八月納涼歌舞伎千穐楽第三部 見参
八月納涼歌舞伎 第三部は新作を上演すること
多し…アンダンテ歌舞伎元年の2001年8月は
「野田版研辰の討たれ」だった!
これが歌舞伎にハマる大きなきっかけの一つ…
ホント 野田秀樹と中村勘三郎(当時 勘九郎)の
タッグは金メダル級だ‼️
そして 今夏の新作は京極夏彦の書き下ろし
「狐花」 主役3人は「野田版研辰〜」にも出演
していたし
さて 初日から3週間ぶりの2度目の鑑賞
15〜20分程度 時間が短縮されていた
新作は 上演しながら少し改変したりもあり⁉️
台詞も皆さん きっちりと自分のものにして
より スムーズに分かりやすくなったように
感じた
初日鑑賞時は整理出来なかったストーリーの
細部 少しは分かった😌
とは言え 歌舞伎だし京極夏彦だし 理詰めでは
ないので あの時「実は私はあなたの…」って
告白しておけば ◯◯は死なずに違う展開に
なったのに!と今回も思ったけれど
まぁ それだと話はつまらなくなっちゃうので
仕方ないですが…
幸四郎・勘九郎・七之助と主役三人の中で
重要な役どころは七之助演ずる美しい 萩之介
狐の面を外した時にこの世ならぬ美しさが
ないと説得力がなくなるわけで…
女方のお葉の病み衰えた姿も痛々しく上手い
その意味では七之助に👏 声も良いし
一方の勘九郎は?
どこから見ても同情の余地なき悪い奴
第二部の髪結新三が可愛く見えるほどの極悪人
どんな役もこなせる役者になってきたのですね
踊りは勿論 文句なく上手い
剽軽な役もお調子者も 間の抜けた役も 哀れを
誘う役も…こんな極悪人も!
その意味で 本作の主役とはいえ幸四郎
台詞数も多いのにちょっと損な役どころ
だったかも
あれこれ説明するナレーター的な存在で
動きも少なくて見せ場は萩之介と2回
上月堅物と1回の長い対話シーン…
顔声姿良く 素早い殺陣も 腹に一物ある役も
何でも上手い役者のちょっと抑えた役柄だった
他 女方の米吉・新悟・虎之助…適材適所
真実を聞かされた時の米吉さんの演技も👏
悪徳商人の猿弥・亀蔵はどちらもファンなので
出演しているだけで👍 2人ともシリアスも
コメディもイケるのが頼もしい
染五郎は今回 悪役…ただ美しいだけでなく
色悪・実悪も出来そうな雰囲気で何より
父 幸四郎のようにコメディ系も演ってね と
特に高麗屋ファンでは無いけれど バァは思ふ
終始 客席は暗く 観客は息を詰めて舞台を
見守る というか新作なので台詞を聞き取ろうと
する感じ? お約束の歌舞伎とは違うので…
初日に見た時は 幸四郎の台詞に「あら?」と
思う微妙な間があったけれど 千穐楽は👌
そりゃあ 新作で長大な台詞はいくら
歌舞伎役者でも大変!前の千穐楽がハネて
あっという間に初日な訳で
他のタレントや俳優の何倍も大変だと思ふ
音楽も特徴的で ベンベンベンと響くのは琵琶?
最近は筋書きを買わないので不明…
いつもの長唄や義太夫とは違うBGMでした
それも新作ならでは 田中傳次郎 作調とあり!
さて 新作だとカーテンコールもありだけれど
初日にはなかった…千穐楽は?
終演の柝も入り照明もついたけれど👏やまず
一度幕が開き 幸四郎のみ深々と挨拶
本作は盛り上がって終わりではないので
カーテンコールは難しそう…
だって 一人だけ取り残され苦悩の表情だった
堅物(けんもつ)がにこやかに挨拶ってのも変だ
幸四郎さん お疲れ様でした
2階にはこんな団扇が並んでた
さて 次は9月「秀山祭」で夢枕獏かな?