本日は、まず永生病院と南多摩病院をまわりました。

その後、東京都医師会猪口正孝副会長と、都議会公明党の方たちとの勉強会に出席いたしました。テーマは、東京における地域医療構想策定の進捗状況と課題です。
 

猪口先生から、東京都地域医療構想策定部会を、過去6回の部会資料を中心に詳細な説明がありました。昭和60年に第一次医療法改正が行われ、二次医療圏ができた。しかし、東京は江戸城を中心に五街道に沿って、放射線状に町が広がっているので、島しょ部を除く12の地域二次医療圏に分割したが、地図に沿って分けられてしまったので、実際の町の構成とは異なっているのではないか。また、東京は交通網が発達しているので、住民は大学病院に行きたいという気持ちが強いのかもしれない。また、二次医療圏という病床規制が中心だったものに、様々な医療計画が順次乗ってきたために、医療機関としては、実際の流れと違うので困っているという状況である。例えば、住所地ベースでは、区中央部には慢性期を作らなければならない。多摩地域には特定機能病院を作らなければならない。など様々なものを作らなければならないので、コスト的にも膨大になる。いまあるものをガラガラポンしてしまわなければならなくなるというデメリットがある。という話がありました。
    
 
そのようなことを踏まえて、東京都医師会と東京都病院協会東京都と十分な議論をした上で考えたものが病床整備区域と事業推進区域である。もともと、ONE東京という議論もあった。
最後に猪口先生から、重要なのは、都市計画と一緒にやるべきである。東京の生活圏と医療圏は合致させるべきである。という話がありました。

私からは、例えば、一般病床から地域包括ケア病棟や療養病床に転換したくても、病室面積、廊下幅、広大なトレーニングルームなどが必要なので、全国一、土地が高く、物価も高く、人件費も高い東京では、全国一律の診療報酬体系では思うように転換できない。
そういう意味で、廊下幅など対応可能なものは規制緩和を考えなければならない。介護保険のなかでは、介護報酬に地域加算がついているように、医療報酬にも地域加算をつけるか、東京都入院基本料のような独自のものをつくっていかなければ、今後、地方の体力がある大病院が進出してきて、地元にもともとある病院が厳しくなってしまうのではないか。という話もさせていただきました。

都議会公明党の議員の方々も、一時間半にわたり、非常に熱心に活発に質問、意見交換していただけました。




次に、東京都医師会理事会に出席いたしました。

議題は以下の通りです。

1.活 動 報 告
1.東京都保健医療計画推進協議会について     

尾崎治夫会長から、東京都の保健医療計画において、個別の様々な計画はあるが、重要なのは、大きな目標、即ちグランドデザインではないか!そして、それに基づいて、病床整備区域と事業推進区域を決めていく必要があるという話がありました。
猪口正孝副会長からも、今までのように、二次医療圏単位で様々なセンターを作ればいいという問題ではない。という話がありました。

2.医療機関に退蔵されている水銀血圧計等の回収に関するセミナーについて

 
2.協 議 事 項
1.総務
1.地区医師会長連絡協議会議題に関する件 
2.対外委員の推薦に関する件     
①「東京都エイズ専門家会議委員」
②「東京都精神障害者保健福祉手帳等審査会委員」
③「精神疾患地域医療連携協議会委員」
3.各種委員会委員に関する件     
「病院委員会委員」 
4.各種委員会の諮問事項に関する件    
「医療開発委員会」
「生活習慣病対策委員会」
5.共催並びに後援名義使用申請等に関する件   
①第42回葛飾糖尿病医会(後援)
②平成27年度東京都自殺未遂者支援研修(後援)
③フォーラムがんと生きる~こころとからだ 私らしく~(後援)
④健康増進セミナー(後援)
6.医陪責保険制度における「指導・改善委員会」に関する所属会員への指導・改善に関する件   
2.疾病対策
3.学校保健
4.社会保険
5.出版・広報
6.医療情報
7.地域保健
8.医療福祉
9.病院・防災
1.平成27年度第2回東京JMAT研修会の開催に関する件 
10.医療安全対策
11.学術・教育
12.東京都リハビリテーション病院
13.経理

3.報 告  事  項
1.総務
1.「国民医療を守るための国民運動」の展開に関する件   
2.法人番号の「通知・公表」開始スケジュールの周知に関する件  
3.第54回十四大都市医師会連絡協議会の開催(第7報)に関する件
4.「明日の象徴」授賞式・小宴のご案内に関する件  
5.「広尾病院」開設120周年記念催事のご案内に関する件 
6.日本医師会 医師確保対策に関するアンケート調査ご協力のお願いに関する件
7.平成26年度眼科医紛争事例調査へのご協力に関する件 
8.日本医師会医師賠償責任保険付託に関する件 
2.疾病対策
1.エボラ出血熱の国内発生を想定した対応に関する件  
2.中東呼吸器症候群(MERS)の国内発生時の対応に関するQ&Aに関する件
3.COPD(慢性閉塞性肺疾患)対策事業に係る広報媒体の送付に関する件
4.平成27年度第2回東京都マンモグラフィ読影講習会受講生候補者の推薦に関する件
5.東京都南新宿検査・相談室エイズ相談受付・HIV検査実施状況報告(9月分)に関する件  
6.中高生に対するピロリ菌検診と除菌治療:実施状況と方法に関するアンケート調査ご協力のお願いに関する件      

