投資のお話です。
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投資には2種類あります。
「自分への投資」と「お金(金融商品)への投資」です。
じつは、僕がほんとうに伝えたい投資の基本は、「自分への投資」。
自分に投資をして、いまのみなさんが持っている価値を何倍にもすることです。
そうすると、「蛇口から出てくるお金」を大きく殖やせるようになるし、おもしろい人生を送れるようにもなる。
20代のみなさんがどちらに多く投資すべきかと問われれば、断然前者なのです。
―――うーん。自分への投資より、金融商品に投資したほうがわかりやすいリターンが得られそうな気がします。なぜ、自分への投資のほうがリターンが大きいのですか?
たとえば、いまみなさんが100万円持っているとします。そして、現在のサラリーマンの生涯年収は高卒で2億円、大卒で2億5000万円と言われています。
さて、ここで投資のセオリーを思い出してみましょう。「なくなってもいいお金をリターンが得られそうなものに投じること」でしたね。
では、この「リターンが得られそうなもの」とは何か。
これから成長しそうなものです。
では、いまのみなさんにとってもっとも価値が大きく、なおかつ成長性が高いものは何でしょうか?いまある資産の100万円?違います。
2億円の価値を生み出す可能性がある、まだ若いみなさん自身です。
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働く君に伝えたい「お金」の教養
出口 治明 著
ポプラ社より
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100万円をせっせと運用しても、よほどセンスのあるデイトレーダーでなければ2億にすることはできませんし、マイナスもあり得ます。
2倍になっても200万。10倍でも1000万・・・
しかし、自分の可能性は無限にあります。
生涯年収が2億だとしたら、2倍、3倍、5倍・・・といった具合に伸びしろがあります。
もちろん、お金だけの話では無くて、それに費やす時間や労力も同じことが言えるでしょう。
プロ野球選手になった人も、人より努力を重ねた結果です。
マンガ「MAJOR(メジャー)」にあるエピソードをご紹介致します。
主人公の吾郎とともに野球を続けてきた寺門は、ある日自分の力に限界を感じます。
名門高校の為、他に才能あるピッチャーが多く、彼らには勝てないと、辞めることを決意しました。
仲間が必死に引き止めるも、
「才能の違うおまえらに、頑張れだの努力しろだの気軽に言われたくねぇ。努力したってレギュラーになれねえ奴はなれねえんだ!」と・・・
吾郎は言います。
「おまえ、本当に才能がねえんだろうな?つまり、本当に才能がねえと言い切れるだけの努力はしたのかって訊いてんのさ」
もちろん努力をしてきたと、寺門は答えます。
みんなと一緒にキツイ練習からも逃げ出さずに頑張ったと。
その言葉を聞き、吾郎は「ならいいんだ」と立ち去ろうとします。
その時、寺門からたまたま足のサイズが同じだからと、部から支給されるスパイクを渡されることに。
吾郎は「この前3足目のスパイクをはき潰したところだから助かる」と受け取りますが、寺門にとってはそのスパイクは1足目・・・。
その時初めて、自分はまだ1足目なのに吾郎はもう3足もはき潰すほどに練習していたんだと気づいたのです。
「他人にやらされてた練習を努力とは言わねえだろ。
好きな野球して将来飯食おうなんて図々しい特権、与えられた宿題こなした程度で手に入るわけねえじゃん。
まあでも自分で努力したってんならいいんじゃねえか?
本当の努力なんて、他人には知るよしもねえんだからな」
と言って去っていきます。
これは、どんな仕事にも言えることだと思います。
与えられた仕事をこなして「努力してます」と思う人もいる反面、
それ以上をして初めて「努力してます」と思う人もいます。
人が見ていないところで、誰に言われるでもなく、自発的に自分に投資できる人は、やっぱり成長して行く人でしょう。
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「魂が震える話」
発行人:けい