人を知る仕事 | 作家 坂井あおのブログ

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小説・シナリオ(ドラマ、映画、CM)・写真詩集作家、坂井あおの日々浮かんでは記憶の海に消えゆく思いを気ままに綴るブログです。

私は今、ドラマや映画の脚本を作る仕事をしているわけですが、

それって何が1番大事なのかというと、やはり「人間」を描くことなんですよね。


まあ、ドラマや映画の種類によって、大事なものっていろいろあるんですけど、

構成とか展開とか事件ならトリックとか、でも、どんなものでも、人間の気持ちが

描かれているか、いないかってことがやっぱり大切なんですよね。


いい作品は、どんなに面白い作品でも、怖いものでも、人間ってものがちゃんと描かれている。



実は、私の苦手分野だったなあ、なんて今更、きづいちゃいました(笑)

写真なども物や風景を撮るのが好きだけど、人を撮るのは得意ではないです。



じゃあ、どうやって人間を深く見る視点を育てるかというと・・・、人間を知るしかないんですよね。


たとえば、ニュース。

今なら、長期逃亡している人の逮捕なんかのニュースが連日続いているけど、

そこに見える「人間」って、例えば、どんな人でも食べないとだめだし、服を着るし、どこかで寝ないといけないっていう絶対があって、

それって、私のようにのほほんと家にいる人でも、必死で警察や世間の目から逃げている人でも、一緒なんですよね。


そのために、食べ物を買いに行く。洋服を着替える。どこか寝る場所、なんかに、その人間の現状や趣向が現れたりする。


ずっと捕まえたかった刑事でも、長い逃亡事件だと退職しちゃって、今はテレビのコメンテーターとして出てくる人もいる。その人はどんな思いなのか、とか、ギャラ交渉なんてされるとどんな気分なのかな、なども思ってみたり。


犯人以外でも、知らずにかかわってしまった人の心情とか、犯人が呼んでいた本の作者とかどんな思いでその本を書いて、読まれていたと知ったら、どんな気分なのかな、なんてことを考えてみたり・・・。




犯人が早く掴まって欲しいのは言うまでもないんですけど、そのことによって多くの人間が影響される。

そういうのが社会なんですよね。



そういうニュース以外だけじゃなくて、たとえば変わったペットを飼っていて、かまれた人にも、その周辺にも、人間が見える物語がある。



それをどう自分の中に受け止め、どう出すかっていう問題もあるけど、とにかく、ドラマを描くことは、人間を知ることがすごく大きいなあ、なんて、この業界の人なら当たり前に知っていることですが、改めて思ったわけです。




何故急にそんなことを思ったかと言うと、撮りためたドラマをBRに落そうかなと思って、見直していたんですけど、とくに今のクールで面白い「リーガルハイ」で、まるで某政治家のことを言っているような回があって、そんなでかい、コメディドラマ的ではない話を、みごとにまとめて描いている深さに、ちょっと感動していたからです(笑)



私の好きな脚本家の木皿さんも、よくニュースを取り入れているし。



いつか、自分も自分の思いを自分の形で描けるようになるだろうか・・・。

なりたいなぁ。



最近、フットサルをやって、もっとうまくなりたいって思ったけど、好きなことって、もっとうまくなりたいものなんだな。




そういえな、24時間テレビのドラマのお手伝いを少しだけさせて頂きました。(8月25~26日OA)

詳細は、また告知しますね。


実は障害を持たれている方のドラマに以前は抵抗がありました。

でも、どう人間を描くか、というところに終点を掲げれば、障害を持っているというのはその一人の人間を成り立たせている一つの要素であるだけで、自分が女であることとか、背が低すぎることとかと変わらないのではないかと思いました。

大事なのは、その人がどう生きているか、なんですよね。


こういうことも、脚本を書きたいと思ったから思うようになったことかもしれないです。




まだまだ自分は心を形で表現することか上手くはないんですけど、上手くなりたい。

誰かに、自分の形で、人間の一面とそこから見える何かを伝えたい。

それで、見てくれた人と、その何かを分かち合いたい。

どうしてそう思うのかな。それは何か、今はまだわからないけれど、

「どういうドラマを描きたいのか」だけはわかっていて、

今はただ、「自分の中で出したい」と思っているものを、ちゃんと人に届くように表現できる方法を身に着けたいっていう、本当に、純粋に、それだけで、がむしゃらにもがいているところです。



PCでブログを書くと。どうも長くなっちゃうようです。

読んでくれた方、ありがとうございました。


あお