1/2の世界電車で眠って、目が覚めたら、世界が半分、見えなくなっていた。右のコンタクトがない。今、走り去る電車に乗って、新宿へ行ってしまったらしい。私を捨てて。長い付き合いだったのに。いくつもの景色を共に見てきたのに。挨拶もなく行ってしまった。さっきまでの景色とは、まるで違く見える。行く先がにじんでいる。それでもミギなしで、やっていくしなかない。1/2の世界を、私は今、歩いている。