消滅昔、嫌な思いをした場所が、ビルごと消滅していた。その駅に近づくことさえ、どこか避けていた場所が、完全に消滅していた。しかも、3日前までは、存在していたらしい。たまたま私のいった日に、完全消滅を終えたのだ。何か、古い傷の痛みが、取り去られたような。もうあの角も怖くないんだ。あの過去にとらわれることもない。ただの、街角だ。