
12月の半ばに、97才の祖母が他界しました。
私が実家に戻った日の夜中でした。
実家に戻った私は、眠り続ける祖母の手を取り、
祖母から聞いた祖母の小さい頃の話や故郷のこと、私との思い出を、ずっと話して聞かせていました。
そして、「おばあちゃんが話してくれたこと、全部私が覚えてるから、安心してね。大好きだよ、おばあちゃん」と呼び掛け続けました。
覚えてるからと言ったのは、認知症が始まり、不安を覚えていた祖母に安心してもらおうと言ったことで、まさかそのまま永遠の眠りにつくとは思っていませんでした。
結果的に、亡くなるおばあちゃんへの誓いのようになりました。
訪問看護師さんは、耳は聞こえているから、と言っていたので、私の言葉がおばあちゃんに届いていて、少しは安心していけたのならいいなと思います。
確かめようもないけれど。
訪問看護師さんと一緒に、おばあちゃんを綺麗に拭いて、浴衣に着替えさせてもらいました。
整えると、まるで微笑んでいるようないつもの顔で、とても亡くなったとは思えなかった。
あまりにも可愛いから、その後も何度も何度も見てしまうくらいでした。
火葬したあとも、この年齢とは思えないほどの立派な骨がたくさん残っていて、焼かれてもなお、驚かされる祖母でした。
身近な人の死であり、最期の身支度をしたことは、私のなかに何か大きなものを残しました。
それが何かはまだわからないけれど、とても大きな大切な何かです。
おばあちゃん、長い間お疲れ様。
大好きだよ。
たくさん、ありがとう。
年の瀬に、東京にほんの少しだけ雪が降りました。
お世話になったみなさんに感謝して、戻ることのできない時の門を、またひとつ潜ろうとしています。