せめて祭りの晩ぐらい | 「魂が震える話」ブログ

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「最後の相場師」といわれた“是川銀蔵”氏のお話です。


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いま考えてみるに、神戸時代の子どもの頃のあの貧乏暮らしが最高の教育になっていたんじゃないだろうか。


ある宵宮の晩に、三匹五銭のイワシを買いにきた六人家族のおかみさんに、


「これで一盛りじゃ、おまえさんのところは子どもが三人おるじゃないか、せめて祭りの晩ぐらいひとりあてお頭付きの魚を食わせてやってくれ」


二盛りのイワシを包んでやった時の父の姿を今でも忘れることはできない。


自分は大家からいつも立ち退きを迫られ、家族は芋粥と残りものの魚しか食えない貧乏生活をしながらも、貧しい人を見たら、お金がなくても商売の魚を持って帰らせるような優しく、あったかい父。


そのおかみさんを送り出す父の後ろ姿を見ながら、父は偉いなあ、と尊敬させられたことを幼心にも身にしみて憶えている。


自分も大人になったら父のような人になるんだ、と思ったものだ。


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「相場師一代」

是川銀蔵 著

小学館文庫より


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本当の優しさとは、自分が寒くても、自分が着ている上着を寒がっている仲間に貸してあげる強さを持った人のことを言うのでしょう。


自分はお腹が減っていないからと、子どもに食べさせる親のことを言うのでしょう。


「いつもありがとうな」と、自分は贅沢していなくても社員に喜んであげる人のことを言うのでしょう。


そういう背中は必ず見ています。


誰かが必ず見てくれています。


仮に誰にも気付かれなくても、自分の心があたたまるでしょう。


人知れず人を想い、直向きに頑張るあなた。


あなたがのこした足跡は、次の人たちが必ず受け継いでいきます。


そういう人で、自分もありたい。



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「魂が震える話」


発行人:けい