小中学生の陽性率は、20%だそうです。 

7.ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関
8.平成27年度「児童虐待防止推進月間」の実施に関する件 

のぞまない妊娠も大きな原因のようです。

3.学校保健
4.社会保険
1.東日本大震災に伴う保険診療の特例措置の期間延長等に関する件
2.データ提出の実績が認められた保険医療機関のデータ提出加算の取扱いに関する件
3.平成27年台風第21号による被災者に係る被保険者証等の提示等及び公費負担医療の取扱いに関する件      
4.医療費等通知の実施に伴う周知に関する件  
5.労災保険指定医療機関の指定推薦に関する件   
5.出版・広報
6.医療情報
1.「平成26年受療行動調査の概況」送付に関する件  

90.7%の方が、特定機能病院では予約をして外来受診をしているそうです。

2.香川県医師会「かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX+)」視察に関する件
7.地域保健
1.化学物質等の表示及びリスクアセスメントに係る関係政省令、指針等の制定に関する件2.情報通信機器を用いた労働安全衛生法第66条の8第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導の実施に関する件 
3.労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行に関する件 
4.看護師等が行う診療の補助行為及びその研修の推進に関する件 
5.「看護職員の離職に伴う届出制度及びナースセンターが行う無料職業紹介事業
(eナースセンター)の認知に関するアンケート」へのご協力のお願いに関する件
6.厚生労働省看護職員確保対策特別事業「母性看護学、小児看護学及び母子看護実習に関する調査」の結果の送付に関する件 
実習場所が足りなくなってきているという話がありました。

8.医療福祉
1.行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び
行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の
施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の
整備に関する省令の公布に関する件  
2.「在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会」郡市区医師会へのご案内に
関する件
3.神経難病医療協力病院の新規指定に関する件   
9.病院・防災
1.平成27年度東京都病床機能分化推進事業(転換実行支援)に係る申請の再調査に関する件
2.自動体外式除細動器(AED)設置登録情報の適切な更新等に関する件
3.消防法施行令等の改正に伴う実態調査の実施に関する件  

10.医療安全対策
1.医療機器「COOK Spectrum M/R含浸中心静脈カテーテルキット」の適正使用に関する件2.「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 第13回集計報告書」の周知に関する件
3.医薬品医療機器総合機構「医薬品安全性情報の入手・伝達・活用状況等に関する調査」に関する件
4.「日本医師会医療事故調査費用保険」に関する件(追加情報その2) 
5.医療事故調査・支援センターへの報告方法等に関する件(情報提供)
6.医療法の一部を改正する法律の公布に関する件
7.テムセルHS注の使用に当たっての留意事項に関する件  
8.バンデタニブ製剤及び舌下投与用ダニ抽出エキス製剤の使用に当たっての留意事項に関する件
11.学術・教育
1.平成28年度東京都医師会主催「日本医師会生涯教育講座」テーマ一覧に関する件
2.「文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件(案)」に関するパブリックコメントの実施に関する件 
成田での医学部新設の問題についてです。

12.東京都リハビリテーション病院
13.経理


4.そ  の  他
1.平成28年度東京都予算要求概要説明について
2.「賢い患者さんのお医者さん選び」改訂版等の作成について 
3.2015年世界医師会モスクワ総会参加途中報告について
4.「都医ニュース」・「都医雑誌」に関する検討会について  

その他、現在、内視鏡学会では、学会に発表する際は発表前に倫理委員会を通さなければいけないのではないかという話がでているらしいが、クリニック等での発表の場合だと支障が出るのではないかということで、これに関しては、今後、日医の動きも見ながら発言していこうということになりました。



続いて、東京都医師会役員勉強会に出席しました。

厚労省武田俊彦大臣官房審議官(医療保険担当)を囲んで、包地域括ケアシステム推進と
次期改定に向けた医療の重点課題
について話しあいました。
武田審議官とは、以前から病院協会青年医会の早朝勉強会でも、大変お世話になっており、Facebookでのお友達でもあります。
 
武田審議官からは、自分が一番大事にしているのは現場をみることであり現場主義である。2035年の日本の医療・介護を考えていかなければならない。小手先の医療改革ではなく、身体に例えると、対処療法から体質改善が必要である。様々なインセンティブ改革も必要である。そして重要なのは、地域包括ケアシステムをどううまく動かしていくかである。など、
現在の医療と介護の重点ポイントに関して幅広く、ご自身のご意見を踏まえお話していただき、大変勉強になりました。

 

 

 
  

