スマホが壊れてしまい、アプリの整理とかしていて、mixiの日記を見てみた。
そしたら、愛猫メイと最後に会った日の日記が出てきた。
今でも癒してくれるメイの存在。
本当にアホで、差別なく人間すべてが大好きだったメイ。たれ目で、最後は
毛もボロボロで、ちょっとボケていたけど、本当に愛嬌たっぷりの可愛い猫だった。
2011/12/19の日記より
昨日、夜中に実家に帰るのに、大通りから路地にはいると、道の真中を猫が一匹、こちらに向かって、歩いてきた。
メイ?
メイは最近、うるさく鳴くので、夜中にはあまり外に出してもらえない。
しかも、年を取って大通りの方まではあまり来ないようになっていた。
だから、メイかな? と思ったけど、小さくて、薄闇にまんまるい目が、
メイだった。
メイは野生のような顔をして、こっちを見ていたけど、私が呼ぶと、大声で鳴き始めたので、あわてて、メイをなで「メイ、大きい声でないちゃだめだよ。夜中だよ」といって、メイが鳴きやむまで、撫でたり、首をかいてあげた。
メイはおとなしくなって、ゴロゴロとのどをならした。
メイ、またよだれだらすかなあ、なんて思っていたけど大丈夫だった。
私は、家に向かう。いつもなら付いてくるメイが来ないので、呼んでみたけど、メイは道路に座って、街頭でシルエットになっていた。
メイ、メイ。
でも、来ないから、今、外にでたばかりなのかなと思って、家の門に入った。
でも、なんだかやっぱり気になって、外に出たら、メイの声がしたので、メイって呼んだら、メイはもっと遠くで、ゴミ捨てに出てきた近所のマンションの住人にすりよっているところだった。
メイは、本当に誰にでもなついちゃうんだなあ。
あ、でも、メイの友達かな。メイにも知らない世界があるんだなあ。
なんて思い、メイを連れ帰ろうかと思ったけど、夜中だし、知らない人(多分男の人)だったし、どうせ、すぐ帰ってくるかな、と思って、家に入った。
お父さんが起きていたので、「メイ、迎えにきたのかとおもった」と話したら、「メイはあっちまでは行かないんだけど、珍しいな」と言っていた。
メイは、すぐ外にでたがるけど、寒いとすぐ帰ってくる。
でも、昨夜、メイは帰ってこなかった。
いつまでたっても、帰ってこなかった。
道の中央をゆっくりと歩いてきたメイに、本当に偶然、ばったり会って、メイを撫でた私が、メイを見た最後になった。
メイはもう帰ってこないのかな。
メイは22,3歳くらいの、そうとうな年だ。
猫は、死ぬ時は人に見えない場所へ行くという。
サンタも、そうだった。
サンタは実家が引っ越す時、物置を動かすと、小さな骨になって出てきた。
サンタかどうかはわかならいけど、たぶん、そうだと思う。
メイは、どこに行ったんだろう?
メイを家から「外へ出たい」と鳴いて鳴いてうるさいので追いだしたお父さん。
自分の部屋にいて、メイが知らないうちにいなくなってしまったお母さん。
そして、最後にメイに遭遇した私。
みんな、言葉にできない思いを抱えて、もしかしたら帰ってくるかも。
いや、もうきっと帰ってこない。
そんな思いに頭を支配されている。
メイ。
あの時、メイはもう心を決めていたの?
私が歩いてきた時、メイはびっくりしていた?
私が家の前で呼んだ時、メイは迷っていたの? 家に戻ろうかって
でも、きっと私がメイを抱きかかえて、家に帰っても、メイは数日中には出て行ったのかな?
メイ、あの真ん丸な目で、小さくて、より小さくなっていて、毛ももうずいぶんとぼろぼろで、でも、夏を乗り越えたメイ。
誰にでも懐いてしまうメイ。
人が大好きでしかたのないメイ。
それでも、メイは人の目の届かない場所へいったのかな?
実家からの帰り、ずっと考えていた。
もし、メイが最後の時を感じて、歩いていたのだとしたら、猫ってすごい。
人間には、なかなか自分の人生の終わりを見極めることができない。
それはだれにも平等にやってくる可能性だけど、でも、たいていの人は、その時を見極められずに、終わる。
猫はすごいな。
あの甘えん坊のメイも、あんな風に凛とした顔で、冬の夜の道を歩いていた。
メイ、でも、やっぱりね、さみしいよ。
メイ、ひょっこり帰ってくるんじゃないのかなあ?
でも、もう本当に長生きだったから、疲れちゃったのなら、ゆっくり眠ってね。メイ。
私は小さい頃から猫が好きで好きで、まさかサンタとメイと暮らせるとは思ってなかった。
すごいうれしかった。かわいかった。
大人になってからは、たまにしか会えなくて、連れていけなかったけど、でも、メイに会いたくて、実家に帰ることもあったんだよ。
引っ越した時、メイは3日間、行方不明になって、あの時はすんごい泣いた。
でも、メイはずっとふろがまの下でおびえてたんだよね。
今、メイはどこにいるんだろう?
人間のエゴでメイをどうこうはできない。メイの意思でそうしたならしかたない。
でも、ちゃんと顔みたかったなあ。明るい場所で。
メイ、寒くなかったかなあ。












