こんにちは。心理師の古田です。
今回は、今読んでいる本を紹介しながら
「生きる力」を考えてみます。
やっぱり紙の本はいいですね!新調したスケジュール帳と一緒に
著者のブレイディみかこさんは
保育士の資格をもち
英国の託児所でお仕事をされていたのだそう。
以下へえ!と思った部分を引用します
実は、英国の中学校教育には「ドラマ(演劇)」というれっきとした教科がある。演劇は中等学校教育の一環としてカリキュラムに組み込まれており - 中等教育終了時の全国統一試験の受験科目にも入っている。(p36)
だから、英国の幼児教育施設は演劇的な指導を日々の保育に取り入れている。笑っている顔は、嬉しいとき、楽しいときにする表情であり、怒っている顔は怒りを感じているときにする表情なのだということを幼児を教え込むのだ。壁に様々な表情をしている人々のポスターを張って、「これはどんな顔?」と繰り返し質問し、「じゃあ、みんなもこの顔できる?」と同じ表情をさせてみる。そこから今度は「では、みんなはどういう時にこんな顔をしたい気分になる?」と話を展開して、「気持ち」と「それを表現すること」そして「それを伝えること」はリンクしていると教え、自分の感情を正しく他者に伝えられるように訓練するのだ。
私が勤めていた託児所は-DV、依存症などの問題を抱えた家庭の子どもが多く通っていた。彼らは表情に乏しかったり、うまく感情を伝えられないことが多かった。他人に自分の感情を伝えられない子どもは、他人の感情を読み取ることもできない。(p37-p38)
ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」新潮文庫(2021)より
いかがでしょう。私は
「感じる力」と「それを伝える力」が
生きる力として大切だと思っているのですが
それらを家庭だけに任せずに
幼児期から教育システムに組み込み、
試験科目にまでなっているのがすごいな!
と思いました。
特性のある子どもについては
また別のやり方があるのでしょうが
デフォルトでコミュニケーションの教育がある
というのがいいですね。
コミュニケーションの手前の
感じる力を育てるには
養育者による情動調律が大切と思います。
これがなかなかしんどさを抱える場合もあるので
またいつか書きますね。
ではまた!
チームメンバーが考える生きる力 その1
チームメンバーが考える生きる力 その2 →この記事