私からは、今後、日本の国力の範囲の中で、充実した社会保障をつくっていくためには、
質を確保した上で、なんでもありの総力戦で立ち向かわないと、日本の高齢社会は乗り越えられない。それを実現するためには、一つには規制緩和、二つめにはマンパワーの確保ではないか。例えば、2018年3月末で廃止とされている介護医療型施設も現在人気がある。その理由として、老健では医療必要度が高くて診られない、また医療療養病床を考えると、医療必要度が軽度である、しかし、在宅では手間がかかりすぎ診られないという医療区分1のADL3にあたる方々をカバーしているからである。現場の感覚から言うと、例えば、現在、介護医療型医療施設100床あたり医師3名のところ、医師1名にし、しかし特定看護師を2名いれる。当直医は絶対に必要なので、それに起用することによって24時間365日、医師がいる状況ができる。それを行うことによって、在宅のカバーもできるし、医療費も現在よりかからない。そのようなトータル的に規制緩和はできないものだろうか。さらに、日本の医療・介護は施設基準が非常に厳しすぎる。日本の大学は入学試験は厳しいが卒業は比較的たやすいように、日本の医療は、施設基準は厳しいが、アウトカムはどうなのだろうか?私が重要に思うのは、PS(患者満足Patient Satisfaction)ES(職員満足Employee Satisfaction)とアウトカムではないかと考えます。しかし、施設基準が厳しいと言いながら、地域包括ケアに関しては、様々な地域のことをモデルにしようといいながら、もあっとしていて、地域の方たちは、どうやって地域包括ケアシステムをつくればいいのか全体像が浮かばない。そうであれば、地域包括ケアのインディケーターをつくったらどうかという提案
をさせていただきました。


 

 

その後、東京都医師会地区医師会理事会訪問で、足立区医師会理事会に参加いたしました。
これは野中前会長時代からの試みで、東京都医師会の役員が地区医師会の理事会に参加させていただき、地域医療や介護の様々な話を聞かせていただくものです。
 
初めて訪れた足立区医師会は、建物が非常に立派で驚きました。

本日はテーマが2つあり、1つ目は、平成28年度から学校において実施予定の「運動器検診」についてです。
ご提案の趣旨としては、標準検診の実施が決定したとの情報があるが、その実施方法や学校医側の実施体制についてどの程度明確になっているのか最新の情報を知りたいということでした。
担当の正木忠明東京都医師会理事からは、これはあくまでもスクリーニングであり、脊柱や胸郭や四肢の異常をみるもので、姿勢や歩行に注意が必要で養護教員の方と密な情報交換を行なう必要がある。そこで学校保険医のほうで必要があると判断したら、整形外科を受診してもらうというものです。という話がありました。
須藤秀明足立区医師会長からは、学校医の負担が多くならないか心配である。
天沼満足立区医師会副会長からは、まず養護教員と家族が調査票に記入するということが大変なことなので、それについてのマニュアル、指針を作る必要があるのではないか?さらに、学校医にとってのマニュアル・指針も必要で、とにかく不安を取り除いて欲しいというご意見がありました。
また、今井良枝足立区医師会理事からは、整形外科医の対応もばらばらでは困るので、標準化できるようにして欲しい。というご意見もあり、正木理事から、整形外科医への研修も考えなくてはならないと思うという意見がございました。


もう一つのテーマは、平成26年度診療報酬改定時に新設された、1)基本診療科の「地域包括加算」、2)特掲診療科の「地域包括診療加算」に関しての届け済み医療機関の状況についてで、提案趣旨としては、両診療報酬算定のための施設基準届け出医療機関について、東京都内と東京都以外ではその医療機関数が相違しているとの情報があり、国が地域包括ケアシステム構築を目指すとしているなかで、当該診療報酬に関わる取り組みに地域差があるとしたら、どのような点に起因しているかということでした。

須藤会長から、熊本で行なわれた日本臨床内科医会でのCOI開示の発表についてお話がありました。





加算を取っている医師会の先生には、患者様2名前後と10名位以上の2つのパタンがあり、高年齢の先生のところは加算が取れていない。地域包括ケアにおいて、医師の育成のビジョンが必要ではないか?また、天沼副会長からは、在宅専門医が予防接種を行なってくれない。何かいい方法はないか?という意見もありました。

私からは、元々この地域包括診療料と加算は国の方でも外来の医療費を押さえたいという意図があり、非常にハードルが高い制度なので、なかなか手が挙がらない。できれば制度を見直して、多くの地域の先生方が手を挙げたいと思うような制度にするとともに、患者様の負担も軽減してあげなければならない。まして、病院においては、地域包括ケア病棟をもたなければならないとか、在宅療養支援病院をとらなければならないとか、救急医療をやらないといけないとか、さらにハードルが高い設定になっており、ほとんど手が挙っていない状況である。
在宅専門医に関しては、ある県の例では、医師会に入っていない在宅医であっても医師会立の看護訪問ステーションを使わなければなりたたない。そういう意味で、訪問看護ステーションの看護師から未入会の在宅医に医師会に入会に入会してほしいとお願いしたところ、ほとんど入会していただいたということだったので、医師会からのアプローチだけではなく、訪問看護ステーションや他職種協働メンバーから言っていただくのも手なのではないかという提案
をさせていただきました。

 

 

 
その後、セントラル病院の松濤、分院、本院をまわりました。

その後、先輩のお通夜に参りました。

最後に、再び、南多摩病院をまわりました。