「人は必要とされることが必要」というお話です。
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人は、必要とされることが、必要だ。
これは、僕が一番大切にしている言葉です。
誰もが認められたい、必要とされたい、誰かの役に立ちたいと願っている。
「ありがとう、あなたのおかげです」「あなたがいてくれてよかった」
誰もがそんな風に思われたいと願っているのです。
スクールカウンセラーの森田直樹氏は、こんな風に語っている。
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重要なのは、心にも栄養が必要なことです。
私はこの栄養を「自信の水」と呼んでいます。
子供達の心の中にはコップがあり、このコップの中に自信の水が入っていると考えてください。
そして、子供達は、日々このコップの水を使って生活をしていて、勉強に、部活に、先生や友達関係に、この水を使っていると考えましょう。
自信の水を使うと同時に、子供たちは周りの人たちに認められたり、親から愛情を受けたりして、自信の水を補充しているのです。
こうして子供たちの心の中のコップは、いつも自身の水が満たされている、これが心の発達につながっていくのです。
(森田直樹 著『不登校は99%解決する』リーブル出版)
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ここでは子供の心のことについて書かれているけど、僕の経験からすると、これは大人でもまったく同じだと思う。
僕たちも、職場や現場、社会で活動するときに、自分の能力について悩んだり、与えられた仕事で成果を出そうと頑張ったり、人間関係で悩んだりしながら、この心の中にあるコップの水を使ってる。
そして、誰かに認められたり、褒められたり、家族の愛情に守られたりして、日々このコップの水を補充することで、自分を支え、頑張って生きているわけです。
仕事でいちばん大事なことを今から話そう
森 憲一 著
青春出版社
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大切なことに気づかせてくれるお話があります。
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あるご主人が病気で奥さんを亡くされて、初めてキッチンで家事をしたそうです。
そのときにキッチンで食事を作る大変さに、ご主人は初めて気がつきました。
料理を作るためにはメニューを考えたり、買い物をしたりすることも必要だとわかりました。
奥さんが元気だった頃、仕事から帰ってきたご主人は奥さんに、
「まだ、食事ができていないのか?」
と怒鳴っていましたが、奥さんは何の文句も言わずに、
「ビールを飲んで待っていてください」
と言って、ビールを出してくれていたそうです。
そのときの奥さんの姿を思い出して、ご主人は涙が出たそうです。
奥さんが亡くなって初めて洗濯をしたときには、水の冷たさに初めて気がついて、なぜ、奥さんの手が荒れていたのかがわかりました。
寒い日に、笑顔で洗濯物を干していた奥さんの姿を思い出して、こんな大変なことを毎日笑顔でしてくれていたのかと思ったそうです。
どうして、
「毎日、一生懸命に家事をしてくれてありがとう」
と一言だけでも、ねぎらってあげられなかったのだろうかと、とても後悔したそうです。
(「小さな幸せに気づく24の物語」中山和義 著 / フォレスト出版)
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相手も自分と同じように、がんばっているんです。
自分だけががんばっていると思ったら、それは大間違い。
不満を言わない人は、楽をしているから言わないんじゃない。
強くあろうとがんばっているから言わないんです。
奥様もがんばっている。
旦那さんもがんばっている。
部下も、上司も、子どもも、大人も、生徒も、先生も、道端に寝転んでいるネコでさえがんばっています。
だからこそ、「がんばってるね」「無理しないでね」「いつもありがとうね」というねぎらいの言葉は、毎日かけてもいい言葉。
足りていない言葉なんだと思います。
寒い日に、手荒れをしながらも洗濯や食器洗い、子どもの世話や散歩と、毎日を自分以外の人のために使う主婦のみなさんは、特に言ってもらえる可能性が旦那様くらいしかいません。
心のコップの水を補充する人でありたいですね♪