「主客一体」という心 | 「魂が震える話」ブログ

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「主客一体」もしくは「一座建立(いちざこんりゅう)」という茶道の言葉を知っていますでしょうか?


以下をどうぞ。


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茶道には、茶席は「主客一体」、亭主と客とが一体となって創り上げるものだという考えがあります。


亭主は客の気持ちになって、「お忙しいのにわざわざ来ていただいて本当に有り難うございます」と思い、精一杯もてなします。


客は亭主の気持ちになって、「私のためにこんなにいろいろとお気遣いをいただき、大変有り難うございます」と礼を尽くすのです。


この主客一体の境地は、亭主の心配りと表現力、そして、亭主の機微を感得する客の力量とが合致して、ようやく成立します。


一朝一夕にできるものではありません。


でも、だからこそ、お互いの心が一つになった時、単に味がよいだけでなく、心にしみじみと染みいるお茶がいただけるのです。


料理人と客の関係も同じではないでしょうか。


二、三度通ううちに、注文をしなくても好みの料理が出てくるようになる。


客はそれを、料理人への感謝とともにいただく。


そうやって初めて体感できるおいしさもあると思いませんか?


あなたと私の気持ちが合致した時に、より深い境地が味わえます。


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「日本人の心、伝えます」


千 玄室 著


幻冬舎より


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招く側(ホスト)と、招かれる側(ゲスト)の双方が協力し、一体となってその空間を創り上げる。


そうすることにより、何とも言えない味や空間、気持ちに導かれるのでしょう。


客の立場だからといって横柄な態度をしたとして、それが良い結果に繋がるとは思えません。


例えば、子どもが一生懸命つくった料理を食べて、「おい、味が薄いぞ!」と言ったところで、美味しくなることはないでしょう。


それよりも、一生懸命つくってくれた事に感謝し、「すごいな!こんな料理もつくれるようになったんだ!」とねぎらってあげた方が、美味しくいただけると思います。


会社の仲間も、チームも家族も、意識して「良くしよう」と思わない限り、良いチームにはなりません。


自分のことばかり考えている人が集まったチームが【一番弱くて脆い】のです。



こんな話があります。



あるところに、2軒の家が並んでいまして、一軒の家では毎日喧嘩が絶えません。


もう一軒の家では、家族みんな仲が良いと。


そこで、ケンカばかりしている家の主人が、仲が良い家の主人に相談します。


すると、意外な答えが返ってきました。


「あなたの家はきっと“善人”ばかりの家族でしょう。


私の家は“悪人”ばかりの集まりだから、ケンカしないのです」



? ? ?



ケンカばかりしている家の主人は、意味が分からずに家に戻りました。


翌朝、隣の仲の良い家が何やら大騒ぎをしています。


どうも、その家で飼っている馬が、家の中を飛び回っているようです。


(となりの家でもケンカが始まるぞ!)と思い、主人がのぞきに行きました。


すると、こんな会話が聞こえてくるのです。


おじいさんが、「私が悪かった。夕べ、馬を繋ぐ時に、私が不注意だったんだ。そのせいで、こんなことになってしまった」と言う。


今度は、おばあさんが出て来て、「この私が不注意でした。私が悪いのです」と言う。


すると、若い主人が出て来て


「年寄りは早く寝て当然なのに、若いこの私が不注意だったのです。私にこそ責任があります」と言っていると、


その奥さんが「いいえ、それにも気が付かなかった私が悪かったんです」と


『仲良し一家』が、みんなで言い合っているのを見せ付けられて、やっと『喧嘩一家』の主人は気が付きました。


「なるほど。隣のご主人が、


『我が家は”悪人”ばかり集まっているから喧嘩にならない。お宅は”善人”ばかりだから喧嘩ばかりなのでしょう』


と教えてくれたのは、このことだったのか。


我が家も見習って、”悪人”ばかりの家にしたいものだ」


というお話です。



自分の中の正義や善を通そうとすると、「自分は合っている!相手が間違っている」という思考にしかなりません。


自分がまだまだ未熟で不完全な人間、つまり自分が悪いと言える人が集まると、「自分が悪かった。相手は素晴らしく頑張ってくれている」という思考になるので、争いが起きないばかりか、


自分の責任と捉えるので「成長」もできるのです。


自分が変わる!自分が直す!自分が成長する!


相手のせいにした瞬間に、自分は何も変える必要がありませんから、1ミリも成長しないということです。


どんなときでも「相手の気持ちと相手の立場」に配慮でき、相手を責めるのではなく「自分」の責任と捉える人が、結果的に喜ばれる存在になっていきますね♪



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「魂が震える話」


発行人:けい