬の低減に寄与した。 
・服薬カレンダーの導入により服薬コンプライアンスが向上した。
・保管薬剤の整理または保管方法のアドバイスで服薬コンプライアンスが上がった。
・利用者の薬に対する理解度が上がった。
などの良い結果が出ております。
このような良い事業は、地域に、より一層浸透して行けばよいと思いました。

 

その後、日頃からお世話になっている都議会議員の方々の会合に顔を出し、セントラル病院松濤・分院・本院、マイウェイ四谷をまわったあと東京都医師会に立ち寄り、最後にオネスティ南町田をまわりました。

 

※ラヒホイタヤ = フィンランドにおいて、保健医療分野と社会サービス分野の日常ケアに関する様々な資格を一体化し、一つの社会・保健医療基礎資格としたもの。具体的には、准看護婦、精神障害看護助手、歯科助手、保母・保育士、リハビリ助手、救急救命士、知的障害福祉士、ホームヘルパー等を統合した資格