原題"ANATOMY OF A FALL"
【以外ネタバレありです】
フランス映画ですが英語と仏語が飛び交う
法廷劇といってよい展開…実は夫婦間には
根深い怨恨?が根底に流れているよう
どうも観客は妻である女性に感情移入できない
ように作られています
少しずつ暴かれる夫婦間のいざこざは どれも
妻に不利なように見え観客はそう誘導されては
うむ?実は 違うかもと…行ったり来たり
最後は息子の証言に委ねられる…って 実際に
あんな裁判なのでしょうか?フランスでは…
まぁ 先進国では「疑わしきは罰せず」なので
無罪となるのは当然でしょう
決定的な決め手がないのですから
それに少年にしてみれば母まで失うわけには
いかないというのもありますし…
140分超えは チョイ長いかなぁ…それなりに
面白くはあるのですが 2時間にまとめていたら
もう少し高評価になったかも
夫婦間でもガンガン主張し合うって欧米
ならでは? フレンチ×アメリカン・カップルの
サンセット・シリーズでも丁々発止だったし
本作はドイッチェ×フレンチ夫婦でした
我が家はおっちゃんはあまり語る方ではなく
黙ってしまうほう…アンダンテは言わなきゃ
分からないでしょというほう 以心伝心はない
と思ってます!
なので時々 爆発するとおっちゃんは
「我慢しているのはあなただけじゃない!」と
要するに 人間関係 片方が我慢している時は
もう一方も…ということで ある程度納得し
離婚せず殺人も事故も起きずってことです
作中で使われたショパンのプレリュード第4番
エンドロールではバリエーションで流れました
一時期「Op.28 プレリュード」にハマり
ポゴレリッチ・アルゲリッチはじめ8枚位集め
聴き比べをしたけれど2人がテンポが両極端
でも どちらも深く心打たれるものでした
特に4番を使った意味…アンダンテには不明
分かる時が来るだろうか?
深い悲しみと逡巡が感じられる 第4番e-moll
もう一曲 アルベニス「スペイン組曲」からも
ちゃんとしたピアノで聴きたい…
それにしても 視覚障害者にとって周囲にある
「音」が命綱(ワンコがいたとしても) なのに
あの大音量かけるって父の思いやりも「?」
決してスッキリする作品ではないけれど
飽きることはありませんでした