器質異常と機能異常 | ありがとう「身体」

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身体の異常には大きく分けて器質異常と機能異常があります。

器質異常とは膝の半月板がすり減ってとか、骨折したとか、肉離れを起こしたなど、形態の異常を言います。

解剖学的異常といってもいいと思います。

一方、機能異常とは血液検査などで、コレステロールが引っかかったとか、尿検査で蛋白がおりていたなど、身体の機能が異常を起こして、正常な働きができなくなっている異常を言います。

こちらは生理学的異常といえます。

これらが組み合わさって起きる異常もあります。
腸に腫瘍ができて、便がつまってしまうなどが、それに当てはまります。

器質異常は画像診断やエコー検査で発見することができますが、機能異常は基本的に視覚では分からない異常です。


例えば首が痛くてレントゲンをとったら、ストレートネックと診断されたというと、首の痛みは器質的な異常の結果と普通考えがちですが、実際に治療していると、ストレートであることが問題の一つではあっても、それが必ず痛みの原因になっているわけではないことが分かります。

首は本来、前弯した状態だから、それがストレートになっているから痛いんだではないわけです。
ただストレートになっていれば、前弯している状態と比べると動き方が変わるので機能的異常を引き起こすことは考えられます。

このように考えれば首の痛みは機能的異常ともいえるし、症状が現れる背景はもっと複雑です。
器質異常、機能異常という考え方では片付かないことの方が実際は多いわけです。

その辺りをしっかり考えて調整すると、パッと見がストレートネックのままであっても、痛みはなくなります。

身体って不思議です。