病気記事について
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結婚式当日
ついにこの日を迎えた。
当日朝一、彼と電車で式場へ
どすっぴんを帽子とマスクでフルガードし
うつむきながら歩く私と
(式場でスキンケアからやってもらう為)
寝起きからスピーチを呟き続けている彼
(丸暗記がんばった！)
ほぼ不審者カップル
この日、
寝起きからとても気分が良かった。
意外にも普通に眠れたし、
朝から普通にお腹も空いていたし
しかも、快晴
(きっと、お母さんが喜んでくれてるんだ🙌")
そんな風に思った
式場につき、私達はそれぞれの控え室へ。
私はまるでお姫様のようにもてなされ
されるがままにヘアメイクを開始
"あの、予定していなかったんですけど
途中のヘアチェンジのとき、ネックレスをこれに変えてもいいですか？"
そういって急遽メイクさんに預けたのは
母の形見のネックレス。
お色直しはしないけれど、
髪型を変えるのと同じタイミングで
ネックレスだけ付け替える事にした
ヘアメイク後、ドレスに着替え
すぐそばに母が居るような気がして
寂しさは全く感じなかった
そろそろ、親族が来て受付もはじまる時間。
そう思うととても身が引き締まったし、
ワクワクして気持ちが高揚してきた
身支度を終え、挙式の前にサプライズの時
先にチャペルで待つ彼のもとへ、
ドレスの御披露目に向かった
チャペルの扉を開けると、
ガラス張になった正面の窓から
木漏れ日が降り注いでいた
バージンロードの先には
背を向けて立つ彼の姿。
一歩一歩近づいていき、肩を叩く。
ゆっくりと振り向いた彼は、
既に目に涙をためていた。
"‥どう？"
ウキウキして聞いた私とは対照的に
大粒の涙を流し、顔を歪めながら彼が答えた
"すごく綺麗‥‥"
彼の涙の意味を悟り、思わず私も泣いた。
彼にとっての今日という日は
重い責任を背負う覚悟の日
でもある。
そして、
今日この場に
二人が立てたこと
それは喜びでもあり、悲しみでもある。
３か月前、母の病気が発覚しなければ
今日という日はなかったのだから。
私達はスタッフの目も気にせず
私は笑顔、彼は泣き顔で強く抱きしめ合った。
想いの詰まった彼の涙が、とても嬉しかった。
その後、彼と私の記念撮影
アルバム用に、
沢山の写真をとってもらった
そしてこの次は、
Ｓちゃんにもドレス御披露目のサプライズ。
スタッフからＳちゃん到着の知らせを受け
私は扉に背を向けて立ち、スタンバイ
私の正面で、
涙をぬぐった彼が見守っていてくれた。
扉が開く音に、胸が高まりドキドキ
静かなチャペルの中、
Ｓちゃんの動揺が背中越しで伝わってくる。
スタッフに促されながら、
一歩一歩近づいてくるＳちゃん。
"なにこれ？え？こゆき？"
振り返るとＳちゃんは、泣きながら笑っていた。
"どう？"
"すごく綺麗だよー
"
"ボロボロと泣き崩れていくＳちゃん。
私はまた、思わず一緒に泣いた。
"こゆき、本当に良かったね
頑張ったね！すごいね！
絶対、絶対に
幸せになるんだよ～
"
"Ｓちゃんと少し会話しながら、
二人でボロボロ泣き、笑った
今日までの全ての苦しい事や辛い事、
楽しい事全部を共有しあってきたからこそ
Ｓちゃんからもらう一つ一つの言葉には
彼とはまた違った重みがあった。
"今まで本当にありがとう
これからもよろしくね"
"私はＳちゃんとも、強く抱きしめ合った
私達を見守ってくれていた彼や、
式場スタッフも一緒になって泣いていた。
このあと、彼と私とＳちゃんの３人で
とびっきり笑顔の写真を撮った。
サプライズは無事、成功に終わった
式場を決めた日の話
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